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2017年09月22日(Fri)
ジビエを活用して食育教育
鳥取県 普及に向け先進的な取り組み
農作物被害を一転、資源に


全国初のジビエサミットを開催するなど狩猟で捕獲された野生鳥獣(ジビエ)の活用による地域振興を目指す鳥取県は、小中学校の食育教育の一環として学校給食でのジビエの活用などを通じ児童生徒に対するジビエの普及を図ることになった。県内の料理関係者でつくる「惣和会」(千久馬惣一・名誉会長)が指導協力し、まず同県中部の三朝町内の小中学校3校で実験的に実施する予定で、鳥取県の地域おこしに協力する日本財団も支援する。

増加する野生シカ(鳥取県提供)

増加する野生シカ(鳥取県提供)


鳥取県では昨年、鳥獣による農作物被害が前年比55%増の8990万円に上り、捕獲数もシカが7274頭、イノシシ1万1970頭とそれぞれ前年比20〜45%増、過去最高の数字となった。全体の15%に当たるシカ1824頭、イノシシ1124頭が解体処理されジビエとして活用されたが、残りはペットフードなどに使われるか遺棄されている。

イノシシの被害も拡大(鳥取県提供)

イノシシの被害も拡大(鳥取県提供)


鳥取県では古くから鳥取市や周辺の八頭、若桜両町など県東部を中心にジビエを食べる文化があり、同地区の24店舗や食肉処理施設などでつくる「いなばのジビエ推進協議会」も立ち上がっている。15%の利用率は北海道の17%に次いで全国2位。15年2月には「地方創生への道 迷惑ものが資源に変わる」をテーマに第一回日本ジビエサミットも開催され、37都道府県から約300人が参加した。

シカ肉を通年販売するマーケットもあり、今年6月には八頭、若桜両町のジビエを加工処理する「わかさ29(にく)工房」が全国に先駆けて、県の食品衛生条例に適合していることを示すHACCP認定を受け、高い解体処理技術を視察に訪れる県外関係者も多い。鳥取県庁には「食のみやこ推進課」もあり、県庁食堂では10年前から週一回、ジビエカレーも用意されている。

こうした地域の盛り上がりを受け今回、学校給食を通じたジビエ活用モデルの構築を目指すことになった。県や日本財団のほか惣和会、いなばのジビエ推進協議会も協力、年明けには三朝町内の小中学校3校の児童・生徒約300人を対象に、ジビエ給食の提供やジビエを使った給食コンテストなどを予定。関係者は「児童生徒がジビエを体験することで、鳥獣被害も含め広く地域の問題を理解するきっかけとなる」と期待している。

ジビエ活用を語る吉田秀光・三朝町長(左から三人目)と千久馬惣一・惣和会名誉会長(同4人目)

ジビエ活用を語る吉田秀光・三朝町長(左から三人目)と千久馬惣一・惣和会名誉会長(同4人目)


鳥取県には「わかさ29工房」を含め公設、民間合わせ計12の解体処理施設があり、「処理技術が高い」、「肉質がよい」と首都圏のレストランからの引き合いも増えつつあり、鳥取県では当面、県中西部へのジビエの普及拡大を図る一方、「とっとりジビエ」の全国ブランド化を目指す考えだ。

農林水産省によると、国内の野生鳥獣の生息域は全国的に拡大しており、捕獲数もこの10年間でシカが2.2倍、イノシシが4.5倍、ニホンザルが1.6倍に増加、農作物被害も200億円に上っている。このため鳥獣被害防止特別措置法に基づき捕獲の担い手育成などに乗り出しているほか、今年1月には東京で第1回ジビエ料理コンテストを開催、ジビエの需要拡大にも乗り出している。



● 鳥取県 x 日本財団 共同プロジェクト ウェブサイト







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