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こちら「みんみんファンド」事務局!

宮城県内には、子どもや高齢者、障がい者、環境や国際交流、芸術・スポーツなど様々なテーマで活躍するNPO・市民活動団体があります。その活動を支えるためにはお金が必要。みんみんファンドは、「いま、資金支援を必要とするところへ」資金を提供する、民(市民・企業・各種団体など)による民(NPO・市民活動団体)を支える仕組みです。


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みんみんバード interview vol.1 [2010年07月06日(Tue)]
みんみんバード interview vol.1

vol.1 特定非営利活動法人ほっぷの森
事務局長 後藤 まつ子さん 理事 菊田俊彦さん



知的障がいや、高次脳機能障がい(注1)を持つ方たちの一般就労実現を目的に設立された「特定非営利活動法人ほっぷの森」。団体が運営する仙台市太白区長町にある長町遊楽庵びすた〜りは、就労継続事業A型(雇用型)のレストランとして全国的に注目を浴びています。理事の菊田俊彦さんと事務局長の後藤まつ子さんに活動に至るまでの経緯やその思いをうかがいました。

事務局長 後藤 まつ子さん

PROFILE
経験した職種は工事現場から着物販売までさまざま。福祉職の経験はゼロ。障害のある方を主人公としたドキュメンタリーの自主上映をしたことがきっかけとなり、福祉の世界と出会う。自らの不登校などの体験から、生きづらさを抱えた人のサポートをしたいと現在に至る。

映画の自主上映がきっかけに

HIV薬害訴訟の支援に関わったことがきっかけで、いろいろな活動にチャレンジするうち、自分の共感したドキュメンタリー映画作品の自主上映を行うようになりました。あるとき、福祉施設の方から「映画を上映したいから手伝って」と頼まれて、その流れのなかで、白木理事長と出会って福祉活動に関わるようになったんです。
 
 そのときに「すでにある福祉施設にはないものを一緒につくりましょう」と誘いを受けたんですが、諸事情でプロジェクトを断念しなければいけなくなったんですね。私自身も体を壊してしまっていったん実家に戻ったこともありましたが、理事長からは「すぐに就労支援センターをつくるよ」と聞かされてはいました。  

 理事長は、物件探しの段階で「障がいのある方が出入りするのでは、ほかのテナントが入らなくなる」などの理由で何回か断られたようです。それでもあきらめないで探し続けて、いまの大家さんに出会い「びすた〜り」を開店することができました。あきらめない力ってすごいですね。私は「びすた〜り」が開店する直前に、「ほっぷの森」の活動に参加することを決め、再び仙台に戻ってきました。

出会いによって自分を成長させる

 HIV薬害訴訟の支援をやっていた時もそうなんですが、さまざまな活動を通じてすばらしい出会いがありました。HIV薬害訴訟の原告の方々、障がいのある子のお母さんたちとの出会い、小児がんのお子さんの親御さんたちや、お子さんを亡くされた方々との出会い。そこで成長させられたり、気づかされたりした部分がたくさんありました。

 いまも就労へ向けてがんばっている障がいのある方々と自分自身の生きづらさを受け入れて、でもあきらめずに一歩ずつ前に向かって生きていく姿勢を一緒に学んでいるように思います。私自身、あんまりすんなりと生きられるタイプではないからとくにそう思うのかもしれないですね。

 それから理事長の白木さんをはじめ、副理事長の深野さん、理事の菊田さんとの出会い。他の理事や職員も人間的な魅力のある方々で、私の人生のなかでも得がたい出会いだと感じています。

一人ひとり違う就労支援をしたい

 「就労支援センターほっぷ」では、障がいのある方たちが2年という期限で、一般就労を目指したトレーニングをする就労移行支援(注2)を行っています。2年という期限もあり、障がいといっても一人ひとり違うんですね。そういうなかで、それぞれの方の個性や目標に応じたトレーニングをと、職員全員が悩みながら、やりがいを感じながら、取り組んでいます。

 一般就労には、やはり企業の受け入れ体制や、社会側の認識の問題もあり、1円、2円を効率よくと思っている企業の現場で、障がいのある方が就労することは、正直、ハードルが高いです。けれども的確なサポートがあれば就労できるチャンスがある。「就労支援センターほっぷ」が開設されて2年目ですが、一般就労した方々が出ています。

 障がいがあるからではなく、障がいがあるからこそ周囲に与えるものがたくさんあるって感じて、社会に旅立ってもらえればうれしいですね。そして当法人の取り組みが、一つのモデルとして、こういうやり方もあるよということを社会に提示できればいいなと思っています。





理事 菊田俊彦さん

PROFILE
ホテルなどでレストラン、フロント、営業企画などを経験、その後のレストランで障害のある方々と出会い、スペシャルオリンピックスでスキーなどのコーチを務める。仙台市内の老舗料理店の料理部長を経て現在に至る。

飲食業のプロが福祉授産施設に

 私はこれまで十五年間、一般企業が経営するレストランやホテルなどで仕事をしてきました。その中のひとつのレストランの経験が忘れられなく、今の仕事に繋がっている様に思います。そのレストランの周りには福祉施設や特別支援学校などがあり、障がいのある方々によくご利用していただいてました。

 何故か、彼らがお店にいらっしゃると、お店の雰囲気が一瞬で変わってしまうこと、店内が優しい空気に包まれることがとても心地よく、レストランにとってもとても大切な要素であることを感じながら仕事をしてきました。その後も他の飲食店などで、どのレストランもそうであるスピードと効率性のもと仕事をしてきました。

 ふと、これから先、どんな形で飲食業に関わり、どの様に自分がしていきたいのかと考えた時に、以前感じたあの優しい雰囲気の中で「レストラン」を表現したいと思う様になりました。そんな時、白木理事長と出会い、障がいのある方々の就労の場所としてのレストランを作りたいという熱い思いに共感し、一緒にレストランをやりたいと思う様になりました。

 その後、実際にレストランをやることになったのですが、紆余曲折があって、いったん白紙になってしまったり、オープン直前で1年延期になったりと様々なこともありました。延期になった2年間、授産施設の職員として、施設に隣接するレストランで利用者さんと一緒に仕事をしました。

 一歩一歩慎重に料理を運ぶ姿、お客様に深々とお辞儀をする姿、その姿から直向さ、誠実さなどをとても強く感じました。決してスピードは速くはありませんし器用では無いかもしれませんが、みんな一生懸命自分達の速度で仕事をしていました。

 彼らの優しい流れの中で、レストランとしての店づくり、料理、食材、音楽、環境、人と人とのコミュニケーションなどを表現したい。そしてより魅力的なレストランを一緒に作りたいと改めて強く感じた2年間となりました。

「あきらめない」環境づくりを

 活動に関わって得たものって、まず自分のやりたい形でやれているということがいちばんですね。あとは言い訳だったり、苦手なことだったり、それらをすべて飛び越えて何があってもやり切る力が出せる様になりました。

 それはみんながいてくれるからこそ、私一人の力では到底出来ません。今まではあきらめてきたことがたくさんあります。そんなに器用なほうじゃないので「なにくそ」という思いだけでやっているところがありました。

 いまはスタッフのみんなにも、仕事のなかであきらめないという環境を作ってあげたい。そしてみんなのひとつひとつの力の積み重ねが大きな力になっていく様に、これからもそういう関係をみんなと作れるといいなと思っています。

スタッフの目標を達成するために

 「びすた〜り」は、障害者自立支援法に基づいた就労継続支援(注3)A型の指定を受けた事業所ですが、通常営業をしているレストランで、スタッフは知的障がいや高次脳機能障がいを持つ方々たちです。営業の合間に就労トレーニングも行っています。

 スタッフたちの目標は一人ひとり違っていて、一人暮らしが目標という方もいれば、一般就労という方もいて、それぞれの目標を達成するために、トレーニングをしています。具体的には、グラスを磨いたり、在庫を数えて商品を覚えたり、それに応じて数えやすいようにどうやって環境を作ろうかとか、どういう形だと発注できるのかなというように、みんなができる形を作っていきます。

 宮城県内の平成十九年の障害者授産施設の平均工賃は月1万6966円、全国平均で月1万2000円です。「びすた〜り」では、障害のある方と雇用契約を結んでいます。月4万円から8万円の給料がもらえるまでに個々人が力をつけてきています。障害基礎年金を受給できていれば、生活できる金額かもしれませんが、受給できていなければまだまだ生活するのに難しい金額です。

 ですから今後は自分の目標プラス、生活できるだけの給料を確保するために、力を付けて欲しいです。それはもしかすると頑張る力なのかもしれないし、自分の個性を今までとは違うコミュニケーションの仕方で伝える力なのかもしれません。それを身に付けて、次のステップに進んで欲しいと思っています。

注1 交通事故や転落などで頭を強打し、脳挫傷などの重傷を負った方、脳卒中・脳腫瘍・もやもや病など病気が原因の後遺障がい。記憶障がい・注意障がい・遂行機能障がい・社会的行動障がい・コミュニケーション障がい・病識欠落などの認知障がいが生じ、これに起因して日常生活・社会生活への適応が困難となる障がい。福祉サービスを提供する施設が不足している。

注2 就労移行支援 一般企業等への就労を希望する人に、一定期間 就労に必要な知識及び能力向上のために必要な訓練を行う。

注3 就労継続支援(A型=雇用型、B型) 一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力向上のための必要な訓練を行う。

インタビュー・写真:谷口 恵子

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