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「アンサンブルシリーズ vol 2」リハーサル風景[2015年06月30日(Tue)]

今日は午後から7月1日のオール・メンデルスゾーンプログラムのためのリハーサルでした。

まずはメンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第3番から。大山さん以外は全員初めて弾く曲です。

初回のリハーサルのためメンバー同士、「初めまして」というところからが始まり、一緒に音楽を作っていきます。1回目のリハーサルは丹念に細かいところを1つずつすり合わせていく作業です。一緒に練習していくうちに、初めて会ったメンバーもうち解けていきます。みんな、とても楽しそうでよかった!

このメンデルスゾーンのカルテットは幸せなエネルギーに溢れていて、聴いているだけで、本当に充電されます。

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夜はメンデルスゾーン:ピアノ四重奏曲第2番。この曲も素晴らしいのに、ほとんど弾かれることがない曲です。

メンデルスゾーンがこの曲を書いたのはなんと14歳の時。「どうして14歳でこんな曲が可能なの?!」とみんなで盛り上がったり、「ここではメンデルスゾーンはやっぱりこういう心情だったんじゃないかなぁ」などと色々推測してみたり。

そういう風にゆっくりと思いを馳せたり、それを話し合いながら進めるのって、みんなが同じ方向にむいていくのにすごく必要だなぁと感じました。

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今回、コンサートにお申し込みいただいた方たちには初日のリハーサルから全て公開しています。今日は平日でしたが数名のお客様がいらしてくださったのですが、「こんな風にこまかく緻密に作っていくのですね」とか「演奏家たちがすごく楽しそうに、でも真剣に作曲家について話し合っているのを見るのが新鮮でした」、「本番では今日のリハーサルを思い出して笑ってしまうかも」など、本当にリハーサルでの音楽創りの過程を楽しんでくださっていました。

室内楽の本当の意味での面白さや楽しさを知るには、リハーサルで音楽創りの過程をみていただくのが一番だと実感しました。

Music Dialogueでは今後もこのような機会を提供し続けていきたいと思います。

秋田アカデミー 支援者への感謝の集い[2015年01月13日(Tue)]

今日の午後は旧園田邸にて、秋田アトリオン国際室内楽アカデミーにご支援いただいた方たちをお招きして、アレックス・ブズロフ(アカデミーのチェロ講師)と新居由佳梨さんによるミニリサイタル、そしてYUさんがデザインしてくださったケータリングでレセプションをさせていただきました。

コンサートでは、ブラームスのチェロソナタ、チャイコフスキーのノクターン、パガニーニのロッシーニの主題による序奏、主題と変奏曲が演奏され、アンコールには大山平一郎がヴァイオリンで加わりメンデルスゾーンのピアノトリオの2楽章、というプログラムでした。アレックスの音色を旧園田邸で聴くことになったのは色々と感慨深いものがありました…

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演奏のあと、今回の秋田でのアカデミーの報告と、受講してくださったチェリストと講師をつとめたアレックスから、アカデミーの感想を話していただきました。そして今日の会のためにわざわざ秋田アトリオンからいらしてくださった企画部長の仲谷さんにもご挨拶いただきました。

そのあとはYuさんによるロシアンテイストのお食事と秋田の地酒などで、多いに盛り上がりました!初対面の方たち同士がどんどんつながって仲良くなっていく様子を見ていて、とても嬉しくなりました。

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秋田で開催された、言ってみればとても地味なプロジェクトをご支援くださった60名の方々には、本当に言葉にならないくらいの感謝で一杯です。今日、こうしてアレックスの演奏を聴いていただくことで、ほんの少しだけでもアカデミーでどんな音楽が創られていたかを感じていただけていたら幸いです。

このようなアカデミーを続けられるとしたら、規模を大きくすることを目指すのではなく、今回と同じように本当に音楽づくりに大切な要素にこだわって、受講生が最大限の学びを得られるよう、丁寧に企画したいと思います。

色々なかたちで秋田のプロジェクトをお手伝い頂いた方々、本当にありがとうございました!!
アカデミー最終日〜受講生と先生による演奏会[2015年01月11日(Sun)]

アカデミー最終日の受講生と先生たちによるコンサート。4日間という短い期間だったにも関わらず受講生の皆さんの表現の幅がぐっと拡がったことに先生たちがびっくりしていました。コンサート後は修了式と懇親会。本当に皆さんお疲れ様でした!近々、同窓会できたらいいなと思います!

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秋田アカデミー3日目[2015年01月10日(Sat)]

アカデミー3日目は、グループごとのリハーサルに、その曲を弾いていない先生もそれぞれの楽器のコーチとして加わることに。受講生は自分の楽器の先生に、リハーサル最中でも技術的なことについてアドバイスしてもらったり、疑問点を聞いたりすることができます。このスタイルが実現できて本当に嬉しいです!

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また夜には先生たちと受講生による対話の時間「Music Dialogue」をもちました。日頃の音楽的な悩みについて質問していただりしながら自由でカジュアルな対話をしました。

中でも、「同じ曲に対して違う考えをもった奏者と共演することになった場合にどうするのか」という質問に対しては、かなり白熱した議論が!アレッシオやサーシャたちも、相手を説得するには楽譜の中からその根拠をしっかり示せなければいけないとした上で、相手が説得力ある説明ができた場合には、新しいアイディアも試してみる柔軟性が大切、と話していました。

一般社団 Music Dialogueからは、今回のアカデミーに海外からこの素晴らしいアーティストたちを招聘するために60名近くの方たちがご支援くださったことを受講生たちにお伝えしました。本当に芸術というのは、いつの時代も芸術を理解してくれるパトロンたちに色々なかたちで支えられてきたのだなぁと思います。

こうして、レッスンやリハーサルではなく、皆さんでカジュアルに色々なことを話せる時間は貴重でした。

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秋田アカデミー、順調に進んでいます[2015年01月07日(Wed)]
昨日お昼には11名の受講生をお迎えしての開講式が行われ、そのあと、13時から20時までほぼノンストップで個人レッスンと室内楽リハーサルという、ハードスケジュールでした。

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まず最初の個人レッスンでは、受講生が担当している室内楽曲をそれぞれの楽器の先生から技術的なことや音楽的なことを含めてレッスンしてもらいます。そのあと夕方からは先生もメンバーとして入っている室内楽のグループのリハーサルです。

最初の個人レッスンでは受講生の皆さん、かなり緊張されているようでしたが、先生たちのとても高いレベルでの要求に応えるべく奮闘していました。今回海外から招聘している2人は、世界レベルのソリストであり、また素晴らしい室内楽奏者でもあります。なので、彼らと一緒に室内楽を弾くということは、ちょっとしたフレーズがニュアンスに溢れたものに変化したり、音色を自由自在に操るといったことを目の当たりにしながら、それを自分の演奏にどう取り入れられるかということをひたすら模索することになります。これは時には苦しいプロセスだと思いますが、次のレベルにいくためにもがんばって欲しいところです。

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このようなアカデミーを世界中で教えているアーティストたちが「1回目の開催でこういうレベルの受講者が集まったのは素晴らしいね」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。

今回、皆さまのご支援によって招聘が可能になったこの2名のアーティストたちの演奏が素晴らしいのはもちろんですが、彼らが本当に真剣に情熱とあたたかさをもって教えている姿をみると、本当に彼らをよべてよかったという気持ちでいっぱいです。受講者たちもレッスンやコーチングからものすごく刺激を受けています。

本当にありがとうございました!

いよいよ明日から秋田アトリオン国際室内楽アカデミー開始です[2015年01月05日(Mon)]

昨年9〜11月に多くの皆様からのご支援を募り、なんとか実現までたどりついた、秋田アトリオン国際室内楽アカデミー。明日1月6日から10日まで、日本各地から11名の受講生を迎えて開催予定です。 
http://www.kosei-buil.co.jp/atorion/chamber_music_academy.html

今日はアカデミーの講師となる4名のアーティストがNYやロシア、そして福岡、関西から秋田に集まりました! 
[講師:アレッシオ・バックス(ピアノ)、豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)、大山平一郎(ヴィオラ・塾長)、アレクサンドル・ブズロフ(チェロ)]

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本当に世界中飛び回って演奏活動をしている素晴らしいアーティストたちがこうやって秋田でのアカデミーで6日間じっくりと一緒にやってくれるというのは本当に嬉しいことです。

お正月から雪が降っていた秋田の天候もずっと気になっていたのですが、今日は穏やかな気温の上に晴れ間まで。これも奇跡的でした。

アーティストたちは到着して数時間後にホールでブラームスのピアノ四重奏第一番のリハーサル。海外陣は20時間以上の長旅と時差でフラフラな状態でも、しっかりと弾いていて、見事でした。

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夜は秋田の郷土料理と日本酒をみんなで楽しみました。

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明日のお昼に受講生をお迎えするのが楽しみです!

1月に秋田で国際室内楽アカデミーを開催[2014年10月18日(Sat)]

Music Dialogueでは、来年1月6日〜10日に秋田で開催予定の「第一回 アトリオン国際室内楽アカデミー」という企画のお手伝いをしています。

なぜ私たちがこのようなプロジェクトをやろうとしているのかなどの背景を少し書かせていただきたいと思います。

毎年アメリカの有名な夏の音楽祭には世界中から将来有望な若手音楽家たちが続々と集まってきます。ソリストとして一流のオーケストラと共演しているような人たちでも夏には音楽祭を渡り歩き、高い音楽性が求められる室内楽で腕をみがき、また様々な国からきている音楽家たちとのネットワークを築くということをしています。

ここ数年、そのような有名な音楽祭の「参加アーティスト一覧」に日本人の若手音楽家の名前がほとんど入っていない事に気づきました。

そこで、周りにいる、アメリカやヨーロッパ、アジアの音楽祭の芸術監督をしているベテラン音楽家や、有名アーティストを抱えるニューヨークのマネジャー、芸術団体の企画担当者など数十人に、彼らが知っている有望な日本人若手音楽家について聞いてみたところ、誰一人として名前をあげることができず、皆が口をそろえて

「韓国、台湾、中国人のアーティストならいくらでも名前を出せるんだけど…」

と言いました。これは私にとってかなり衝撃的でした。

このような状況に対して少しでも何かできることからしたいという思いで、「室内楽を通じて世界を舞台に活躍する音楽家を育て、応援する」ということを目的に昨年からMusic Dialogueの活動を始めました。

そして今回、このような私たちの問題意識を共有してくださった秋田県のアトリオンホールで国際室内楽アカデミーを主催してくださることになりました。

秋田アトリオン国際室内楽アカデミーの詳細:
http://www.kosei-buil.co.jp/atorion/chamber_music_academy.html
(受講お申し込み期限は11月5日)

このアカデミーの一番のポイントは、経験豊かな海外からの演奏家を含む講師陣と受講者が一緒に室内楽を演奏するというもので、日本にいながらも国際的なレベルでの音楽創りのプロセスを体験できるということです(リハーサルなどは原則、英語で行われます)

ただ、文化庁からの補助金だけでこのプロジェクトを実行するのが困難なため、日本人講師だけに変更することも考えはしましたが、「国際的な基準での音楽創りのプロセスを体験する」というミッションが今一番必要とされていることであるという信念のもと、海外からの講師2名招聘のための旅費60万円をクラウドファンディングで募り、最高レベルのものを作っていきたいと思っています。

ご支援いただいた方にはそれぞれのレベルで楽しんでいただけるような感謝のギフトをご用意させていただきました。

たとえば1万円レベルでは〜
ロシア出身、ゲルギエフやスラットキン、バシュメットなどの著名な指揮者と共演するなど世界で活躍している若手チェリスト、アレクサンドル・ブズロフ(秋田でのアカデミーの講師)が歴史的建築物である自由が丘の旧園田邸にて限定40名のお客様のために演奏します。その後、ブズロフを囲んだアットホームな懇親会を開催します。(1月12日 14:00~)
など。

このプロジェクトの趣旨にご賛同くださる方々とご一緒に、この第一回目の国際室内楽アカデミーを成功させられれば本当に嬉しいです。ご協力いただければ幸いです!!

プロジェクトページはこちら
http://shootingstar.jp/projects/1177


(伊藤 美歩)
アメリカの室内楽カンファレンスChamber Music Americaに参加してみて…5[2014年02月09日(Sun)]

今回の室内楽カンファレンスでは多くの学びがありました。特に、室内楽という分野がジャズやワールドミュージックを含むようにとても広くとられていること、そして、「室内楽」という形式の中で、色々な分野の音楽家や作曲家などがとても自由に、様々なかたちでコラボレーションしてどんどん新しいものを生み出しているということに、とても魅力を感じました。

今回のNY滞在の最終日にはKyo-Shin-An Artsという、和楽器と西洋音楽の融合をミッションとする団体の芸術監督にお会いしました。彼らは和楽器と室内楽、または和楽器とオーケストラのためのレパートリーを委嘱によって拡げ、それを演奏するという活動をされているとのことでした。
http://www.nyoraku.bizland.com/kyoshinan/index.php?section=about&subsection=our_mission

またカンファレンスのセッションでも、クラシックとジャズやワールドミュージックの融合というような取り組み事例がいくつも紹介されていましたし、そういう中にごく自然に作曲家が存在していました。

室内楽というジャンルだからこそ、このような自由なかたちのコラボレーションや新しいものが生み出されるということも、ごく自然に可能になるのではないかなと感じました。

NYで行われている色々な試みについてうかがっていて、アートや音楽の力や可能性が無限であると感じてうれしかったと同時に、これから日本でやろうとしていることにこれをどう活かすのかということについて、真剣に考えていきたいと思います。

(伊藤 美歩)

アメリカの室内楽カンファレンスChamber Music Americaに参加してみて…4 (Young Concert Artists)[2014年02月09日(Sun)]

51年間、世界の才能ある若手音楽家をアメリカでデビューさせ、プロの音楽家としてのキャリアを構築する支援を行ってきたYoung Concert Artists。リチャード・グード、ピンカス・ズッカマン、マレイ・ペライアをはじめとする世界の名だたる音楽家を数多く世の中に送り出してきた、若手音楽家支援の老舗NPO団体。

http://www.yca.org/roster/alumni/

日本ではシャネルとのコラボレーションによる室内楽音楽祭、「Young Concert Artists Festival」でおなじみです。この9年間、YCA Festivalの制作を毎年お手伝いしながら、彼らがどのようなスタンスで若手音楽家と向き合い、「育てる」ということについてどう考えているのかということを身近に見ることができたことは、とても大きな意味があることでした。

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今回改めてYCAのオフィスを訪問し、創設者のスーザンやディレクターのマークと、世界のトップに立つソリストが室内楽をすることの意味などについて色々と話すことができました。51年前にこの活動を始めて以来、軸がぶれることなく地道な活動を続けているスーザン。音楽業界に大きな影響を与えてきた素晴らしい活動だと思います。非営利団体のアーティスト・マネジメントだからこそ可能な若手音楽家のキャリア支援のかたちといえるでしょう。

(伊藤 美歩)
アメリカの室内楽カンファレンスChamber Music Americaに参加してみて…3[2014年02月09日(Sun)]

3日目の朝のセッションは「室内楽の世界で成功するために。」
アメリカには多くの室内楽アンサンブルが存在する中で、選ばれるのはどういうグループなのか、ということについてパネリストがそれぞれの立場から話すセッションです。


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パネリストはホールの企画担当者や大手のアーティストマネジャーなど。室内楽でこれからやっていこうとしているアーティストやグループが成功するためにどういう戦略を持つべきか、どんなことに気を付けて営業すべきか、などについてお話しされました。

色々なアドバイスがあった中で6人のパネリスト全員が言っていたのは、演奏技術は当たり前として、アーティストが自分の「声」を持っているか、なぜ自分は音楽をしているのかを語れるか、舞台からそのアーティストが芸術にかける情熱や喜びがお客さんに伝わってくるか、など。

アメリカだから、もう少し戦術的なことが中心になるかと思いきや、まさに日頃感じている本質的なことがパネリストたちによって明快な言葉で表現され、心底共感しました。
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