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福永宗億
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「中間指針」の見直しと原発事故の全面賠償・早期支払いを政府に要求 [2012年06月13日(Wed)]

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 東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター(代表世話人代表=綱島不二雄氏)と原発賠償みやぎ相談センター(代表=萱場猛夫氏)は本日11時から、衆議院第2議員会館で文部科学省、農林水産省、経済産業省の担当者と会い、原発事故賠償の「中間指針」を見直して、被害への早期対応と全面賠償を求めました。
 萱場猛夫氏、菊地修弁護士(東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局長)、横田有史県議(同センター世話人)、鈴木弥弘・宮城農民連事務局長、永沢利夫・宮商連事務局長、高橋一氏(林業者)、原田明子氏(角田市・有機野菜農家)、中嶋廉氏(県民センター事務局)が参加し、日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員が同席しました。

 要望した項目は以下のとおり。
【1】、自主的避難者及び滞在者の精神的損害等に係る賠償の対象に丸森町を加えて「中間指針」の改定を行うこと。また放射線量の重点調査地域に指定された宮城県の残る8市町および加美町についても、局所的に放射線量が高い地域があるので、追加に関わる調査を行い検討すること。
【2】、食用農林水産物、水産物、観光業の風評被害に係る賠償対象に宮城県を追加する「中間指針」の改定を行うこと。
【3】、有機栽培米農家の被害について、東京電力は検査費用だけを補償し、風評被害で販売が落ち込んだ損害については補償しようとしていない。そのためにコメを主体にした宮城県の農家経営が全県的に損害をこうむり、JAS有機米を奨励する政策そのものが崩壊しかねない事態になっている。実態把握を行い、「中間指針」を改訂して損害を補償する措置を急ぐこと。
【4】、「中間指針」に風評被害の宮城県における対象品目として明記されている牛肉について、仙台市食肉市場の被害については牛肉の市場価格が暴落した昨年5月以降の損害の補償が行われているにもかかわらず、肥育農家に対する支払いは出荷停止措置がとられた7月8日以降の損害だけに支払いが限定され、農家が差別的に取り扱われている。昨年5月から7月8日までの請求分について、直ちに支払うよう指導すること。
同様に、経産牛、繁殖老廃牛、死亡牛の損害請求に対する支払いを早急に行うこと。
これまでの3ヶ月ごとの支払いは、結果的に支払いが遅れて農家の営農と生活を悪化させているので、早急な支払いが行われるように見直しをさせること。
【5】、「中間指針」の運用状況について政府が責任をもって把握し、東京電力の一方的な判断による「基準」づくりや「基準」改正をやめさせること。
【6】、農家が農産物や山菜・キノコ等をもちこんでいた直販所や「道の駅」などが風評被害で売り上げが大きく減少し、事業の維持と農家経営に困難をもたらしている。「中間指針」を改定して、直販所や「道の駅」などの開設者および農家の損害を賠償すること。
【7】、タケノコに関わる農家の損害については、出荷できなくなった逸失利益とともに、産地として山を維持するために必要な労力と経費についても賠償の対象とすること。
【8】、風呂釜やストーブに薪を使用してきた世帯は少なくなく、丸森町の筆甫地域では約四割に達する。森林と薪の汚染により、石油ストーブの購入、風呂釜の交換、灯油の購入等を余儀なくされた世帯に対する損害を賠償させること。
【9】、コメや野菜などの食糧を自給自足に近い状態で入手してきた地域における生活費の「かかり増し」について調査を緊急に行い、結果を公表すること。生活費の「かかり増し」分の賠償を行うこと。

<要請文は以下のとおり>
 東京電力福島第一原発事故による農林水産物の放射能汚染は、宮城県では牧草を発端に昨年5月に判明した稲わらをはじめ多くの品目に広がり、畜産物、堆肥、きのこ原木、きのこ、山菜、スズキやアイナメ等の海産物、イワナやヤマメ等の天然の淡水魚などで出荷停止等の措置がとられるに至っています。風評被害は観光業をはじめ各分野に及んでおり、放射能汚染は、基幹産業である農林水産業をはじめ、被災地=宮城県の産業復興の大きな障害になっています。
 丸森町をはじめ、福島県内の市町村と同等の放射線量がある地域では、住民の精神的損害に対する賠償を福島県と同様のレベルで行うことが当然です。
 ところが「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定に関する中間指針」(以下、「中間指針」という)では、精神的な損害について宮城県を対象外としており、丸森町では「県境で放射能は立ち止まってはくれない」と、厳しい批判の声が上がっています。風評被害についても「中間指針」は宮城県について牛肉だけを認め、その以外の農林水産物や各産業については対象外にしているため、被害があっても賠償がなされない状態が続いています。 関東圏などで農林水産物や観光業などの風評被害が認められているのに対して、放射線量や地理的条件に差異のない宮城県が対象外にされ、差別的な取り扱いを受けていることに、宮城県民は強い憤りを示しています。
 観光業の損害賠償において、宮城県については外国人観光客だけに対象が限定されていることは、誰も納得できないことです。
 農林水産業が盛んな地域では、コメや野菜はつくったりもらったりしており、風呂の燃料や冬場の暖房にも薪が多用され、自給自足に近い暮らしが成り立っていました。また、自生するキノコやフキなどの山菜の販売、特産物を生かした観光業等が地域経済の柱になっていました。ところが放射能汚染のために、野菜等の直販所や「道の駅」の売り上げ激減などで現金収入の道が断たれる事態が広がるとともに、野菜等を買って食べる生活を強いられているため、年金だけでなんとか暮らせた高齢者世帯等で預貯金がみるみる減る事態になっています。現地では「地域が丸ごとなくなるのでは」という危惧が広がっていますが、指針はこうした事態に対する補償の道を用意していません。
 わが国の原子力発電は、「国策」の名のもとに政府が「安全神話」を振りまいて強力に推進してきたもので、福島第一原発事故が広範囲に重大な損害をもたらした原因は、国が過酷事故対策および津波・地震対策を怠ってきたことにあります。国は本件事故の当時責任者であり、加害者であることを自覚して事故被害の全面賠償につとめることを基本姿勢に据えるべきです。
 放射性物質は自然現象と人間の行為によりたえず移動しており、放射能汚染の被害は時間の推移とともに空間的・社会的に広がるという特徴をもち、かつ回復まで長期間を要することが懸念されています。「中間指針」における対象範囲・対象地域は、昨年7月までの知見による「原子力損害賠償紛争審査会」の専門委員調査報告書を参考にして定めたもので、たえず見直すことが当然です。政府も「中間指針」の限界を認め、これまで2回の追補を行って賠償の範囲を拡大してきたところです。私どもは、宮城県における損害をすべて原子力損害賠償紛争審査会が定める指針に盛り込み、賠償の対象として早急に明確にすべきであると考えるものです。
 また、指針の実際の運用に、加害企業である東京電力が勝手な判断をもちこんでいる例があることは不当であり、被害者と宮城県民の憤りを招いています。私どもは、指針の実際の運用については、政府が責任をもって実情把握につとめ、事故被害の全面賠償を進める立場で指導・監督すべきであると考えています。
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