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『花神』 [2008年03月15日(土)]

またまた司馬遼太郎の本を読みました。
花神』(新潮社、昭和51年。)
近代兵制の創始者と言われる村田蔵六大村益次郎)のお話です。

幕末から維新にかけての長州が舞台ですが、
この時代の人のことを知る時、いつも感嘆するのが
みな、よりものために生きているということ。

村田蔵六も、時代に求められるがままに、生きていく道が
自然とできていったような印象を受けました。

花神(かしん)とは
中国の言葉で、花咲爺を意味するそうです。

日本全土に革命の花が咲き、明治維新の功業が成るためには、
花神の登場が必要であった。
(解説、423頁。)
蔵六がなすべきことは、幕末に貯蔵された革命のエネルギーを
軍事的手段でもっと全日本に普及する仕事であり、もし維新というものが
正義であるとすれば、津々浦々の枯木にその花を咲かせて回る役目だった。
(下巻、378頁。)

徹底的な合理主義者というか、エンジニアであったため、周囲からは
「変わった人だ。」
と思われていたそうです。
いろいろな意味で感心しました(笑)

たとえば若い頃、村の医者だった蔵六は、村の人が挨拶で
「お暑うございます」
と言うと、蔵六は立ち止まり、振り返り、
「暑中はあついのがあたりまえです。」
とこわい顔で言ったというのだから、びっくりです。
(上巻、112頁。)

そんな蔵六という人物のことがよくわかったくだりがあります。

旧幕軍と戦う時のこと。
彰義隊討伐計画を立てるにあたって、
蔵六は、江戸が大火事にならないようにしたのです。
そのために、
江戸の大火の歴史を調べ、
―どういう条件で大火になるか。
ということを多くの事例からひきだし、それを防ぐ方法を考えた。
(下巻、317頁。)
というのです!!!

もちろん、時代状況も課題も環境も、何もかも異なるけれど、
今に通ずる何かを得たような気がしました。
明治維新。とても学ぶべきことが多いです。
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