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【お知らせ】
テレビ東京世界ナゼそこに?日本人〜知られざる波瀾万丈伝〜」に 代表名知の現地の活動紹介されました
放送局:テレビ東京
番組名:「世界ナゼそこに?日本人〜知られざる波瀾万丈伝〜」
日時: 2015年6月15日(月)
詳しくは こちらです
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ヤンゴンのリハビリ事情 [2018年10月07日(Sun)]

 ミンガラバー(こんにちは)。MFCGボランティアスタッフの鈴木一登と申します。ふだんは東京で訪問リハビリテーションの作業療法士として働いています。趣味は貧乏旅行です。昔ミャンマー語を勉強していたことがあり中断していたのですが、今年の4月から再開しています。

 先月(2018年9月)、ミャンマーの最大都市ヤンゴンにあるヤンゴン総合病院、ヤンゴンのダウンタウンにあるクリニック、国立リハビリテーションセンター、仏教の僧院が運営する老人施設で、見学とボランティアをさせていただきました。

 そもそもは、名知代表が大塚さんを紹介してくださったのが始まりです。
 大塚進さんは青年海外協力隊のシニアボランティアでヤンゴン総合病院と国立リハビリテーションセンターに赴任されていた作業療法士です。
 大塚さんとミャンマー関係のイベントで何度かお会いしているうちに、「今度、梅崎さんと一緒にミャンマーにボランティアしに行くので一緒に行きましょう」と誘っていただきました。
 梅崎利通さんは、同じく青年海外協力隊のシニアボランティアでヤンゴン総合病院に赴任されていた作業療法士で、2018年の春までヤンゴン総合病院で働いていました。

 大塚さんも梅崎さんも私も同じOT(OT:Occupational Therapist 作業療法士の略)ですが、おふたりのOTとしての経験年数は私とは比べ物になりません。私がまだオムツをつけて四つ這いをしていた頃から、おふたりは日本のリハビリテーションの第一線で働いており、言わば日本のリハビリテーションの生き字引のような方たちです。
 そんな先生達のリハビリに対する考え方や患者さんへの接し方をすぐそばで見たり聞いたりすることが出来たのも、私にとって大きな勉強になりました。
 今回は梅崎さんと大塚さんが働いていたヤンゴン総合病院のことを中心に紹介したいと思います。

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※ヤンゴン総合病院外観。100年くらい前イギリスの植民地時代に建てられたそうです。

1.診察料と入院費が無料
 ミャンマーの公立病院は診察料も入院費も無料だそうです。薬は有料です(注1)。外来リハビリは一回500チャット支払っているそうです。500チャットというのはコカコーラの500mlペットボトルとだいたい同じ値段です。
 ただし私営病院は診察料も入院費もかかりますし、街のクリニックでリハビリを行う場合は内容によって料金が異なりますが、だいたい1回につき5000チャット以上はかかるそうです。
 金銭的な余裕がある人は私営病院に入院して、金銭的な余裕があまりない人は公立病院に入院するのが一般的だと思います。

2.入院中は食事もケアも自己負担
 公立病院には無料で入院できますが、入院中の食事は病院が用意してくれることはなく、家族や友人などが買ってきたり作って食べさせたりしているそうです。入院病棟に近い廊下には患者さんの世話をする家族がたくさんいて、ゴザを敷いて生活しています。

 脳卒中や脊髄損傷で入院していて、自分でトイレに行くことが出来ない人は、家族や友人の介助によりポータブルトイレを利用していました。患者さんのことはなんでも家族が介助するので、日本のようにケアワーカー(介護福祉士などの介護職)という職種はいません。
 患者さんをベッドから車イスに移乗させるのも、当然ながら家族が行っています。体が大きくて奥さんだけでは介助しきれなければ息子も一緒に病院に泊まりこみます。若くてまだ独身の患者さんの場合は親がついてきて世話をします。友人が世話をしている患者さんもいました。

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※ヤンゴン総合病院の廊下。患者さんの家族がたくさんいる。なぜか犬もたくさんいる。

3.リハビリも違う
 入院のリハビリに関しては日本と異なる点が多く見られます。私が訪れた時、脊髄損傷による両マヒ、ギランバレー症候群による四肢麻痺、脳卒中片麻痺の患者さんなどが20人ほど入院していました。年齢層はたまたまかもしれませんが若い方が多く、10代〜50代くらいが中心でした。

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※入院と外来のリハビリ室。マシーンがたくさんある。


 まず、入院患者さんはリハビリ室が開いている時間は、何時間でもリハビリをしていいことになっています。午前中と午後合わせて5時間ほどリハビリ室が開いているので、毎日5時間はリハビリが出来ます。
 そして主にリハビリは家族が行っています。もちろんセラピストもリハビリを行いますが、5時間みっちりとマンツーマンでリハビリをやるわけではなく、機能訓練も物理療法も歩行訓練も、セラピストがやり方や注意点を家族に伝え、家族が行っている場面が多く見られました。

 リハビリの目標は、多くの人にとって歩けるようになることです。入院費がタダとはいえ、入院中は家族ぐるみで家を空けてしまうため、実家のほうでは働き手がいなくなってしまいます。一刻も早く歩けるようになり退院したい。そうでないと家族共倒れになってしまうかもしれません。ですから患者さん本人も家族も一所懸命にリハビリを頑張っています。
 なんとか歩けるようになったら、それがあまり良くない歩き方であっても、退院していきます。

 そうやって家に帰って、なんとか歩けている人は、まだ幸せなのかもしれません。
 しかし、どんなに頑張っても歩けるようにならない患者さんもいます。そういう人でもいつまでも入院しているわけにはいかず、時期が来れば家に帰らなければなりません。

 ミャンマーには日本のように障害者施設や老人施設はほとんど無いそうです。自分で寝返りをしたり座ったり移動することが出来ない人が、家でどのように生活をしているのか。それを見る機会は今回はありませんでしたが、きっと本人も家族も大変な苦労をしていることは想像に難くありません。
 ヤンゴンはエレベーターの無い高層住宅も多く、郊外に行けば高床式の住居も多く、歩道は段差だらけで脇道に入れば未舗装路も多い環境です。屋内の車イス移動だけならまだしも、屋外の車イス自操は現実的では不可能だと思います。
 聞いた話では家から一歩も出られないというのもよくある話のようです。

 訪問リハビリテーションはミャンマーにもあり、ヤンゴン総合病院のPTは病院での仕事の後にアルバイトで訪問リハビリをやっている人もいます。しかし訪問リハビリの料金は現在のところ1時間につき10000チャットから15000チャットくらいが相場のようで、日本円にしてだいたい1000円以上はかかるようです。金銭的な余裕が少ない患者さんにとっては厳しい金額だと思います。

 ※ちなみに日本では訪問リハビリテーションの1時間の料金は、介護保険の場合おおよそ9000円程度で、負担割合により(所得により1割負担900円〜3割負担2700円)利用料が異なります。日本の1割負担の利用料とミャンマーの料金を比較した場合、それほど変わらないか、ミャンマーのほうが少し高いのではないかと思います。

 最大都市のヤンゴンでこのような状況ですので、名知が活動の拠点としている地方都市ミャウンミャやその近隣の村々に住む障がい者は、一体どのように生活をしているのでしょうか。
 幸いなことに2018年10月からミャンマーは日本人の観光ビザが免除されたので、今まで以上に訪れやすい国になります。また近々ミャンマーへ行って、リハビリの現場を見せてもらおうと思っています。それまでに、患者さんと少しは話せるように、もっとミャンマー語を勉強しなければ!

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※梅崎さんと病棟のベテラン看護師さんと。

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※PTスタッフの家でお昼ご飯をごちそうになりました。日本人の女性は看護師で、青年海外協力隊のシニアボランティアで赴任されている木村さんです。

注1:ミャンマーの公立病院では、薬や検査(レントゲンCTなど)は概ね無料で提供されているという情報をいただきました。しかし政府の方針により状況は流動的で、数年前は無料で提供されていた薬が現在は有料になっているという情報もありましたので、追記します。



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Posted by 鈴木 at 20:52