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3/3シンポジウム 分科会「子ども食堂」 [2019年03月13日(Wed)]

副代表の大野木です。
ほっとけない貧困の子ども2019シンポジウム、分科会Bのテーマは「子ども食堂」。すでに子ども食堂を実施している人、やりたい人、手伝いたい人、興味がある人など、それぞれバランスのよい割合で16名の参加がありました。

前半は、子どもの未来サポートオフィスの米田佐知子さんの「子ども食堂の果たす役割と今後」と題した講話と、浜松で先進的に活動しているNPO法人サステナブルネットの渡邊修一さんのお話。

米田さんからは、全国的な流れから具体的事例や統計、行政の情報も盛り込みながら子ども食堂の役割や今後の取り組みについて分かりやすい解説や情報を提供いただきました。
子ども食堂は出来始めてからすでに6年が経過し、全国で3000カ所以上になるが、「自発性」と「多様性」が重要。健全育成から要保護までの幅広い子ども支援のうち、子ども食堂は経済的貧困(措置型)、関係性の貧困(居場所型)、経験の貧困(食育型)の相当広い部分を担う事になる。子どもも大人も共に生きていく場であり、互いに弱さを持ちこめる関係が必要で、つなげたりつなげられたりの循環が強い連携となるとのこと。

また、月1回の開催で子どもの参加者が多くなくても、場が続いて関係を結ぶ機会があることが大事というお話には、大きくうなずく実践者が少なからずいました。子どもに関わる人が顔を合わせ、子どもを気にかける大人のネットワークづくりが重要であり、子どもの必要に合わせて居場所をじっくり育て、子どもが地域で愛着を持って育っていけば町が育つという広がりのある話になりました。

渡邊さんは、「やらまいか子ども食堂」を毎週開催する実践者で、すでに120回以上のべ4500人の利用の実績があり、「静岡西部子ども食堂ネットワーク」事業や静岡県社協からコーディネーター役も担っています。
ひとり親の家庭が8割を占める現場。食料配布会、相談会、学習支援、子ども食堂というそれぞれの活動の横の繋がりで支援の重層性があり、それは支援機関との連携があってこそで、一人では支援はできないことを強調しました。子ども食堂を広げる活動の次には、当事者が社会とつながって信頼関係を作っていくようなケアをゆっくりやりたいという計画も披露されました。

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後半は、5人の実践者の自己紹介も交えて、参加者から付箋で出された聞きたい事や困っていることを中心に全体で話し合いました。
活動のきっかけは、先に助成金が取れた、場所の提供があった、勧められたなどさまざまですが、いずれもやりたい!という強い思いが先行していたことは共通していました。
保健所への子ども食堂としての登録(浜松市の場合)、保険の掛け方など設置のノウハウから広報の仕方、献立作り、材料の調達、残り物の対応、資金のやりくり、ボランティアや見学者の受け入れなど質疑は多岐にわたりましたが、立地や会場の条件などで様々だが方針を持ってやってみるとなんとかなるものだといいます。

自分はどこの部分を担っているのか、足元でやれることをやって、制度改革などは力を合わせて声を出していくなどバランス感覚が必要、と米田さんのアドバイスもありました。自分ひとりでは何も変わらないかもしれないが、他人の関わりによって子どもが変わってほしいし、皆で連携してやっていくことで変革を期待したいという意見もでました。
子ども食堂に対する立ち位置が様々な参加者でしたが、それぞれに参考になる情報や意見が得られ、次へのチャンレンジや思考の助けになったのではないでしょうか。
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