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2018年02月09日(Fri)
北極域の温暖化は他地域の3倍
新たな利活用 中韓両国に遅れる日本
北極サークル議長、積極参加呼び掛け


記者会見するグリムソン議長

記者会見するグリムソン議長

北極域の温暖化は他地域の3倍のスピードで進んでおり、氷床融解に伴う水面上昇や生態系への悪影響の半面、北極海航路の実用化や資源開発など新たな利活用の可能性が広がっているー。2月8、9両日、東京・虎ノ門の笹川平和財団ビルで開かれた「北極ガバナンスに関する国際ワークショップ」で特別講演したオーラヴル・ラグナル・グリムソン北極サークル議長(前アイスランド大統領)は北極域の現状を説明した上で、日本の取り組みが中国、韓国に比べ遅れている、として積極的な参加を呼び掛けた。

ワークショップは日本財団、政策研究大学院大学、笹川平和財団海洋政策研究所の主催で、2016年にはオールジャパンで北極問題を議論する「北極の未来に関する研究会」を立ち上げている。今年1月には、今春にも予定される海洋基本計画の見直しに向け、砕氷機能を有する北極域研究船の建造など、わが国が北極に関し取り組むべき課題と施策をまとめた提言書を政府に提出しており、ワークショップはこの研究活動の一環。北極圏諸国や中国、日本の政策担当者や研究者、海事産業関係者ら約100人が出席した。

出席者で記念撮影

出席者で記念撮影



2日間にわたり「北極環境問題における科学技術と政策の統合」、「北極におけるビジネスと資源開発の可能性」、「北極協力におけるアジアの役割と期待」の3つのセッションを開催。冒頭、開会の挨拶に立った日本財団の笹川陽平会長は、1993年から6年間、世界に先駆けてロシア、ノルウェーの研究所と実施した国際共同研究で2050年ごろと予想した北極海航路が既に現実化している点を指摘。「人類が長く生存するためにも海全体の中で北極海がどうあるべきか真剣に考える必要がある」と述べた。

江崎鐵麿・内閣府特命担当大臣(海洋政策)は基調講演で日本が北極域の持続性のある発展に寄与していく方針を表明、ついでグリムソン議長が特別講演を行った。議長は2013年の「北極サークル」設立の主導者として知られ今回は初来日。講演の後、記者会見にも臨んだ。

挨拶する笹川会長=左=と江崎特命担当大臣

挨拶する笹川会長=左=と江崎特命担当大臣



この中で議長は(1)早いスピードで進む北極域の温暖化で“新たな海”が登場しつつある(2)北極域には石油、天然ガスだけでなくレアメタルなど豊富な資源がある(3)既に中国は北極海航路に参入しているーなどと指摘、国際協調の新しいモデルを作るためにも日本に積極的な協力・参加を求めた。

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内外の関係者が集まったワークショップ会場



日本は2013年5月、中国、韓国とともに、米国やロシアなど8カ国でつくる北極評議会(AC)のオブザーバー国となった。1950年以降、蓄積された豊富な知識や科学技術の蓄積もあり、2015年には北極圏の研究・開発に取り組む北極政策も策定された。しかし中国、韓国が持つ砕氷船はなく、特に今年1月、「北極政策白書」を発表、北極海航路を「氷上のシルクロード」と位置付け広域経済圏構想「一帯一路」に結び付けるなど積極策を打ち出している中国には大きな後れを取っている。

一方、日中韓3国で将来の北極開発に向けた協力を話し合うハイレベル対話も進め、北極圏の権益確保に向け共同歩調を模索する動きも出ている。
タグ:北極海
カテゴリ:海洋







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