半世紀振りの小豆島
[2013年04月26日(Fri)]
こだわりの樽醸造
醤油の島 小豆島
4月中旬、小豆島を訪れた。高校の修学旅行以来だから実に半世紀振りということになる。島の人口は3万1000人。ピークの1947年には6万2000人だったというから50年で半減した計算になる。2050年には江戸時代初期の2万人まで落ち込むとの予測もあるそうだ。
豊富な海の幸、名勝・寒霞渓など観光資源に恵まれ、気候も温暖な瀬戸内の島で何故?―と考えるのは旅行者の感傷かもしれない。しかし島では昔ながらの醤油造りが今も活気を見せ、木樽を使った醤油製造の国内最大の産地という。勝手な感想を言えば、日本食ブームの中、醤油は 今後“世界のソース”として間違いなく需要が高まる。オリーブや素麺も加え、小豆島復興の牽引車となるよう期待する。
小豆島の醤油造りは400年の歴史を持ち、最盛期には400軒もの蔵があった。現在は約20軒。そのうちのひとつ「ヤマロク醤油」を訪ねると、もろみを熟成させる蔵を見せてくれた。中には60もの杉樽がびっしりと並ぶ。直径2・3b、高さ2b。容量は32石(5800g)といい、150年から200年近くも使われた樽の表面には白っぽい粉が厚く重なっている。醤油の発酵にかかわる微生物で樽だけでなく柱など蔵全体に棲みついているという。
大樽は味噌、日本酒造りでも使われ、現在残っているのは全国で3000〜4000本。そのうちの1000本が小豆島にあるという。樽はかつて小豆島でも作られていたが、現在は大阪・堺市に「製桶所」が1社残るのみ。このままでは最高の「醸造容器」」である杉樽が姿を消し、樽醸造は不可能となる。このためヤマロク醤油では昨年、地元の大工さんを含め3人が製桶所に弟子入りし、新しい樽を3本完成させた。
醤油造りは近代化が進み、多くは金属製のタンクが使われ、杉樽を使った醤油は1%に満たないという。その分、価格も高いが、味噌や酒なども加え「桶仕込みこそ本物」の信念でこれを守る関係者の熱意もあって全国的にブ−ムを呼んでいるようだ。
宿泊した「もろみの島宿真里」では料理とともに「諸味たれ」、「二弾熟成」、「生あげ」、「淡口生揚(うすくちきあげ)」の4種類の醤油が出された。醤油造りの工程などを説明した説明書には、地元「正金醤油」が真里の料理に合わせ独自の銘柄に仕立てた、と書かれており、きめ細かいサービスに感心した。
そういえば食事の際、料理の載せる“おつくり台”の表面に細かい水滴が付いており、意味を問うと、料亭の玄関先などで目にする「打ち水」をイメージしているとのこと。料理だけでなく、全体に細かい気遣いが溢れ、申し分のない雰囲気。いつまでも大切にしてほしいー。そんな思いを持って島を後にした。(了)
醤油の島 小豆島
4月中旬、小豆島を訪れた。高校の修学旅行以来だから実に半世紀振りということになる。島の人口は3万1000人。ピークの1947年には6万2000人だったというから50年で半減した計算になる。2050年には江戸時代初期の2万人まで落ち込むとの予測もあるそうだ。
店頭に展示されている大きな杉樽
豊富な海の幸、名勝・寒霞渓など観光資源に恵まれ、気候も温暖な瀬戸内の島で何故?―と考えるのは旅行者の感傷かもしれない。しかし島では昔ながらの醤油造りが今も活気を見せ、木樽を使った醤油製造の国内最大の産地という。勝手な感想を言えば、日本食ブームの中、醤油は 今後“世界のソース”として間違いなく需要が高まる。オリーブや素麺も加え、小豆島復興の牽引車となるよう期待する。
寒霞渓から見た瀬戸内海
小豆島の醤油造りは400年の歴史を持ち、最盛期には400軒もの蔵があった。現在は約20軒。そのうちのひとつ「ヤマロク醤油」を訪ねると、もろみを熟成させる蔵を見せてくれた。中には60もの杉樽がびっしりと並ぶ。直径2・3b、高さ2b。容量は32石(5800g)といい、150年から200年近くも使われた樽の表面には白っぽい粉が厚く重なっている。醤油の発酵にかかわる微生物で樽だけでなく柱など蔵全体に棲みついているという。
島内には千枚田も
大樽は味噌、日本酒造りでも使われ、現在残っているのは全国で3000〜4000本。そのうちの1000本が小豆島にあるという。樽はかつて小豆島でも作られていたが、現在は大阪・堺市に「製桶所」が1社残るのみ。このままでは最高の「醸造容器」」である杉樽が姿を消し、樽醸造は不可能となる。このためヤマロク醤油では昨年、地元の大工さんを含め3人が製桶所に弟子入りし、新しい樽を3本完成させた。
もろみの島宿真里
醤油造りは近代化が進み、多くは金属製のタンクが使われ、杉樽を使った醤油は1%に満たないという。その分、価格も高いが、味噌や酒なども加え「桶仕込みこそ本物」の信念でこれを守る関係者の熱意もあって全国的にブ−ムを呼んでいるようだ。
映画「二十四の瞳」の舞台でもある
宿泊した「もろみの島宿真里」では料理とともに「諸味たれ」、「二弾熟成」、「生あげ」、「淡口生揚(うすくちきあげ)」の4種類の醤油が出された。醤油造りの工程などを説明した説明書には、地元「正金醤油」が真里の料理に合わせ独自の銘柄に仕立てた、と書かれており、きめ細かいサービスに感心した。
そういえば食事の際、料理の載せる“おつくり台”の表面に細かい水滴が付いており、意味を問うと、料亭の玄関先などで目にする「打ち水」をイメージしているとのこと。料理だけでなく、全体に細かい気遣いが溢れ、申し分のない雰囲気。いつまでも大切にしてほしいー。そんな思いを持って島を後にした。(了)




