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2018年02月01日(Thu)
ミャンマーを代表する事業に
着実に拡大する薬草プロジェクト
カレン州と日本財団が基本合意


ミャンマー・カレン州の州都パアンで州政府とともに進める薬草プロジェクトの今後について日本財団の尾形武寿理事長とドー・ナン・キン・テュエ・ミエ州首相が1月29日、州庁舎で会談した。プロジェクトは薬草資源センターで栽培された生薬の出荷や周辺農家から集められた薬草の一次加工がスタートするなど着実に拡大しており、会談では新たにセンター用地の拡張や薬草のブランド化などに取り組むことで基本的に合意した。今後、センター機能を大幅に強化しミャンマーを代表する薬草プロジェクトへの発展を目指すことになる。

意見交換するカレン州首相=左=と尾形理事長

意見交換するカレン州首相=左=と尾形理事長


東京ドーム3.4個分、40エーカーに上るセンターには2013年6月のプロジェクト開始以来、事務棟のほか研修棟、加工棟、食堂、宿舎(寮)が整備され、現在、14人のミャンマースタッフが働くほか、近隣の農家から1日平均40人が薬草栽培や加工作業に従事している。

カレン州首相を囲み関係者で記念撮影

カレン州首相を囲み関係者で記念撮影



昨年から年明けにかけ、センターで栽培されたノニ(ヤエヤマアオキ)1.5トンとムクナ(ハッショウマメ)0.8トンがヤンゴンに本社があるミャンマー最大手の生薬メーカーに初出荷された。ノニは免疫力改善、ムクナは疲労回復に効くとされ、その後も大口の注文が寄せられている。

商品化されたノニ=左=とムクナ

商品化されたノニ=左=とムクナ



加工部門にもショウガ150トン、ウコン1トンが持ち込まれ、センターでは洗浄―乾燥―裁断―パッケージと続く一連の作業に取り組み、出荷後、発注した生薬メーカーがこれを商品化し市場に出す。加工費用は乾燥ベースでキロ当たり1ドル。日本や中国からも乾燥ショウガやウコンなどの大口の引き合いが来ており、現在のセンターの機能では需要に追い付けない状態にある。

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ショウガの加工に取り組む主婦ら



首都ネピドーにある森林大学によると、ミャンマーでは現在700〜800種類の薬草・薬木が確認されており、センターではこのうち106種類について腹痛、解熱など効能別に標本化、うち30種類を栽培している。カレン州での生育の可能性を調べるため日本などから持ち込まれる試験栽培の薬草も多く、今後、生薬として活用できる薬草・薬木を開発する上でも専門知識を持った人材が欠かせない。

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豊富な薬草の標本も並ぶ



こうした背景を受け、尾形理事長は今回、森林大学のミン・ウー学長を訪問、人材面での協力を要請するとともに、州の首相や森林、農業両大臣らと今後の強化策を協議した。この中で栽培技術の開発・普及、周辺農村への技術移転、その買い取り・加工と販路の開拓など幅広いテーマが取り上げられ、州首相はセンターの拡張や工場を建設するための用地確保、さらに商品化した薬草の普及に向けたアンテナショップの設置などに前向きに取り組む考えを表明。尾形理事長も、地元の要望が強いトウモロコシの保存技術普及やサイロ建設に協力していく意向を伝えた。

ミャンマーでは、軍政時代の経済制裁で西洋医薬品の輸入が制限されていたこともあって伝統医薬品に関する国民の関心が高く、長い内戦で豊富な薬草も残されている。半面、近年は薬草を育んできた森林の伐採が急速に進み、ミャンマー政府も森林の保護を政策目標に掲げている。薬草の重要性を広く認識されれば、森林保護の重要性に対する認識も高まり、プロジェクトに対する関係者の期待も高い。

加えてカレン州が最近まで少数民族との紛争地域でもあったことから、成功すれば平和構築のモデル事業ともなり得る。そうなれば約160万人の州人口の70%を占める農村の収入増も期待でき、州首相との会談で尾形理事長は「農民の生活が少しでも豊かになり、平和を実感できるようなプロジェクトに何としても育てたい」と意欲を語り、州首相も日本財団の協力に謝意を述べた。


● ミャンマー支援プログラム(日本財団ウェブサイト)
タグ:ミャンマー
カテゴリ:世界







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