(081)「投資」の見極めと投資後のフォロー
[2009年06月22日(Mon)]
(最終更新:2011/12)
★目次に戻る
■投資の見極め★目次に戻る
組織が持続的に発展するためには、未来を見据えた投資が必要です。
設備投資、人材育成、新規事業、研究開発など、未知の世界への挑戦は「リスク」を伴います。
不確実性が高ければハイリスク、低ければローリスク、安全確実ならばノーリスクです。
なお、宝くじのように自らの実力や努力で何ともならぬ偶然性の高いものは「投資」といいません。
リスクを伴う投資の採算を会計的に判断する方法として、
@ 回収期間法、
A 資本利益率法、
B 現在価値法
などがあります。
しかし、投資によっては利益やキャッシュフローの改善をもたらすものばかりとは限りません。
法規制や社会的責任を果たすために、利益やCFの改善がなくとも投資することがあります。
このようなケースも含めた投資の見極めのポイントです。
(1)投資の目的(動機)――何のために
(2)必要性、優先度、重要度、緊急度
(3)投資のタイミング
(4)必要な投資額(→別記(067))
(5)リスクの想定と期待されるリターンによる回収スピード(→別記(067))
(6)借入で資金調達した場合は返済の安全性(→別記(067))
(7)代替案、撤退基準
■投資リスクの軽減(計画段階)
(1)シミュレーション
様々な事態を想定してシミュレーションを重ねますが、「最悪シミュレーション」が重要です。
現実問題として、過剰投資か否かを投資前に判断するのは容易ではありません。
しかし、「最悪シュミレーション」で生じる損失が経営に与える影響なら評価できます。
現実問題として、過剰投資か否かを投資前に判断するのは容易ではありません。
しかし、「最悪シュミレーション」で生じる損失が経営に与える影響なら評価できます。
(2)おカネ(必要資金の把握と調達)(→別記(067))
(3)撤退基準の設定
投資の結果、想定した「最悪シミュレーション」を下回る事態が生じるかもしれません。
そのような場合でも、「撤退基準」が事前に明確でなければ、判断の拠りどころがないので
撤退の判断が遅れることが少なくありません。
そのような場合でも、「撤退基準」が事前に明確でなければ、判断の拠りどころがないので
撤退の判断が遅れることが少なくありません。
■投資リスクの軽減(実行段階)
投資前のシミュレーションは「仮説の塊り」です。実行段階で実績とチェックして「仮説を検証」し、
必要に応じて「軌道修正」することが、リスク軽減の大前提です。
商人は一度の利益を誇ることなく、
また一度の損失に動揺してはならない。
唯一恐れ慎むべきは、日々月々少しずつ発生する損失である。
一重に希望すべきは、連綿と続く少しずつの利益である。
一度の損失は連綿と続く少しずつの利益をもって補填できるが、
連綿と続く損失は一度の利益をもって補填することは困難である。
『丸屋商社之記』(1869(明治2)年正月)/丸善
また一度の損失に動揺してはならない。
唯一恐れ慎むべきは、日々月々少しずつ発生する損失である。
一重に希望すべきは、連綿と続く少しずつの利益である。
一度の損失は連綿と続く少しずつの利益をもって補填できるが、
連綿と続く損失は一度の利益をもって補填することは困難である。
『丸屋商社之記』(1869(明治2)年正月)/丸善