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2017年10月13日(Fri)
2017年アフリカ食糧賞を受賞
ルース・オニアンゴ・ササカワ・アフリカ財団会長
「人生を栄養に捧げてきたので、とてもうれしい」


ササカワ・アフリカ財団(SAA)会長のルース・オニアンゴ教授がこのほど、コートジボワールで開催された「第7回アフリカ緑の革命フォーラム」で2017年アフリカ食糧賞を受賞した。アフリカで栄養改善のリーダーとしての功績が認められたもので、同教授の来日を機に、東京・赤坂の日本財団ビルでインタビューした。

笹川陽平・日本財団会長から祝福されるオニアンゴ教授

笹川陽平・日本財団会長から祝福されるオニアンゴ教授


インタビューに答えるオニアンゴ教授

インタビューに答えるオニアンゴ教授

アフリカ食糧賞は2005年、ノルウェーのヤラ・インターナショナルASAがアフリカの農業の成果を称えることを目的に設立した。2016年にアフリカ食糧賞と改名したことで、アフリカの独自性、アイデンティティ、オーナーシップをさらに高めることになった。今年は600人以上の候補者がノミネートされ、その中からオニアンゴ教授とマリの女性農業企業家、マイムナ・シリベ・クリバリさんに授与された。

インタビューのはじめにオニアンゴ教授に「受賞、おめでとうございます」と、お祝いの言葉をかけると、顔をほころばせながら、「私の笑顔からお分かりになるとおり、とてもうれしく、同時に謙虚な気持ちにさせられます」と述べた。続けて「これまでの人生を栄養に捧げてきたので、その蓄積がこの賞につながったと思っています」と語り、栄養の重要性を指摘した。そのうえで、多くの人のサポートや励ましがあったことを強調し、「受賞は私一人で成し遂げたことではなく、日本財団を含め、私にチャンスを与えてくれた全ての人のお陰です」と感謝した。
                    
この後、SAAが創立された31年前(1986年)と現在で、アフリカの農業がどう変わったかを聞いた。オニアンゴ教授は、SAAがこれまでアフリカ54カ国のうち、14カ国で活動してきたが、現在はエチオピア、マリなど4カ国に絞ったことを紹介。「活動を開始した当時、アフリカの農業分野で活動している団体はほとんどなかった。だが、今は多くの人が関わり、プレイヤーが存在している」と、変わりつつあることを指摘した。

オニアンゴ教授は特に成果が出ている国としてエチオピアを挙げ、「現在では自給率100%を達成し、ケニアなどの隣国に対し、穀物の輸出を行っている」と述べた。その背景には、故メレス元首相が笹川良一・初代日本財団会長、ノーマン・ボーローグ博士、ジミー・カーター元米大統領との友好を深め、SAAの活動に深い関心を示したことが関係していると強調した。

続いて、SAAの課題について聞いたところ、「一番の課題はアフリカ各国の政府に、農業を通じた開発促進の重要性を認識してもらうことだった。それが理解されれば、政府が農家をトレーニングし、改良技術を普及させるプログラムを盛り込んでくれる」と述べた。

さらに、今後の課題について「アフリカでは農業普及員の役割が浸透しつつあり、今後も多くの国で公共の農業普及サービスを小規模農家に提供することが必要だと考えている。このサービスの強化こそがSAAの強みであり、今後も力を入れていきたい」と語った。

また、アフリカの現在の栄養レベルについて、ケニア初の栄養学教授の専門家としての意見を求めた。教授は、アフリカで子どもの成長不足や乳幼児の死亡率が依然高いことを認めつつ、「栄養不足を解決するカギは多様な食生活だ。西洋の食事に近づきすぎて、私たちが元々持っていた食生活を忘れてしまったのだ」と指摘した。続けて「食生活を取り戻す過程で人々を貧困から解放し、彼らに教育と平等の機会を提供することが求められる」と力を込めた。

最後に、今後の抱負を聞くと、「私たちはもう実験段階を超えているし、各国の政府がようやく農業に関心を持ち始めている。これまでのSAAの蓄積と資源をどのようにアフリカの国々と共有していくか、そして、より多くの国々の政府に理解と行動を促すにはどうすればよいかを考えながら、私たちのメッセージを伝えていきたい」と述べた。

オニアンゴ教授はケニア生まれ。食品科学と栄養学の教授を務める傍ら、SAA会長を続け、2003年から4年間、国会議員も務めた。現在、ササカワ・アフリカ財団会長のほか、笹川アフリカ農業普及教育基金会長も務めている。71歳で孫が7人いる。

SAAは1986年、当時の笹川良一会長、ノーベル平和賞を受賞したボーローグ博士、カーター元米大統領によって設立された。当時、「アフリカの角」を襲った飢餓に対し、食糧援助ではなく、農家に適切な農業技術を届けることで、より持続可能な支援を行うことを目指した。



● ササカワ・アフリカ財団 ウェブサイト







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