バングラデシュへミャンマー系の先住民族を訪ねる 1回目 [2016年10月28日(Fri)]
ネーカウンラー(お元気ですか)。MFCGボランティア会員の鈴木一登と申します。 私はふだん、栃木県の病院で作業療法士として働いています。 今日はミャンマーの話題からすこしだけ離れて、隣国バングラデシュを旅行した時の話を数回に分けて書こうと思います。 ミャンマーの西の隣国バングラデシュは、イスラム教を国教とするイスラム教国です。国民はイスラム教を信奉するベンガル人が大多数を占めていますが、ミャンマーと国境を接するチッタゴン丘陵と呼ばれるエリアには、モンゴロイド系の先住民族が住んでいます。 代表的な民族は、チャクマ族、マルマ族、ボン族、トンチョンガ族などなど。私が知っているかぎりチャクマ族は自分たちの文字を持っており、それらはミャンマーの文字とよく似ています(下図写真)。 イスラム教国であるバングラデシュにあって仏教やキリスト教や土着の宗教を信奉しているのも彼らの特徴です。 私はチッタゴン丘陵に住むミャンマー人の親戚のような彼らのことが知りたくなって、今から8年前にチッタゴン丘陵を訪れました。 当時も、そして今でもチッタゴン丘陵は先住民族(「ジュマ」と呼ばれます)とベンガル人の間で紛争が頻発する紛争地帯です。チッタゴン丘陵に入るためにはチッタゴンのディストリクト・オフィスで入域許可証をもらう必要があります。 オフィスで許可証を貰わなければならないことは調べていたのでわかっていましたが、いったいそのオフィスがどこにあるのか、ガイドブックを見ても通りの名前くらいしかわかりません。しかたがないので、通りを歩きながら手当たり次第に人に尋ねながら、なんとか(現地語の看板しか表示のない)オフィスにたどり着けました。 チッタゴンの旧市街 チッタゴンの街並み やっとみつけたディストリクト・オフィス オフィスには窓口があるわけでもなく、本当にここでよいのだろうか? と心配になっていると、いきなりマネージャーがいる部屋に案内されました。 薄暗い部屋の書類が山積みされた机の前で、モンゴロイド系の顔をした色白の男がマネージャーと流暢なベンガル語で話していました。男はランニングシューズに薄手のジーンズ、Tシャツに麻のキャスケットといういでたちで、ひと目でバングラデシュの人間ではないことがわかりました。 私はマネージャーに拙い英語で「チッタゴン丘陵に行くために許可証が欲しい」と言いながらパスポートを取り出すと、男は「なんだ! 日本人ですか! チャクマかと思いましたよ」と日本語で言いました。私と同様、男も日本人だったのです。まさかこんなところで日本人に出会うとは……。 男は私がダッカでつくったルンギ(ミャンマーでいうロンジー)をはいていたので、日本人だとは思わずチッタゴン丘陵に住む先住民族だと思ったようです。 そしてせっかく出会ったのだから一緒に食事でもどうですか? という話になりました。 一緒に食事をしながらいろいろな現地情報を教えてもらいました。彼はベンガル語もペラペラとしゃべるし現地の情報には精通しているし、いったいこの人は何者なんだろうと不思議に思っていると、こんなところは知っていますか? といってマハムニ村にある孤児院のことを教えてくれました。 チッタゴンの平地から丘陵地帯へ向かう途中にマハムニ村があり、そこに「マハムニ母子寮」という孤児院があるということでした。そしてその孤児院を設立したのは日本人の僧侶だというのです……。 次の回へ続きます。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)への寄付・支援をお願いします→ MFCGの活動に寄付をする MFCG 団体ホームページはこちら→ ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会 MFCG facebook にも「いいね!」をお願いします→ ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)facebook公式ページ --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
Posted by
鈴木
at 21:55