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2017年12月08日(Fri)
『GO Journal』がパラスポーツと未来を突き動かす
11月29日で東京パラリンピック開会式まで、あと1000日となる。それを前にした22日、新たな「パラアスリート」の魅力を発見、「パラスポーツ」への関心を高めるグラフィックマガジン『GO Journal(ゴー ジャーナル)』が創刊され、記念イベントが東京・銀座蔦屋書店で開かれた。

グラフィックマガジン『GO Journal』創刊記念イベント

グラフィックマガジン『GO Journal』創刊記念イベント


雑誌を発行するのは日本財団パラリンピックサポートセンター。写真家で映画監督の蜷川実花さんをクリエイティヴ・ディレクターに招き、「パラアスリート」をモデルに大胆な写真を多用した画期的なフリーマガジンである。

すでに今年6月に「0号」を試験的に発行し、大きな話題を呼んだ。待望の創刊号は0号と同様、リオデジャネイロ・パラリンピック陸上女子400メートル(切断などのT47)銅メダリスト、辻紗絵選手(24=日本体育大学大学院)が表紙を飾り、64ページのA3タブロイド版は読み応えもある。

この日、蔦屋書店の書棚に囲まれた空間には、蜷川さん撮影の辻選手の表紙を拡大した大きなパネルが下がり、周囲にもパラアスリートの写真が飾られるなど、華やかな雰囲気で記念イベントが行われた。

会場の銀座蔦屋書店

会場の銀座蔦屋書店


「思ったより立派になったなと。紙のずっしりとした重さがあり、取っておきたくなるものになりました」

自ら作品も提供、監修にあたった蜷川さんは雑誌の感想をそう述べるとともに、さらにこう呼びかけた。「パラスポーツに興味のない方にも、少しでも多くの人に手に取ってもらいたいですね」

フリーアナウンサーの中井美穂さんが進行するトークショーでは、蜷川さんと辻選手が登壇し撮影秘話を語った。

ふたりの出会いは昨年夏、パラリンピックのためにリオデジャネイロ入りした空港のバゲージクレームだった。ジャージ姿の辻選手が左手でスーツケースを引き揚げようとしているところを、同じ便で到着した蜷川さんが見かけて、声をかけた。

「かわいい子がいるな、とっても光り輝いていて、気になって声をかけました」

蜷川さんは東京大会組織委員会の理事を務める。パラリンピック開会式視察のためのリオ入りで辻選手に遭遇、「ひと目ぼれ」したという。

「『選手の方ですか?』『陸上やっています』と言葉をかわしたんですけど、ほんとうに外見だけでなく内側から光り輝いていて、とても気になって、その場で、いつか撮らせてほしいといったんです」

辻選手も、蜷川さんに気づいていた。「空港におりたとき、蜷川さんじゃないかなとわかったんですが、まさか、ちがうよなと思っていました。そうしたら声をかけられて、えっ、本物だって・・・」

「写真を撮らせてほしいといわれ、えっ、まさか、うそーっ。(蜷川さんは)華やかさのなかに優しさがあって、すご人だなとずっと思っていました」

そんなふたりが次に会ったのが、『GO Journal』の撮影である。

蜷川さんが話す。「難しい衣装を着てもらったり、義手をどう魅力的に見せるか、どうファッションに寄せるかなど考えたりしていましたが、片手があるないは、もはや関係なくなり、最後はもうどうでもいいわとなりました。とにかく(辻選手の)光り輝く内面、人間性が伝わればと思いました」

表紙になった写真について、辻選手は蜷川さんとのやり取りを交えて印象を話した。

「表紙(の写真)は、『目の前に金メダルがあると思って、そこを睨んで』といわれて自分でも『絶対、それを獲る』と思ってイメージした表情です。競技をやっている私、ファッショナブルな感じと、実花さんの世界観が混ざり合っている」

いろいろポーズを撮ったなかで、「やはり表紙」が一番気にいっているという。辻選手は、ファッション誌のような撮影はこれが初めて。「不安もあった」というが、「蜷川さんが『かわいい』といってくれて、もう一回やりたいくらい楽しかった」と振り返った。

『GO Journal』を持つ蜷川実花さん(左)と辻紗絵選手(右)

『GO Journal』を持つ蜷川実花さん(左)と辻紗絵選手(右)


この創刊号は、ふたりのコラボレーションの始まりとなるかも知れない。これから、どんな写真が『GO Journal』を飾るか、楽しみだ。「感無量だけど、ここがスタート」と話す蜷川さんは、「しっかりと、いいものを継続させていきたい」。自身の今後の役割に期待感を重ねた。

東京パラリンピックへの思いを聞かれた辻選手は、「母国での開催はアスリートにとって一生あるかないかの大会。集大成を見せなければならないと思っています。金メダルを獲って、国旗をあげて、国歌を聞いて、新しい自分をみつけたい」と未来に夢を馳せた。

ふたりはこの後、ボッチャ日本代表、高橋和樹選手を交え、ボッチャの実体験に挑戦した。経験のある辻選手はほぼねらい通りの投球を披露したが、初めて体験する蜷川さんは壇から落としてしまって大笑い。楽しい雰囲気で会場を盛り上げた。

高橋選手によるデモンストレーションでは「ランプ」と呼ばれる勾配具を使い、ボールを転がす技も披露された。競技アシスタントに指示をだしながら、目標にぴたりとボールを寄せて大きな拍手がわいた。高橋選手は、「誰でもできるユニバーサルスポーツだけれど、やってみると難しさや奥深さがわかる」とボッチャの魅力を説明。こうした触れ合いが理解を進めることを強調していた。

高橋選手によるボッチャのデモンストレーション

高橋選手によるボッチャのデモンストレーション


イベントに先立つ記者発表会には、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長、鈴木俊一東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣もかけつけ、『GO Journal』への期待の大きさを示した。

冒頭、パラサポの山脇康会長があいさつ。「GO Journalは、これまでになかったクールでホットな読み応えのある内容。新しい切り口でパラリンピックを盛り上げていこうと考えている」と述べた。

パラサポの最高顧問でもある森会長は、パラリンピックへの期待感を示すとともに「2020年に向けて、解決しなければならない問題がまだたくさんある」と実情を説明。バリアフリーになっているホテルが東京にはほとんどないこと、海外からの選手を迎える成田空港に不測の事態に対処する病院はできたが、観光客対策はできているのかなど、問題点を例示。「ひとつ1つ解決していかなければならない」と述べた。そのうえで、「(パラリンピック、パラスポーツに)大いに興味を持ってほしい」と訴えた。

挨拶する森東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長

挨拶する森東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長


鈴木五輪相は「国民の関心はまだまだオリンピックに偏りがちだが、パラリンピックが成功しなければ、大会は成功したといえない」と語り、パラアスリートの別の魅力を紹介する『GO Journal』が「パラスポーツの理解の増進につながると思う」と期待感をあいさつに込めた。

『GO Journal』は、毎年2回発行予定で、全国の蔦屋書店(銀座、代官山、中目黒、京都岡、梅田、広島 T―SITE、六本松)で配布されるほか、日本財団が助成する多言語発信サイト「nippon.com」で英語、中国語、フランス語、スペイン語、アラビア語、ロシア語に翻訳されて世界に発信される。

また、創刊に合わせて、27日まで銀座蔦屋書店で「GO Journal 創刊記念パラアスリート写真展」も開催。会場で雑誌も配布された。この写真展は、内閣官房「オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査」試行プロジェクトとして実施された。



● 日本財団パラリンピックサポートセンター ウェブサイト
● GO Journal ウェブサイト







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