2017年08月01日(Tue)
障害者と健常者が一緒に楽しめるアート展!
多様な個性に寛容なインクルーシブな社会の実現を目指す日本財団は、2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS(ダイバーシティ・イン・ジ・アーツ)」プロジェクトを推進している。既成観念にとらわれない多彩な展覧会を企画し、横断的な情報発信を通じて多様性の意義と価値を広く伝えようというもので、今回の展覧会がその第1弾となる。多くの人の参加を得て2020年、さらにそれ以降の障害者と芸術文化の発展に向けて取り組む方針だ。
今回の展覧会に参加している作家は、プロのアーティストから、サポートを受けながら施設内のアトリエや自宅で制作する人まで様々。また、作品を作る際に美術史を意識する作家や、そういうことには関係なく、作ることで気持ちが落ち着いたり、心のバランスを保つことができたりする人もいる。こうした作家たちを結びつけているのは「作りたい」という心からの思いであり、全ての人に役立つ可能性を秘めている。 今回の展覧会にはキュレーター、建築家、デザイナー、ライター、美術館職員、障害のある人など、各分野の専門家38人が準備段階から参加。視覚、聴覚、身体などに障害のある当事者に会場まで来てもらい、施設内を回ってバリアフリーなどの問題点について指摘を受けた。それを元に施設や配置などを改善する一方、海外の障害者の芸術鑑賞事例を参考にして既成の観念にとらわれない、アート展のあり方を探ってきた。 展覧会の期間中、障害のある人と一緒に美術鑑賞する「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」(10月14日)、「美術と手話プロジェクト」(同15日)が開かれる。また、視覚障害者からの外食希望を受けて考案した特別メニューをスパイラルカフェで提供する「フードプログラム」も行われる。さらに同22日には、展覧会チームメンバーが展覧会の見どころについて討論するフォーラム「Museum of Together Forum」が開かれる。 このほか、日本財団はアートの多様性について専門家らで討論する「障害者芸術支援フォーラム」を9月9日、六本木ヒルズ・ハリウッドビューティプラザ5階のハリウッドホールで開催する。 ● 日本財団DIVERSITY IN THE ARTS ● 障害者芸術支援フォーラム |