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復興は被災者が主人公
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福永宗億
事務所が決まりました。 (09/24)
仙台弁護士会が、車中生活者をはじめ震災による自宅生活困難者問題で提言を発表しました。 [2011年08月28日(Sun)]

2011年8月25日
震災精神疾自宅生活困難者の応急的な居住場所確保に関する提言

第1 提言の趣旨
 震災によって自宅が損壊していなくても、震災が原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)等の精神疾患が発症又は悪化したことにより自宅生活が困難となった被災者(以下、「震災精神疾患自宅生活困難者」という。)が、災害救助法に基づき、避難所や応急仮設住宅の供与による居住場所の確保をできるような運用がなされるべきである。

第2 提言の理由
1、震災を原因とした精神疾患による自宅生活が困難となった者の存在
 東日本大震災を自宅で被災したことが原因で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やパニック発作等の精神疾患が発症又は悪化したため、自宅が損壊していなくても、恐怖感等のPTSD症状やその他の精神疾患症状故にその自宅で生活することが困難となり、車中生活を余儀なくされている被災者が出ている。
 震災後長期間、車中生活をすることは、心身共に大きな負担をかけ、熱中症やエコノミークラス症候群の危険性に晒されるなど、到底「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法第25条)であるとは認められない。

2 震災精神疾患自宅生活困難者の居住場所確保の必要性

(1)震災による精神疾患とそのケア
 震災による体感や被害によるショックが癒えずに、気持ちの落ち込み、意欲の低下、不眠、食欲不振、涙もろさ、苛立ちやすさ、集中力の低下、記憶力の低下、茫然自失等の精神的変化を来し、その程度や持続期間によっては、うつ病、パニック発作、PTSD等の精神疾患の診断がつくこともあるとされている(平成13年度厚生科学特別研究事業「災害時地域精神保健医療活動ガイドライン」)。
 このような認識の下、各自治体では地域防災計画として精神保健活動を盛り込んでおり、東日本大震災後も医師等の協力のもと精神保健活動が行われている。

(2)居住場所確保の必要性
 しかしながら、精神保健活動は被災者が避難所や仮設住宅に入所していたり、自宅で生活していることを想定しており、被災者が避難所等の居所を確保できていない場合を想定していないと思料される。その結果、前記1で指摘した震災精神疾患自宅生活困難者が出ている。
 居住場所の確保は生活の基盤を確保することであり、震災精神疾患自宅生活困難者の心身の疲労、精神的被害を回復していくためにも、安眠できる住環境の確保が必要不可欠な条件である。このことは、前記「災害時地域精神保健医療活動ガイドライン」において、トラウマからの自然回復を促進する条件の一つに「住環境の保全」が掲げられていることからも認められる。
 したがって、震災精神疾患自宅生活困難者が新たな自宅を確保し、又は病状が改善するまでの間、路頭に迷うことのないよう応急的に居住場所を確保する必要性がある。

(3)避難所及び応急仮設住宅を居住場所として認めるべき必要性
 震災精神疾患自宅生活困難者は、経済的余裕があればすぐに自力で他に居住する場所を確保できるであろうが、そうでない場合には路頭に迷い、路上生活あるいは車中生活を余儀なくされてしまう。
 本提言は、このような震災精神疾患自宅生活困難者が路頭に迷うことのないように、応急的に避難所や応急仮設住宅に入所できる選択肢を保障することを求めるものである。

3 災害救助法による救助

(1)避難所供与について
 災害救助法は、災害時における生存権保障の理念の下、「当該災害にかかり、現に救助を必要とする者に対して、これを行う。」(第2条)と定めている。
 この点、昭和40年5月11日社施第99号厚生省社会局長通知「災害救助法による救助の実施について」では、災害救助の前提となる「被害」の内容について、住家の被害と人的被害として死者・行方不明・負傷を掲げるのみで、精神的被害を掲げていない。
確かに、災害救助法が当初想定していたのは上記被害内容であったと思料される。しかし、阪神・淡路大震災等を経験する中で、災害によるPTSD等の精神疾患の発症も確認されてきた。このような精神疾患を発症した被災者と外科的な負傷を受けた被災者をことさら区別するだけの合理的理由は見出しがたい。
 そもそも災害救助法の根本理念である「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)保障の理念に鑑みれば、災害によって精神的被害を受けたことにより生存権が脅かされるような場合には、「現に救助を必要とする者」として同法による保護を実施すべきである。そして、他の法制度により震災精神疾患自宅生活困難者が居住場所を確保することは、現実的に困難な状況にある。
 したがって、震災精神疾患自宅生活困難者も、現に生存権を脅かされている以上、「災害により現に被害を受けた者」と言え、災害救助法に基づく避難所供与の救助を受けることができると解される。
 なお、避難所供与に際しては、震災精神疾患自宅生活困難者の状況に応じて福祉避難所の供与も検討されるべきである。

(2)応急仮設住宅供与について
 応急仮設住宅についても前記同様、収容を拒否して路上生活や車中生活を強いることは、生存権保障の理念に合致しない。
 したがって、震災精神疾患自宅生活困難者は、災害救助法に基づく応急仮設住宅供与の救助も受けることができると解される。
 なお、応急仮設住宅供与に際しては、震災精神疾患自宅生活困難者の状況に応じて福祉応急仮設住宅の供与も検討されるべきである。

(3)行政の負担
 以上のような解釈・運用を行うことにより、震災精神疾患自宅生活困難者も個人の尊厳を回復し、安心して治療や生活を行うことができるようになる。
また、自宅が無事であるにもかかわらず、震災による精神疾患のために避難所や仮設住宅への入居を希望する者はその精神的被害が相当程度深刻であると推定されるところ、例えば医師の診断書を要求することによって対象範囲を限定すれば、行政に過大な負担を強いることにはならない。

4 結論
 よって、当会は、厚生労働省及び関係各自治体に対し、震災精神疾患自宅生活困難者が、災害救助法に基づき避難所や応急仮設住宅の供与による居住場所の確保をできるような運用を求める。

2011(平成23)年8月25日
仙台弁護士会          
会長 森山 博



気仙沼市に対する車中生活者問題等に関する申し入れ [2011年08月11日(Thu)]

気仙沼市の菅原茂市長あてに8月11日に行った申し入れ書を紹介します。

車中生活者問題等に関する申入れ書
            2011年8月11日
     東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター

 東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターは、「復旧・復興は、被災者・被災地が主役」、「憲法が保障する“人間の尊厳”、“幸福追求権”、“生存権”等が実現される社会の創造」という見地を堅持した「県民参加の“復旧・復興計画”」の研究・策定・実践を目的として、本年5月29日に設立した団体です。
 本要請書では、車中生活者の現状及び配食の現状を踏まえその改善に向けた要望をいたしますので、早急にご検討・ご対応いただき、各要望項目に対する気仙沼市の方針を本年8月18日までにご回答願います。

第1 申入れの趣旨

@、気仙沼市内避難所周辺の車中生活者の実態を把握し、車中生活者を避難所、福祉避難所、仮設住宅、みなし仮設住宅に収容する等適切な対応をされたい。

A、車中生活者に対し食料支給を不当に打ち切ることのないようにされたい。

B、車中生活者に対する食料は避難所避難者に対する食料と差別することなく同等のものを支給されたい。

C、ペット同伴者も避難可能な避難所を増設されたい。また、ペットを外で飼える仮設住宅を設けられたい。

第2 申入れの理由

@、当センターの調査により、気仙沼市内の避難所の駐車場など避難所周辺における車中生活者はこれまで17人把握されています。これらの人たちは認知症の高齢者を抱えている、股関節の障がい・脳梗塞を患い右半身麻痺等で避難所の床での生活が困難、ペット同伴で避難所でペットを飼うことができない等の理由によりやむなく車中生活をしています。
 周知のとおり、車中生活はエコノミークラス症候群を引起こし死の危険を伴うものです。新潟中越地震のときも車中生活者の死亡事故が発生しています。まして、この暑さにより熱中症の危険もあり、外部から危険を起こされる可能性もあります。
 ついては、早急に避難所周辺の車中生活者について実態把握をされたうえ、避難所、福祉避難所、仮設住宅、みなし仮設住宅へ収容する等の措置をとっていただくよう要請します。
また、総合体育館避難所では駐車場で車中生活している人に対して「駐車場 〇〇男」という生活エリアを明記した登録者カードを交付しており、このことは避難所管理者が車中生活者の存在を知りながら放置していることを意味します。市民会館避難所においても車中生活者の存在を知りながら放置しているのが現状です。車中生活自体今なお危険と隣り合わせです。早急にその危険性を認識し避難所管理者への周知徹底、早急な対応を求めます。

A、気仙沼市は従前、車中生活者に対しても食料の提供を行っていましたが、本年7月1日、避難所避難者以外の人に対して、7月10日をもって食料支給を打ち切る旨の通知を出しました。これにより、総合体育館の車中生活者(股関節に障がいがある方)は事情も聴かされずに食料の支給を一方的に打ち切られるということがありました。しかし、この方は帰る自宅(大島)はあっても被災しており、また自宅に帰っても周りに食料を売る店はなく股関節障がいでは歩いて買いに行くこともままなりません。自宅用の車は津波で流されています。このように、抱えている事情は人により様々ですので、一律に食料支給を打ち切ることのないように対応すべきです。そもそもこの車中生活者は避難所登録されていて、食料支給打ち切り対象にはありません。なぜこのような対応をしたのか、原因の究明をし再発を防ぐべきです。

B、上記通知には、申し出のあった場合は例外的に食料支給を継続するとあり、実際そのような車中生活者もいます。しかし、その人に支給されている食料は、一日で菓子パン2個、小型パックのお茶1個、小型パックのりんごジュース1個、さんまの缶詰1個だけです。これが一日分の食料で一日分をまとめて夕食時に支給されています。その人が食料を受け取りに行く避難所では毎食それなりの食事が支給されており、これは明らかな差別的取扱いです。車中生活者も人間です。同じ人間として差別手的取扱いは許されませんし、災害救助法で1日1500円の食費は保障されています。即刻このような対応は改めるべきです。

C、ある避難所に避難している高校3年の女子高生は、ペット(猫1匹、犬1頭)を避難所で飼うことができないため、震災以後約5か月間毎日避難所脇の公園駐車場で車中泊をしております。また大型犬を飼っている男性も同じ場所で車中生活をしております。上記女子高生は、夜間暑くても防犯のために窓を閉め切って車の中で寝ています。熱中症の危険、身体に対する危険があります。
 あの津波からペットを抱えて命からがら逃げて来た人に対しペットを捨てろとは言えません。また、このような状況だからこそペットの癒し効果が必要ですし、このペットたちが被災者の心の支えになっている事を認識しなければなりません。たががペットの問題と軽視すべきではなく、これは人間の問題であるとの認識を持つべきです。このペットの問題は、すでに本年6月11日に市民会館避難所で開かれた「仮設住宅説明会」(菅原市長出席)の場で上記女子高生の口から自分が車中生活をしている事を話した上で改善・要望が出されておりました。
 確かに、気仙沼中学校では教室1か所をペット同伴者のために用意されていますが、教室内でしか飼えませんし、大型犬は不可とされています。現在無料のペット預かりの支援を受け避難所や仮設住宅へ入っている人たちもいますが、この無料期間が終わると高額な預かり料を払えずペットを連れ戻すしかない人たちが出てきます。この人たちは行き場を失うことは必至です。
 大至急、大型犬を含むペットを飼える避難所を増設すべきです。
 また、仮設住宅ではペットは原則禁止としながら、条件付きで室内飼いのみ可とされていますが、大型犬を飼っている人も仮設住宅に入居できるように、外でペットを飼える仮設住宅を設けるべきです。実際、仙台市若林区の七郷中央公園・荒井小学校用地にある仮設住宅では外でペットを飼うことが認められています。

以上