(005)問題の「原因」を探る
[2009年03月24日(Tue)]
(最終更新:2011/12)
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■原因によって解決策は異なる★目次に戻る
「問題」は早期に発見し(できれば未然に発見)、早期に対策を講じるのが一番です。
また、見つかった問題に対して「適切な対策」でなければ問題解決になりません。
適切な対策を講じるためには、問題が生じた「原因」を究明する必要があります。
なぜなら、原因によって問題の解決策(対策)が異なるからです。
「目先の問題解決」で済ませるのでなく、
原因を突き詰めるまで「なぜ?なぜ?なぜ?…」を繰り返すことが肝要です。
このプロセスは、「求める成果(結果)を得るために何をなすべきか」を検討するにも有効です。
■資金繰りで問題は解決しない
資金不足に陥った会社によくありがちな話です。
・儲けは二の次(採算を度外視)で仕事を受ける
・回収した代金はすぐ現金化(手形回収なら割引(割引のレートは少々高くてもOK))
・前金を受取っても、ほかの支払いに充てる
・仕入や諸経費など支払は手形を振り出して先送り(手形のサイトは少しでも長く)
・小口の支払もカードを利用(しかも高金利のリボ払い)
・新たな投資はもちろん、最低限のメンテも先送り
・カネに変えられる(売れる)ものはどんどん処分(足元を見られて安値で処分)
・事業に必要か否かの判断は二の次で、資金化が容易なものから処分(たとえば保険)
・借りられるところならどこからでも借りる(金利・保証料など条件は関係なし)
・税金や社会保険料は役所から督促あるまで支払わず、、、などなど
そうやって何とか凌いできたところに、思わぬトラブル発生。
・割引して資金化した手形が突然の不渡り
・メンテ不良による事故や故障の発生
・資金化(保険の解約)で備えゼロにしたところに“まさか”の発生
・新規借入や借り換えに応じず、さらには既往借入の繰上げ返済の通告、、、など
このように、「資金繰り」は病気の原因を根本から取り除くものではなく、
病気によって生じる症状(資金不足)を一時的に緩和するにすぎません。(対症療法)
問題の原因を取り除かなければ、問題は解決せず、先送りされた問題は悪化します。
あるいは、運よく解決できたとしても、同じ過ち(失敗)を繰り返すことが少なくありません。
「金融円滑化法」など中小企業の経営支援のために様々な施策が講じられていますが、
その適用にあたっては、同時に、経営体質を根本から改善・改革に取り組むことが必要です。
■失敗の原因はわれにあり(→別記(001))
なぜ?なぜ?なぜ?を繰り返して原因を究明するのは、問題を解決して、
同じ過ちを繰り返さないためです。
したがって、問題の原因は、自分の内に求めなければなりません。
尋常でない厳しい経営環境が続きますが、問題の原因を自分の外に求めたところで、
せいぜい言い訳には使えるでしょうが、問題の解決には繋がりません。
言い訳は必要ありません。
結果的に失敗であれば、「だからどうする?」と考えればいいだけのことです。
また、成功についても、成功体験に安住していると・・・
待ちぼうけ、待ちぼうけ、ある日せっせと野良稼ぎ
そこに兎がとんで出て ころりころげた 木のねっこ
(2〜4番は略)
待ちぼうけ、待ちぼうけ、もとは涼しい黍(きび)畑
いまは荒野(あれの)の箒草(ほうきぐさ) 寒い北風 木のねっこ
『待ちぼうけ』(詩:北原白秋/曲:山田耕筰)
そこに兎がとんで出て ころりころげた 木のねっこ
(2〜4番は略)
待ちぼうけ、待ちぼうけ、もとは涼しい黍(きび)畑
いまは荒野(あれの)の箒草(ほうきぐさ) 寒い北風 木のねっこ
『待ちぼうけ』(詩:北原白秋/曲:山田耕筰)
■他人の失敗や成功から何を学ぶか
他人の「成功」や「失敗」の事例からも学ぶことができます。
しかし、後だしジャンケンで「結果」を評価したり、二番煎じで真似たりすることに意味はなく、
経営の原理原則に則って、意思決定の判断や実行の「プロセス」を確認することが肝要です。