CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

こちら「みんみんファンド」事務局!

宮城県内には、子どもや高齢者、障がい者、環境や国際交流、芸術・スポーツなど様々なテーマで活躍するNPO・市民活動団体があります。その活動を支えるためにはお金が必要。みんみんファンドは、「いま、資金支援を必要とするところへ」資金を提供する、民(市民・企業・各種団体など)による民(NPO・市民活動団体)を支える仕組みです。


<< 2010年07月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリーアーカイブ
最新記事
最新コメント
わくわく元気応援クラブ 大沼
みやぎNPO夢ファンド公開コンペ開催 (05/19)
最新トラックバック
介護者サポート基礎セミナー [2010年07月06日(Tue)]
みやぎNPO夢ファンド助成事業

介護者サポート基礎セミナー

介護者応援ネットワークみやぎでは、介護する人、介護に関心のある人たちが気軽に集まり、情報を交換し、精神的に癒される場(介護者の集い)を各地域で開催するためのセミナーを開催します。

介護に関心のある方、ボランティア活動をしたい方、ぜひご参加ください。

8月22日(土)10:00〜16:00 雲上寺サンガホール
10:00〜10:20 趣旨説明、セミナーの内容説明
10:30〜12:00 基礎セミナー@ 介護の基礎知識
講師:真籠しのぶ(東松島地域包括支援センター長)
12:00〜13:30  昼休み(12:20〜13:10 ランチタイムセミナー)
13:30〜15:00 基礎セミナーA 介護する家族の想い
講師:本村昌文(介護者応援ネットワークみやぎ代表)
15:00〜16:00 基礎セミナーD 座談会

9月5日(日)10:00〜16:00 雲上寺サンガホール
10:00〜11:30 基礎セミナーB 介護者サポートの現状と課題
講師:渡辺道代(岩手県立大学准教授)
11:30〜13:00 昼休み(11:50〜12:40 ランチタイムセミナー)
13:00〜14:30 基礎セミナーC 傾聴の基本
講師:森山英子(仙台傾聴の会代表)
14:30〜15:30  基礎セミナーD 座談会
15:30〜16:00 修了証授与、介護者の集いの開催説明

※参加費1日500円(資料代、会員は無料)。両日とも定員60名。参加希望者は、下記連絡先まで事前に申し込んでください。
※基礎セミナー@〜Dをすべて受講した方には、当団体の「介護者の集い」を開催・運営するための修了証を授与します(部分参加の場合、修了証は発行できませんのでご了承ください)。
※希望者にはお弁当(700円)をご用意いたしますので、事前の参加申込の際に、「お弁当」希望日をお伝えください。

本セミナーは、「平成22年度みやぎNPO夢ファンド助成事業」です。

主催:介護者応援ネットワークみやぎ


みんみんバード interview vol.4 [2010年07月06日(Tue)]
みんみんバード interview vol.4

vol.4 障害者社会参加劇団ファットブルーム 主宰  高橋 宗義さん

PROFILE
大阪芸術大学在学中、野外劇団「劇団犯罪友の会」に在籍。フランキー堺氏に師事し、映画・テレビ・舞台を学ぶ。作業療法士を務める傍ら、2004年に障がい者が参加する劇団「劇団ファットブルーム」を結成。2009年3〜4月の公演「冬華・冬の花火〜写楽が愛した女(ひと)」では脚本・総合プロデュースを手がけた。



仙台市内の授産施設で暮らす障がい者三人と、健常者四人が旗揚げした「劇団ファットブルーム」。ファットブルームとはチョコレートの成分が溶け合い固まっていく過程を意味し、障がいを持つ人がさまざまな人たちと一緒に混じり合い、楽しく社会に参加していくことを目的に結成された劇団です。この劇団の主宰で作業療法士としても活躍されている高橋宗義さんにお話をうかがいました。

見たこともない笑顔に出会って

 私はもともとはフリーで役者・演出・舞台監督・舞台制作などをしていたんです。あるとき「介護老人保健施設ふらの」という施設の作業療法士で、川口淳一さんという方が演劇のワークショップを通じて痴呆の高齢者に対する作業療法を行っていることを知ったんです。一種の演劇療法ですね。

 ちょうどその頃私は、演劇を生かせる仕事の分野を探して作業療法士の資格を取得しようと専門学校に通っていました。専門学校の学生時代に、宮城野区にある身体障害者授産施設「啓生園(けいせいえん)」でアルバイトをし、夜は芝居の演出をする機会が出来ました。

 私が演出した芝居で人手が足りない時、園生の斉藤正勝さんが道具に色を塗るのを喜んで手伝ってくれた事がありました。彼はその日の炊き出しのカレーライスを食べて、「芝居をやると美味しいものが食べれるんだ」って見たこともない笑顔で笑ったんです。まるで昔の自分を見ているみたいだった…。

 私は「この人たちと一緒に芝居をやるのもいいんじゃないかな。本当の作業療法の意味も勉強できる」と思い、園生の斉藤正勝さんに話しかけました。その後に佐藤孝志さん、小川ふみ子さんが一緒に参加し「劇団ファットブルーム」が結成されました。

 学生時代に自分が所属していた大阪の野外劇団「犯罪友の会」主宰の武田一度さんが、「演劇というのは、何かを伝えたいと思っている人たちの気持ちを届けるライブなんだ」「演劇をしたくてもできない人たちが演劇をするっていうことが究極の演劇かもしれないな」って教えてもらったことを思い出したんです。

 武田さん自身、演劇をいわゆる抑圧されている人たちのものだと捉えている面もあるんです。きらびやかなものを集めてステージをやるんじゃなくて、何かを伝えたい人が舞台を通じて人に手渡しする作業が自分たちの演劇だと。それが先ほどの作業療法士の川口淳一さんと繋がってきて、武田さんのおっしゃっている意味がやっと理解できたんです。

 武田さんの劇団にいた頃は、二十歳そこそこで「衣装、買ってこい」「めし、買ってこい」とか言われて、お金をもらって労働者の町に行かされました。お金がないと劇団関係者の誰かがパンをくれたり、お酒をくれたりして。

 その頃は、お金がなくても芝居を作りたいという気持ちと身体があればどこの小屋へ行っても食べられたんです。劇団の横のつながりがあった時代で「バイト出来なくて、食べるものもないんです」っていうと、団長に「明日、あそこの劇団を手伝ってこい」って言われる。行ってみると、炊き出しのまかないものを食べさせてもらう。

 お金はもらえないんだけれど、みんな親切にしてくれました。「同じ目標に向かう人、それを助ける人を大切にする」これが人のつながりだと思うと、嬉しくてたまらなかったなあ。

 演劇をしていると、初めて会った人でもすぐにひとつの目標に対して、わだかまりもなく、コミュニケーションが取れて、頑張れるんです。それが楽しい。

 私は学生の頃まで、演技がうまければ、誰でも芝居を見に来てくれるって思って勉強していました。けれど、劇団に入っていろいろ経験しているうちに、ただ演技を勉強しているんじゃなくて、仕事をもらうのも人の付き合いから起きている。人は人で変わっていくんだなって思うようになりました。

 そして人で人が変われるんだったら、自分がちゃんと変われる人にならなきゃいけないと思うようになりました。コミュニケーションをどうとって、どういうふうに頼めばいいのかとかね。そういうのが本当の勉強だと感じています。



なにをすると対等になるかを必死で考えて

 うちの劇団は障害者の社会参加が目的です。「演劇」を使っていろんな方と関わり合って楽しく街の中央に出て行こうというコンセプトです。最初は仙台市の小劇場にいる人たちと老人ホームの慰問を考えました。

 しかしそれはうまくはいかなかった。そんな姿を見て、卸町のせんだい演劇工房10‐BOX二代目工房長の八巻さんが厚意で劇場を貸し出してくれました。そして最初の芝居「昔のおじいちゃん」が公演されました。

 その勢いで明治安田生命社会貢献プログラム「エイブルアート・オンステージ」の助成にチャレンジしましたが一回目はだめでした。翌年再チャレンジして念願の「冬華・冬の花火―写楽の愛した女(ひと)」という公演を行うことができました。そのときは仙台の演劇人の協力を頂き大変嬉しかった。

 障がい者劇団の劇団員が人の温かさを実感できる公演となりました。ファットブルームの団員は、ハンディのある身体で自分の覚えたものを体当たりで演技します。必死で伝えるのです。

 そんな彼らのリアルな表現の仕方と、プロの役者さんが作ってくるリアルな芝居をどう合わせていこうかと思った時、「障がいを持つ団員の斉藤正勝さんを主役にして、舞台上でイキイキと最後まで介助しないで舞台の袖に帰ってくる芝居をやろう」ということになりました。介助されるというのは芝居じゃないし、障がい者を一生懸命手ほどきしているものになってしまうと考えたのです。
 
 仙台の演劇人のみなさんは、障がい者と、何をすると対等になるかを必死で考えてくれたんですね。そして障がいを持つ団員たちがありのままの姿で登場する演劇を作ろうと結論が出ました。

 障がい者が車いすに乗っている写楽であったり、うまく歩けない馬琴だったり、こういう人たちが絵を描いていたらどうなるんだろうって。そこを原点にして想像力を働かせて芝居を作っていくと、障がいを持つ人が絵を描いていても不思議ではないし、健常者の蔦谷重三郎や十返舎一九は、そういう人に対してどう接しているかって事がリアルな話になると落ち着き、やっと楽になれた。

 それからは、こうしたほうがいいんじゃないか、ああしたほうがいいんじゃないかって、現場に落とすようになって、参加者全員が芝居に対して真っ向から向き合うようになっていきました。

 私は障がいを持つ彼らに、「まず演劇人として自分の芝居を作れるようになろう」「私達はこういうことをやっている」って、人前で話せるようになること。そして「今度お芝居をやるから見に来てください」とチラシと名刺を渡して地域のなかに入っていくこと。私達は自らが活動する事で知り合いを増やしていく。そしてそれが自分達の社会参加へとつながっていくと思っています。

 自信を持って地域に出ていく力は、「自分達が演劇をしているから」と思えること。これも「ろうきん地域貢献ファンド」や「エイブルアート・オンステージ」で助成を頂き地域に入っていくきっかけを作ってもらったからです。

 今はその大きな財産を持って、またいろいろな人達に手伝ってもらいながら、地域の授産施設や、老健施設を回って、「演劇」で等身大の彼らの社会参加を継続していきたいと思っています。



注1 エイブルアート・オンステージ 明治安田生命の社会貢献プログラムとして障害のある人たちが参加する演劇、ダンス、音楽などの取り組みを助成するプログラム。 

注2 作業療法 病気や外傷からの回復を助けるため、医師より処方され、作業療法士により指導されて行われる治療活動。作業・仕事・運動・レクリエーションなどを含む。精神病作業療法と身体作業療法があり、リハビリテーションの一種。

注3 厚生大臣の免許を受けて、医師の指示のもとに作業療法を行うことを業とする者。 
 
写真提供:障害者社会参加劇団 劇団ファットブルーム
インタビュー・写真:谷口 恵子
みんみんバード interview vol.3 [2010年07月06日(Tue)]
みんみんバード interview vol.3

vol.3 仙台傾聴の会 代表 森山 英子さん

PROFILE
東北福祉大学福祉心理学科通信課程卒業。認定心理士・産業カウンセラー。仙台傾聴の会代表のほか、宮城県NPO活動促進委員会委員、仙台市青少年指導委員、仙台市ふれあい指導員、仙台市カウンセリング研究会役員、名取市男女共同参画推進委員を務めている。



相手の話を否定しないで一生懸命共感しながら聴いて受け止める「傾聴」は、自殺予防や、高齢社会のコミュニケーションスキルとして注目されている。仙台市内の高齢者福祉施設を中心に傾聴活動を展開しながら、傾聴ボランティア養成講座を開催するなどその普及に努めている「仙台傾聴の会」代表の森山英子さんに活動に至るきっかけや、傾聴方法などについてうかがいました。

傾聴を広めて自殺を減らしたい

東北福祉大学の通信教育学部で学んでいたんでいたとき、もう十年以上も日本の自殺者が年間3万人を超えていることを知って、なんとかできないものだろうかと思っていたんですね。で、あるとき、自殺者が多い秋田県能代市で、行政職員が一人暮らしのお年寄りの家を何度も訪問し、話を聴きに行っていることを知ったんです。

 自殺する人ってほんとうに何年も誰とも話さないで死んでいってしまうんですね。それを防ぐには、悶々と自殺を考えている人のところに一生懸命話を聴きにいくことで、その人の生きる力が出てきて、自殺を思いとどまらせることができる。

 それこそが傾聴の力だと思うんです。だからもっと傾聴活動を世の中に行き渡らせることで、自殺者を減らせるのではないかと考えて活動しています。

 私が代表を務めている「仙台傾聴の会」では、毎月第一土曜日を「傾聴の日」と決めて仙台市福祉プラザで傾聴活動を行っているほか、地域包括支援センター(注1)からご紹介された十二の高齢者福祉施設でも行っています。

 このような施設では、介護職員の方も非常に忙しく入所者とじっくり話をする機会が持てないんですね。だからもっと傾聴ボランティアを増やして一人でも多くの入所者の方に対応できるようにしていきたいです。

 そしてなかなか目が行き届かない一人暮らしの方に対しては、民生委員や、地域包括支援センター、町内会などのみなさんと連携していくことで私たちの活動が社会資源としてお役に立てるのではないかと考えています。

よい聴き手となるためには日ごろからの努力が必要

 傾聴とは、相手の言うことを否定しないで、じっくりと話を聴くことなんです。そして相手の人格を尊重して一生懸命聴くというのが基本です。

 自分の価値観と違うからといって否定しないこと。それに傾聴というのは、向き合っている相手が主役で私が主役ではありません。私はその人のことを受け止めるだけで、私と話をしている間だけでもいい気持ちでいられる配慮をします。

 たとえば、ほめてよい感情を持ってもらう。そうすることで自分の思いを話せるようになるんです。そして初対面の方だったら姿形、表情をじっくり観察して「おだやかないい表情ですね」なんて言葉をかけることができるんです。 

 けれども何かを発するためには、その思いがないと伝えられないので、普段から季節ごとの花を見て、きれいだなと思う気持ちを持つようにしたり、日常生活のなかで訓練していきます。よい聴き手となるためには、そんな努力が必要なんです。

 それに傾聴スキルを身に付けると、関係性が変わっていくんです。上司との関係でもそうです。上司という立場になると部下の話を聴かないものなんですよ。でも聴いてみると、自分が持っていないものを部下が持っているかもしれないんです。

 聴くこともしないで否定的な言葉を言い続けていると、部下は何も話さなくなってしまう。それは会社にとって大きな損失です。会社に利益を与える話かもしれないし、個人的な悩みが出るかもしれない。部下は自分のことを受け入れてもらえたということで信頼関係ができて仕事もスムーズになるんです。

 それに家族との関係でも聴くということを身に付けると、関係性が変わっていきます。いままでは聞き流していたことも、今日はちゃんと傾聴モードで聴いてみようと思って聴いてみると、別の展開になってきて、子どもや夫のいままで聴いたことのない話が聴けるんです。

 そういえば、秋葉原で事件を起こした犯人も「誰かに止めて欲しかった」って言ってましたけれど、もし話を聴いてくれる人が身近にいてくれたのなら、思い留まることができたかもしれませんね。

 いまは人とかかわるコミュニケーション能力がなくて、メールでのやりとりだけで誤解を生んで、相手が傷ついたということも多い。だからこそ、相手の表情を見てコミュニケーションをする傾聴は、非常に重要なスキルだと思います。

注1 地域包括支援センター
平成18年の介護保険法改正に伴い創設された機関。地域住民の心身の健康維持や生活の安定、保健・福祉・医療の向上、財産管理、虐待防止などさまざまな地域の課題に対して、総合的なマネジメントを担い解決に向けた取り組みを行う。

インタビュー・写真:谷口 恵子
みんみんバード interview vol.2 [2010年07月06日(Tue)]
みんみんバード interview vol.2

vol.2 特定非営利活動法人博英舎・こころや 施設長 安藤申直(のぶなお)さん

PROFILE
精神障害者小規模地域活動支援センターこころや施設長。元東北大学歯学部教官。哲学者の今道友信氏が提唱している「エコ エティカ(生圏倫理学)」を日頃から忘れないように心掛けている。



市民から仙台市に寄贈された古い民家を拠点に、精神に障がいを持つ方たちの生活支援をはじめ、自死予防活動に取り組んでいる「特定非営利活動法人博英舎・こころや」 。団体が運営する精神障害者小規模地域活動支援センター(注1)こころや施設長の安藤申直さんに精神に障がいを持つ方たちを支える活動についてうかがいました。


自立した生活を送るための支援を

  「精神障害者小規模地域活動センターこころや」では、精神に障がいを持つ方が地域社会で自立した生活を送れるようにさまざまな支援活動をしています。

 その活動のひとつである「カウンセリング研究会」では、精神科医である当団体の代表が薬や精神医学などをテーマに、講義を行っています。当事者のみなさんだけでなく、家族のみなさんや、職員も一緒に勉強しているんです。講義後は、当事者が自分の経験をもとにして、相談し合うピアカウンセリングの場にしています。

 また、ボランティアの方の協力をいただき、昼食づくりや食事会のための「料理教室」を開催したり、現代詩と精神分析とのかかわり合いを学ぶ「現代詩研究会」や、施設を利用する方たちの家族が集まって意見交換や悩みを相談する「家族会」も行っています。

 それから中南米の楽器をはじめ、ボンゴやカホンといった打楽器を使ってフォルクローレ(注2)を練習する「音楽教室」も大切な活動です。なかにはライブ活動をしていた当事者の方もいらっしゃって、高齢者福祉施設への慰問も積極的に展開しています。この間も仙台市市民活動サポートセンターのシアター事業に採用されて「中南米音楽でバリアフリー」と題して練習の成果を披露して、楽しいひとときを過ごしました。


 
自死予防活動への取り組み

 現在、こころやでは、メンタルヘルス活動の中心として、自死予防活動に取り組んでいます。その一環として「こころや いのちの電話」を開設し、毎週木曜の午前9時から正午まで電話による相談活動を行っています。対応しているのは、専門的な知識を学んだボランティアさんで、昨年十二月に新聞に掲載されたときは、反響の大きさに驚きました。

 仙台市、とくに青葉区は学生の自殺が多くて、「特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク(注3)」が発行している「自殺実態白書2008」の調査結果によると、青葉区では二十〜二十九歳の学生が十八人も自殺で亡くなっているんです。携帯電話やインターネットとの付き合い方も関連しているのでしょう。やはり小学生や中学生から教える機会を作っていかないと、歯止めがかからないのではないかと思っています。

 そしてこれからは教職に携わる者も自殺予防の観点からメンタルヘルスの知識は必要不可欠です。自分自身を振り返ってみると、歯科技工士学校の教官だったころは、こういった知識をまったく持たずに学生に接していたんです。ほんとうは心の病なのに、サボっているのではないかと疑ったことがあったかもしれない。ですから、日々人生のやり直しみたいな想いを持って、こころやの運営にあたっています。

 施設の運営に関していえば、当施設の職員やボランティアの方たちだけでは、利用者と会話をする時間が圧倒的に不足していますね。つい施設の職員として、資格を持った人を増やせばいいと考えてしまいますが、むしろ資格などに関係なく、身近にそれを真摯に受け止めてくれる人がいてくれることのほうが大切なんです。

 そういったことからも、地域でふつうに会話できるような環境づくりとして、定期的なご近所交流にも取り組んでいますが、施設に通える方たちは、ほんとうに恵まれている方たちなんですね。社会との接点を持たずに孤立して、うつ状態で閉じこもって自殺をしてしまう人たちをどう支えていくのか、社会全体で取り組まなければならない課題だと思っています。



注1 地域活動支援センター 
障害者自立支援法に定められている地域生活支援事業のひとつ。障害者の創作的活動や社会との交流促進を図ることを目的としている。

注2 フォルクローレ
(英語のフォークロアに由来)民謡。民族音楽。特に、アンデス山地など、南米のスペイン語系民族音楽の総称。  

注3 特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク
http://www.lifelink.or.jp/hp/top.html 

インタビュー・ 写真:谷口 恵子
みんみんバード interview vol.1 [2010年07月06日(Tue)]
みんみんバード interview vol.1

vol.1 特定非営利活動法人ほっぷの森
事務局長 後藤 まつ子さん 理事 菊田俊彦さん



知的障がいや、高次脳機能障がい(注1)を持つ方たちの一般就労実現を目的に設立された「特定非営利活動法人ほっぷの森」。団体が運営する仙台市太白区長町にある長町遊楽庵びすた〜りは、就労継続事業A型(雇用型)のレストランとして全国的に注目を浴びています。理事の菊田俊彦さんと事務局長の後藤まつ子さんに活動に至るまでの経緯やその思いをうかがいました。

事務局長 後藤 まつ子さん

PROFILE
経験した職種は工事現場から着物販売までさまざま。福祉職の経験はゼロ。障害のある方を主人公としたドキュメンタリーの自主上映をしたことがきっかけとなり、福祉の世界と出会う。自らの不登校などの体験から、生きづらさを抱えた人のサポートをしたいと現在に至る。

映画の自主上映がきっかけに

HIV薬害訴訟の支援に関わったことがきっかけで、いろいろな活動にチャレンジするうち、自分の共感したドキュメンタリー映画作品の自主上映を行うようになりました。あるとき、福祉施設の方から「映画を上映したいから手伝って」と頼まれて、その流れのなかで、白木理事長と出会って福祉活動に関わるようになったんです。
 
 そのときに「すでにある福祉施設にはないものを一緒につくりましょう」と誘いを受けたんですが、諸事情でプロジェクトを断念しなければいけなくなったんですね。私自身も体を壊してしまっていったん実家に戻ったこともありましたが、理事長からは「すぐに就労支援センターをつくるよ」と聞かされてはいました。  

 理事長は、物件探しの段階で「障がいのある方が出入りするのでは、ほかのテナントが入らなくなる」などの理由で何回か断られたようです。それでもあきらめないで探し続けて、いまの大家さんに出会い「びすた〜り」を開店することができました。あきらめない力ってすごいですね。私は「びすた〜り」が開店する直前に、「ほっぷの森」の活動に参加することを決め、再び仙台に戻ってきました。

出会いによって自分を成長させる

 HIV薬害訴訟の支援をやっていた時もそうなんですが、さまざまな活動を通じてすばらしい出会いがありました。HIV薬害訴訟の原告の方々、障がいのある子のお母さんたちとの出会い、小児がんのお子さんの親御さんたちや、お子さんを亡くされた方々との出会い。そこで成長させられたり、気づかされたりした部分がたくさんありました。

 いまも就労へ向けてがんばっている障がいのある方々と自分自身の生きづらさを受け入れて、でもあきらめずに一歩ずつ前に向かって生きていく姿勢を一緒に学んでいるように思います。私自身、あんまりすんなりと生きられるタイプではないからとくにそう思うのかもしれないですね。

 それから理事長の白木さんをはじめ、副理事長の深野さん、理事の菊田さんとの出会い。他の理事や職員も人間的な魅力のある方々で、私の人生のなかでも得がたい出会いだと感じています。

一人ひとり違う就労支援をしたい

 「就労支援センターほっぷ」では、障がいのある方たちが2年という期限で、一般就労を目指したトレーニングをする就労移行支援(注2)を行っています。2年という期限もあり、障がいといっても一人ひとり違うんですね。そういうなかで、それぞれの方の個性や目標に応じたトレーニングをと、職員全員が悩みながら、やりがいを感じながら、取り組んでいます。

 一般就労には、やはり企業の受け入れ体制や、社会側の認識の問題もあり、1円、2円を効率よくと思っている企業の現場で、障がいのある方が就労することは、正直、ハードルが高いです。けれども的確なサポートがあれば就労できるチャンスがある。「就労支援センターほっぷ」が開設されて2年目ですが、一般就労した方々が出ています。

 障がいがあるからではなく、障がいがあるからこそ周囲に与えるものがたくさんあるって感じて、社会に旅立ってもらえればうれしいですね。そして当法人の取り組みが、一つのモデルとして、こういうやり方もあるよということを社会に提示できればいいなと思っています。





理事 菊田俊彦さん

PROFILE
ホテルなどでレストラン、フロント、営業企画などを経験、その後のレストランで障害のある方々と出会い、スペシャルオリンピックスでスキーなどのコーチを務める。仙台市内の老舗料理店の料理部長を経て現在に至る。

飲食業のプロが福祉授産施設に

 私はこれまで十五年間、一般企業が経営するレストランやホテルなどで仕事をしてきました。その中のひとつのレストランの経験が忘れられなく、今の仕事に繋がっている様に思います。そのレストランの周りには福祉施設や特別支援学校などがあり、障がいのある方々によくご利用していただいてました。

 何故か、彼らがお店にいらっしゃると、お店の雰囲気が一瞬で変わってしまうこと、店内が優しい空気に包まれることがとても心地よく、レストランにとってもとても大切な要素であることを感じながら仕事をしてきました。その後も他の飲食店などで、どのレストランもそうであるスピードと効率性のもと仕事をしてきました。

 ふと、これから先、どんな形で飲食業に関わり、どの様に自分がしていきたいのかと考えた時に、以前感じたあの優しい雰囲気の中で「レストラン」を表現したいと思う様になりました。そんな時、白木理事長と出会い、障がいのある方々の就労の場所としてのレストランを作りたいという熱い思いに共感し、一緒にレストランをやりたいと思う様になりました。

 その後、実際にレストランをやることになったのですが、紆余曲折があって、いったん白紙になってしまったり、オープン直前で1年延期になったりと様々なこともありました。延期になった2年間、授産施設の職員として、施設に隣接するレストランで利用者さんと一緒に仕事をしました。

 一歩一歩慎重に料理を運ぶ姿、お客様に深々とお辞儀をする姿、その姿から直向さ、誠実さなどをとても強く感じました。決してスピードは速くはありませんし器用では無いかもしれませんが、みんな一生懸命自分達の速度で仕事をしていました。

 彼らの優しい流れの中で、レストランとしての店づくり、料理、食材、音楽、環境、人と人とのコミュニケーションなどを表現したい。そしてより魅力的なレストランを一緒に作りたいと改めて強く感じた2年間となりました。

「あきらめない」環境づくりを

 活動に関わって得たものって、まず自分のやりたい形でやれているということがいちばんですね。あとは言い訳だったり、苦手なことだったり、それらをすべて飛び越えて何があってもやり切る力が出せる様になりました。

 それはみんながいてくれるからこそ、私一人の力では到底出来ません。今まではあきらめてきたことがたくさんあります。そんなに器用なほうじゃないので「なにくそ」という思いだけでやっているところがありました。

 いまはスタッフのみんなにも、仕事のなかであきらめないという環境を作ってあげたい。そしてみんなのひとつひとつの力の積み重ねが大きな力になっていく様に、これからもそういう関係をみんなと作れるといいなと思っています。

スタッフの目標を達成するために

 「びすた〜り」は、障害者自立支援法に基づいた就労継続支援(注3)A型の指定を受けた事業所ですが、通常営業をしているレストランで、スタッフは知的障がいや高次脳機能障がいを持つ方々たちです。営業の合間に就労トレーニングも行っています。

 スタッフたちの目標は一人ひとり違っていて、一人暮らしが目標という方もいれば、一般就労という方もいて、それぞれの目標を達成するために、トレーニングをしています。具体的には、グラスを磨いたり、在庫を数えて商品を覚えたり、それに応じて数えやすいようにどうやって環境を作ろうかとか、どういう形だと発注できるのかなというように、みんなができる形を作っていきます。

 宮城県内の平成十九年の障害者授産施設の平均工賃は月1万6966円、全国平均で月1万2000円です。「びすた〜り」では、障害のある方と雇用契約を結んでいます。月4万円から8万円の給料がもらえるまでに個々人が力をつけてきています。障害基礎年金を受給できていれば、生活できる金額かもしれませんが、受給できていなければまだまだ生活するのに難しい金額です。

 ですから今後は自分の目標プラス、生活できるだけの給料を確保するために、力を付けて欲しいです。それはもしかすると頑張る力なのかもしれないし、自分の個性を今までとは違うコミュニケーションの仕方で伝える力なのかもしれません。それを身に付けて、次のステップに進んで欲しいと思っています。

注1 交通事故や転落などで頭を強打し、脳挫傷などの重傷を負った方、脳卒中・脳腫瘍・もやもや病など病気が原因の後遺障がい。記憶障がい・注意障がい・遂行機能障がい・社会的行動障がい・コミュニケーション障がい・病識欠落などの認知障がいが生じ、これに起因して日常生活・社会生活への適応が困難となる障がい。福祉サービスを提供する施設が不足している。

注2 就労移行支援 一般企業等への就労を希望する人に、一定期間 就労に必要な知識及び能力向上のために必要な訓練を行う。

注3 就労継続支援(A型=雇用型、B型) 一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力向上のための必要な訓練を行う。

インタビュー・写真:谷口 恵子

プロフィール

さんの画像
みんみんファンド
プロフィール
ブログ
リンク集
http://blog.canpan.info/minmin_fund/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/minmin_fund/index2_0.xml