不振の原因は生産性の問題
[2017年04月17日(Mon)]
セブン-イレブン・ジャパンの公式サイトより――
セブン-イレブンの歴史
鈴木敏文『朝礼暮改の発想』より――
低収益企業(売上高経常利益率が下位25%の企業)だから労働生産性の伸びが低いのではない
労働生産性の伸びが低いので
給料は上げられず、社員の生活の向上も図れず、人材の確保もままならず、
借りた金の返済もできず、前向きな資金調達もできないから新たな投資もできず、・・・
「負の循環」が続いて利益率はジリ貧、低収益で希望の未来を拓けず
―― 負の循環を断ち切らぬ限り、明日はない
セブン-イレブンの歴史
(…)
昭和30〜40年代(1950年代中頃〜1970年代前半)の高度成長は、
本格的な工業化社会をつくり出し、
大量生産・大量販売による空前の消費ブームを生みました。
ところがこうした中で中小小売業の経営環境は、むしろ厳しさを増していました。
[1] 中小小売業は依然として家族的な労働を中心に営まれており、
労働生産性が上がらなかったこと、
[2] また新たな人材を確保しようにも、
需要も大きく労働条件が整備されてきた製造業に人材が吸引されていたこと、
[3] さらに高度成長を経て消費市場自体が
「商品をつくって店頭に並べれば売れた売り手市場」から
「お客さまが価値を認めた商品だけを買っていく買い手市場」へと
変化し始めていたことなどが、その背景にありました。
(…)
「当時、中小小売店の不振の原因は生産性の問題であり、
ここにありました。
昭和30〜40年代(1950年代中頃〜1970年代前半)の高度成長は、
本格的な工業化社会をつくり出し、
大量生産・大量販売による空前の消費ブームを生みました。
ところがこうした中で中小小売業の経営環境は、むしろ厳しさを増していました。
[1] 中小小売業は依然として家族的な労働を中心に営まれており、
労働生産性が上がらなかったこと、
[2] また新たな人材を確保しようにも、
需要も大きく労働条件が整備されてきた製造業に人材が吸引されていたこと、
[3] さらに高度成長を経て消費市場自体が
「商品をつくって店頭に並べれば売れた売り手市場」から
「お客さまが価値を認めた商品だけを買っていく買い手市場」へと
変化し始めていたことなどが、その背景にありました。
(…)
「当時、中小小売店の不振の原因は生産性の問題であり、
大型店との競争の結果ではないと考えて、
規模の大小にかかわらず生産性を上げて人手を確保し、
きめ細かくニーズに対応していけば必ず成長の道が拓かれ、
大型店と中小小売店の共存共栄は可能だと説得し続けていました。
しかし、いくら言葉で言っても
生産性の上がる中小小売店経営の実例がどこにもないので、
商店街の方々の納得を得るのは困難でした」
セブン-イレブン・ジャパンがフランチャイズ・ビジネスを追求していく端緒が規模の大小にかかわらず生産性を上げて人手を確保し、
きめ細かくニーズに対応していけば必ず成長の道が拓かれ、
大型店と中小小売店の共存共栄は可能だと説得し続けていました。
しかし、いくら言葉で言っても
生産性の上がる中小小売店経営の実例がどこにもないので、
商店街の方々の納得を得るのは困難でした」
ここにありました。
鈴木敏文『朝礼暮改の発想』より――
われわれが目指したのは、
小型小売店でも生産性を高めれば経営が活性化し、
総合スーパーなどの大型店との共存共栄が可能になることを
なんとか実証することでした。
(…)
小型店の生産性を上げて大型店との共存共栄を実現しなければならない。
これは目的であると同時に、信念でもありました。
自分たちは何を目指すのかという原点さえ忘れなければ、
目的と手段を混同することはありません。
手段が目的化するような本末転倒した現象が組織の中で現れたら、
もう一度自分たちの信念を問い返すべきでしょう。
小型小売店でも生産性を高めれば経営が活性化し、
総合スーパーなどの大型店との共存共栄が可能になることを
なんとか実証することでした。
(…)
小型店の生産性を上げて大型店との共存共栄を実現しなければならない。
これは目的であると同時に、信念でもありました。
自分たちは何を目指すのかという原点さえ忘れなければ、
目的と手段を混同することはありません。
手段が目的化するような本末転倒した現象が組織の中で現れたら、
もう一度自分たちの信念を問い返すべきでしょう。
(出所:2015年版中小企業白書)
低収益企業(売上高経常利益率が下位25%の企業)だから労働生産性の伸びが低いのではない
労働生産性の伸びが低いので
給料は上げられず、社員の生活の向上も図れず、人材の確保もままならず、
借りた金の返済もできず、前向きな資金調達もできないから新たな投資もできず、・・・
「負の循環」が続いて利益率はジリ貧、低収益で希望の未来を拓けず
―― 負の循環を断ち切らぬ限り、明日はない
善い循環も悪い循環も、一朝一夕に起きるものではない。
十年二十年と長い年月のうちにできあがるものなのだ。
では、善い循環を起こす出発点は何だろうか。
ヤマト運輸は、どこを善い循環への出発点にすべきであるか。
考えた末、私はこう決断した。―― まず、労働生産性を高めよう
『小倉昌男 経営学』第一章
十年二十年と長い年月のうちにできあがるものなのだ。
では、善い循環を起こす出発点は何だろうか。
ヤマト運輸は、どこを善い循環への出発点にすべきであるか。
考えた末、私はこう決断した。―― まず、労働生産性を高めよう
『小倉昌男 経営学』第一章
この続きはまた明日
会計は算術ではなく、思想である
会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。
会計は算術ではなく、思想である
会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。