値決めは経営である(2-4)
[2017年11月16日(Thu)]
資金調達とは「難しいほうから順番に選択する」
小山昇『仕事ができる人の心得』0513
小山昇『仕事ができる人の心得』0513
@ 利益の確保
A 資産の圧縮。特に棚卸しを
B 負債の増加
(支払手形よりも長期借入金がよい)
稲盛和夫『京セラフィロソフィ』より――
「値決めは経営である」
経営の死命を制するのは値決めです。
どれほどの利幅(M)を取ったときに、
どれだけの量(Q)が売れるのか、
またどれだけの利益(MQ)が出るのかということを
予測するのは非常に難しいことですが、
自分の製品の価値を正確に認識した上で、
量と利幅との積(MQ)が
極大値になる一点を求めることです。
その点はまた、
お客様にとっても京セラにとっても、
共にハッピーである値でなければなりません。
どれほどの利幅(M)を取ったときに、
どれだけの量(Q)が売れるのか、
またどれだけの利益(MQ)が出るのかということを
予測するのは非常に難しいことですが、
自分の製品の価値を正確に認識した上で、
量と利幅との積(MQ)が
極大値になる一点を求めることです。
その点はまた、
お客様にとっても京セラにとっても、
共にハッピーである値でなければなりません。
値決めは経営の死命を決する問題である。
たんに売るため、注文をとるためという営業だけの問題ではない。
『稲盛和夫の実学』
たんに売るため、注文をとるためという営業だけの問題ではない。
『稲盛和夫の実学』
―― 売値は製品の「価値」で決まる。
そして、売値(P)と量(Q)の積(PQ)売上の最大化ではなく、
利幅(M)と量(Q)の積(MQ)粗利が極大値となる一点を求める。
その一点は、売り手にとっても、買い手にとっても、共にハッピーになる。
利幅(M)と量(Q)の積(MQ)粗利が極大値となる一点を求める。
その一点は、売り手にとっても、買い手にとっても、共にハッピーになる。
実(まこと)の商人は、
先も立ち、我も立つことを思うなり
(石田梅岩)
先も立ち、我も立つことを思うなり
(石田梅岩)
【A】たとえば、下記の現状において
(粗利益率60%、労働分配率40%、営業利益率12%)
【B】売値を▲10%値下げで売上が▲10減少したら、利益はどうなる?
→(×)粗利も▲10%減少(60→54)
(○)粗利も利益も売上が減少した▲10だけ減少(60→50、12→2)
(粗利益率55.55%、労働分配率48%、営業利益率2.22%)
【C】売値の▲10%値下げに対応してコストを▲10%ダウンしたら、利益はどうなる?
→(×)売値とコストがいずれも▲10%だから粗利は維持(60→60)
(○)売上減少に粗利率を乗じた▲6だけ粗利も利益も減少(60→54、12→6)
【D】売値の▲10%値下げで売上が▲10減少しても、今までと同額の利益を確保するには?
→(×)値下げで減少した売上と同じ「率」のコストダウン▲10%が必要(40→36)
(○)値下げで減少した売上と同じ「額」のコストダウン▲10が必要(40→30)
(○)値下げ率を原価率で割った▲25%(▲10%÷40%)のコストダウンが必要
(○)値下げ率を原価率で割った▲25%(▲10%÷40%)のコストダウンが必要
【E】売値の▲10%値下げによって減る利益を販売量の10%増加でカバーできるか?
→(×)売値の▲10%ダウンを数量の10%アップで売上を維持できるので利益も維持
(○)売上はほぼ維持できても利幅が下がるので利益は減少(60→55、12→7)
(粗利益率55.55%、労働分配率43.64%、営業利益率7.07%)
【F】売値の▲10%ダウンで失う利益を取り戻すために必要な販売量の増加は?
→(×)売値が▲10%ダウンなら数量を10%アップすればよい(60→55、12→7)
(○)販売量を20%増やさなければならない(固定費を増やさない前提で)
【G】売値を10%値上げしたら
(粗利益率63.64%、労働分配率34.29%、営業利益率20%)
―― 売値の10%値上げに対してコストアップしなければ、
10%の値上げで増加した売上(10)と同額の利益が増える(60→70)
【H】売値の10%値上げによって販売量が▲10%減少したら
(粗利益率63.64%、労働分配率38.10%、営業利益率15.15%)
―― 10%の値上げで利幅は増えて、粗利は売上の増加と同額の10増加…上記【G】
販売量の10%減少によって売上は11減少して99(110×0.9)
そして粗利も販売量の10%減少によって7減少して63(70×0.9)
結果、売上は【A】とほぼ同額だが、粗利や利益は3増加(60→63、12→15)
そして、粗利の増加3に対して労働分配率を(下げずに)40%を維持すると、
給料は【A】に比して1.2増加(24+3×40%=25.2)
利益も【A】に比して1.8増加(12+3×60%=13.8)
(粗利益率63.64%、労働分配率40%、営業利益率13.94%)
そして粗利も販売量の10%減少によって7減少して63(70×0.9)
結果、売上は【A】とほぼ同額だが、粗利や利益は3増加(60→63、12→15)
そして、粗利の増加3に対して労働分配率を(下げずに)40%を維持すると、
給料は【A】に比して1.2増加(24+3×40%=25.2)
利益も【A】に比して1.8増加(12+3×60%=13.8)
(粗利益率63.64%、労働分配率40%、営業利益率13.94%)
労働時間に応じて給料を払う時代は終わりつつある。
社員に求めるのは、労働時間の提供ではなく、
付加価値の提供。
付加価値が給料の元と社員が納得すれば、
働き方も変わる。
堀場雅夫『おもしろおかしく〜人間本位の経営』
社員に求めるのは、労働時間の提供ではなく、
付加価値の提供。
付加価値が給料の元と社員が納得すれば、
働き方も変わる。
堀場雅夫『おもしろおかしく〜人間本位の経営』
稲盛和夫『京セラフィロソフィ』より――
「値決めは経営である」
例えば、100円で商品を仕入れてきたとします。
他社はそれを130円で売っている。
ならば、うちは10円安くして120円で売ろう。
いや、115円ならもっと売れるかもしれない
という具合に値決めを行う経営者の方がいます。
確かにその値段なら売れはするけれども、
経営はうまくいかずに火の車になる。
これは、経営者に
「どのくらいの粗利(MQ)があれば会社をまわしていけるのか」
という知識が欠けているのです。
同業他社よりも安ければ売れる、それだけの感覚で
値決めを行って失敗しているわけです。
他社はそれを130円で売っている。
ならば、うちは10円安くして120円で売ろう。
いや、115円ならもっと売れるかもしれない
という具合に値決めを行う経営者の方がいます。
確かにその値段なら売れはするけれども、
経営はうまくいかずに火の車になる。
これは、経営者に
「どのくらいの粗利(MQ)があれば会社をまわしていけるのか」
という知識が欠けているのです。
同業他社よりも安ければ売れる、それだけの感覚で
値決めを行って失敗しているわけです。
算用なし打込み置きて、帳〆にて合わせる人は、
手前薄くなる物ぞかし
井原西鶴『日本永代蔵』
手前薄くなる物ぞかし
井原西鶴『日本永代蔵』
この続きはまた明日
会計は算術ではなく、思想である
会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。
会計は算術ではなく、思想である
会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。