(041)月次決算で「PDCA」をぐるぐる廻す
[2009年04月30日(Thu)]
(最終更新:2011/12)
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■反省(C)の目的は発展★目次に戻る
反省することが反省の目的ではなく、反省の目的は「発展」です。(→別記(034))
PDCAを廻すのも、発展のためです。ぐるぐる廻せば、どんどん発展します。
■「現場」が変わるから数字が変わる
月次決算のためにどんなに立派な資料を作成しても、それだけでは何も変わりません。
経営の結果を分析の目的に応じて集計して、現場にフィードバックします。
現場で「問題」を掘り起こし、問題解決のための課題と方法を明確にして、実行する。
その結果、現場が改善されて、結果として数字が良くなるのです。
現場が変わらねば数字は変わりません。
■「翌月10日まで」に求められるもの
月次決算の条件は「正確」かつ「迅速」であること。
「翌月10日まで」が求められます。(→別記(039))
この「翌月10日」という目標は、月次試算表や各種管理資料の作成ではなく、
現場で問題点を分析して取り組むべき改善課題とその方法を明確にするまでを意味します。
月次決算の「報告会」では、単に結果を報告するだけではなく、
問題点があれば原因の究明、そして問題解決の課題とその具体策について検討します。
ここまでを「翌月10日まで」に行ない、解決策が現場で着実に実行されるので、
翌月の月次決算の数字が良くなります。
「現場」で、毎月の数字から問題を掘り起こし、改善・強化の取組みを毎月毎月積み重ねる
――これが、経営の役に立つ「月次決算」です。
「注意深く月次決算書を見ていると、工場へ行き、問題のある現場を通りかかったときに、
「ここは先月こうだったな」と思い起こし、どこが問題なのかを、即座に指摘することができる。
その現場の責任者が注意をした通りに対策を打っていると、
翌月の月次決算にすぐあらわれる。
こうして会社全体の実績が良くなっていくのである」
「ここは先月こうだったな」と思い起こし、どこが問題なのかを、即座に指摘することができる。
その現場の責任者が注意をした通りに対策を打っていると、
翌月の月次決算にすぐあらわれる。
こうして会社全体の実績が良くなっていくのである」
『稲盛和夫の実学』p.115
■「ガラス張り経営」の意味するところ
このように数字を現場にフィードバックすることは、経営の健全な発展のために不可欠です。
しかし、それは単に数字をオープンにすることを意味しません。
「意識」が変わらねば、「行動」は変わりません。
「行動」が変わらねば、「結果」は変わりません。
社員全員が、数字の「意味するところ」の理解を深め、価値観を共有していることが前提です。
その前提なくして数字をオープンにしても、無用の混乱を招くだけです。
会社の状況や目指している方向と目標、さらには経営上の課題を共有し
社内のモラルを高め、社員のベクトルを合わせる
――これが、「ガラス張り経営」の意味するところです。(→別記(010))