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2017年08月02日(Wed)
「ハンセン病医療の基礎から臨床まで」
知識を深めてもらおうと医学夏期大学講座開催
日本財団と実行委が共催、国立療養所多磨全生園などで


ハンセン病への知識をいっそう深めてもらおうと、病気と差別をなくす活動に長年取り組んでいる日本財団は7月31日、医療関係者や医療系学生を対象に「ハンセン病医療の基礎から臨床まで」と銘打った第39回ハンセン病医学夏期大学講座をスタートさせた。実行委員会と8月4日までの5日間、東京都東村山市の国立療養所多磨全生園などで共催する。

開講式であいさつをする石井則久・ハンセン病研究センター長

開講式であいさつをする石井則久・ハンセン病研究センター長



受講コースには「総合」「看護・福祉」「国際医療」(7月31日から8月3日の3日間)の3つがあり、全国から医師、医学生、看護師、看護教員、作業療法士、放射線技師など計45人が参加した。内訳は総合11人、看護・福祉15人、国際医療19人。
ハンセン病医学夏期大学講座の様子

ハンセン病医学夏期大学講座の様子



初日の7月31日には、全生園の福祉サービス棟研修室で開講式が開かれた。実行委員長の石井則久・国立感染症研究所ハンセン病研究センター長は「ハンセン病は病気ではあるが、社会的、法律的な問題、偏見差別、人権の問題もある。病気のことだけではなく社会的側面も理解してほしい」と述べ、先に105歳で他界した聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんについて「先生はこのハンセン病医学講座に非常に関係があり、第1回講座に参加して、患者さんに寄り添う医療・看護を目指し、国際協力にも目を向けてほしい」と訴えたと紹介した。

講座で話す多磨全生園入所者自治会の平沢保治・会長

講座で話す多磨全生園入所者自治会の平沢保治・会長



その上で「講座は医学的、看護的なもののほかに、社会的問題も含めたプログラムにしてある。入所者の方との交流や看護実習もある。ハンセン病を全体的な形で十分に理解し、国際協力のことも視野に入れて学んでほしい」と呼び掛けた。

あいさつをする田南立也・日本財団特別顧問

あいさつをする田南立也・日本財団特別顧問

国立感染症研究所(東京都新宿区)の倉根一郎・所長のあいさつに続き、田南立也・日本財団特別顧問は、この夏期大学が39年前、岡山県の長島愛生園で、日本財団の姉妹財団・笹川記念保健協力財団の補助事業として産声を上げた経緯を紹介。昨年度からは日本財団が国立ハンセン病資料館の運営を厚生労働省から受託したことから、この病夏期大学も共催することになったと説明した。さらに田南特別顧問は、日本ではほとんど新たな患者が見つかることはないものの、世界の年間新患者数20万人は過去10年間ほとんど変わっていない。ハンセン病は医療、社会の両面で現在進行形の問題だ。全国の医療関係者にこのことを深く知ってもらい、その知識、経験を国内、海外で生かしてほしいと訴えた。

講者、講師、実行委員会メンバーらで記念撮影

受講者、講師、実行委員会メンバーらで記念撮影



講座のスタートに当たり、多磨全生園入所者自治会の平沢保治・会長が「人生に絶望はない−ハンセン病とともに70余年−」と題して講演。「ハンセン病問題を単にハンセン病だけの問題にせず、人権問題を考える上での普遍的な課題として、これからも広く伝えていきたい」と話した。

日本財団は、ハンセン病と差別をなくすために、医療面での制圧活動とともに、社会的差別の問題を人権問題として重要視し、患者・回復者とその家族の尊厳の回復を目指す活動に過去40年以上にわたり取り組んでいる。国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)、重監房資料館(群馬県草津町)の管理運営も16(平成28)、17(平成29)の両年度、厚生労働省から受託した。


● ハンセン病〜病気と差別をなくすために〜(日本財団ウェブサイト)
カテゴリ:健康・福祉







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