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福永宗億
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東北電力に対する要請書(全文) [2011年10月25日(Tue)]

東北電力株式会社 代表取締役会長 高橋宏明殿、代表取締役社長 海輪誠殿
女川原子力発電所に関する要請書
    2011年10月25日

原発ゼロめざし、放射能汚染・被害からいのちと健康を守る県民集会
  実行委員長  西沢 晴代
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター         
  代表世話人  綱島不二雄

 私たちは10月15日、仙台市青葉区錦町公園で「原発ゼロめざし、放射能汚染・被害からいのちと健康を守る県民集会」を開催しました。
貴社は、年内に女川原発のストレステストを実施して原子力安全・保安院にその結果を報告すると表明し、来年に女川原発を再稼働させる計画のようです。私たちは、原発ゼロをめざすものですが、貴社が再稼働をめざすとすれば野田総理が国会で述べたように、「住民の信頼回復」を大前提にすべきだと考えています。
そこで、集会とアピール行進で示された参加者の意思にもとづいて、以下の事項について要請いたします。ご検討いただき、1ケ月以内に文書でご回答下さいますよう、お願いいたします。

1、女川原発の被災状況、今後の安全対策等について、女川町、石巻市だけでなく、全県で説明会を開催して下さい。

 東日本大震災で女川原発は重大事故にまでは至りませんでしたが、「紙一重」(「毎日新聞」5月19日付)の状態だったという指摘があります。貴社は、地震や津波による被災の状況等を原子力安全・保安院にそのつど報告していますが、住民に対するまとまった説明が行われていないために、県民の中には根強い不安感があります。私たちは、女川原発は再稼働させるべきでないと考えていますが、貴社が再稼働を考えているのであれば、なおさらその大前提として、女川原発の被災状況、今後の安全対策等について説明し、県民の信頼を得る責任があると考えるものです。
女川原発で重大事故が起これば、その影響は全県に及ぶので、「立地自治体のみならず近隣自治体及び住民の意向も尊重するよう」(美里町議会)求める声が広がっています。したがって、立地自治体の女川町、石巻市だけでなく、仙台市を含め、すべての市区町村を単位とした説明会の開催をご検討ください。

2、女川原発の地震と津波に対する備え、安全性確保について、十分な検証を行い、県民に説明して下さい。

 女川原発では、3月11日の東日本大震災の本震だけでなく、たかだか震度5強にすぎない4月7日の余震でも、最大加速度値が基準地震動に対する最大応答加速度値を超えたところがありました。耐震設計審査指針の改定を踏まえて2008年3月に行った基準地震動の見直しが結果的に甘かったと思われます。
女川原発3号機の公開ヒアリングで、津波の引き波に対する備えを訴えた住民の意見を受け入れて、貴社は女川湾を浚渫することを約束し申請しました。しかし、取水口の位置は、海面下6bのままであったようですが、事実とその経過についてご説明ください。

3、宮城県および立地自治体と取り交わしている安全協定の見直しに着手し、協定に参加する自治体を全県規模に拡大し、「重大事故は起こりうる」という想定に転換してEPZの対象区域を大幅に拡大してください。貴社が女川原発の再稼働を考えているのであれば、原子力安全委員会がEPZを見直して新たに設けようとしている予防防護措置区域、緊急防護措置区域、放射性ヨウ素対策地域を、再稼働に先だって適用して設けるようにして下さい。

 東京電力福島第一原発の事故を教訓にして、女川原発で重大事故が発生した場合に、住民への連絡、緊急避難、安定ヨウ素剤の服用等をどのように迅速に行うかが問いかけられています。「重大事故は起こりうる」という立場に転換することは当然だと思われます。EPZについては、抜本的に拡大すべきです。したがって、安全協定に参加する市町村も、抜本的に増やして見直すべきです。

4、女川原子力発電所の耐震安全性をめぐり2006年10月28日と29日に石巻市と女川町で計三回開催された住民説明会、および2010年1月31日に女川町で開催された女川原発3号機へのプルサーマル導入に関する住民説明会に、貴社が社員と子会社・取引会社の社員を動員し、積極的に賛成意見を述べるよう要請していた問題について、全体像を再調査しその結果を公表してください。

 いわゆる「やらせ」問題を調査した経済産業省の第三者委員会(委員長・大泉隆史弁護士)が、女川原子力発電所でも原子力安全・保安院と貴社が住民説明会に動員をかけていた事実を示し、「公正性・透明性を損なうおそれのある不適切なものであったと認められる」と認定しました。ところが貴社は、海輪誠社長が謝罪を口にはしたものの、動員の規模や社員の発言の中味などの全体像を調査して公表することには否定的な態度を示しました。
東京電力福島第一原発の事故を目の当たりにした私たちは、貴社がマスコミを利用して「日本では原発の重大事故は起きない」と宣伝してきたことが虚構にすぎなかったことをしりました。また、その後の九州電力の「やらせメール」事件で、大規模な世論工作が繰り返されてきたことが暴露されました。枝野幸男・経済産業大臣が述べたように、原子力行政の信頼を取り戻すためには「過去のすべての膿を出し切ることが必要」(衆議院予算委員会、9月27日)であり、とくに「やらせ」の問題等について、自ら積極的に明らかにするという姿勢がなければ信頼は得られないと考えるものです。

5、貴社は、宮城県庁で原子力行政を担当した幹部職員を、その退職後に調査役として20年以上も切れ目なく天下りさせ続けています。県民の眼には、明らかな癒着と見えます。調査役の職務は何か、報酬はいくらかを公表して下さい。廃止する意思はあるかどうか、今後も存続させるとすればその正統性がどこにあるのか、ご説明ください。

 この問題は昨年3月に日本共産党の議員が県議会でとりあげて明るみに出ましたが、当時の自民党県連の小野寺五典会長も、民主党県連の安住淳代表も、テレビの取材に応えて「問題だ」と発言しました。
その意思があれば、見直すための十分な時間があったと思われますが、福島第一原発が事故をおこした後の今年四月、貴社はまたも環境生活部幹部をつとめた元県職員を調査役に迎え入れました。
退職後に天下りが予定されていれば、指導・監督は甘くなります。識者は、「その報酬は、買収の前払い金のような性格をもつ」と指摘しています。
この天下り以外にも、政党・政治家に対する献金や接待も見直すよう希望するものです。

6、女川原発3号機におけるプルサーマルの実施は中止して下さい。

 プルサーマルは、リスクばかり増やして百害あって一利なしです。核燃料サイクル政策がゆきづまっているもとで、このまま推進することは疑問であり、事業者として再検討するよう求めるものです。

7、女川原発の現場で定期点検等に従事している労働者の放射線被ばくの管理には万全を期して、管理状況についてできるだけ公表して下さい。

 東京電力では、現場で事故収束作業に従事している労働者を十分には把握していませんでした。電気事業者が全体として信頼を回復するうえで、原発を運転していることによる社会全体の被ばくを抑えることにつとめている姿勢を事実で示すことが不可欠になっていると考えています。そこで、貴社には、放射線業務従事者の放射線被ばくの管理をこれまで以上に厳正に行うことを期待し要望いたします。管理状況については、「女川原子力発電所周辺の安全確保に関する協定」にもとづき宮城県に報告する事項になっていますが、系統的に公表することをご検討下さい。

8、女川原発を廃炉にすることを検討して下さい。

 東海村(茨城県)の村長さんが、「重大事故が起これば、村民だけでなく半径30キロメート以内にいる住民約百万人に連絡し避難させなければならないが、それは不可能である」という趣旨の判断から、東海2号原発の停止を要望しました。私たちも、女川原発が地震・津波対策に不安を残したり、重大事故時に住民が避難できないのであれば、女川に原発を立地させたことが誤りだったと判断し、貴社が自ら女川原発を廃炉にする決断を下すべきではないかと考えています。

以上
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