昨年度、弊社と福島県会津地方振興局さんで進めてきた観光調査事業の報告書が、めでたく完成しました!!
一年間かけて観光客1,800人にヒアリング調査を行い、観光事業所50件、地域住民300人のアンケートと合わせて分析を行い、会津の観光に今後必要なことを焙り出しました。
うちは普段はコンサル業務的なことはあまりしないのですが、今回は緊急雇用対策事業の一環で会津の若手人材の育成と絡ませたプロジェクトだったため、その側面も強化して弊社で請け負いました。
3か月ずつ雇用した地元の若手4人が、真夏の暑い日も冬の雪降る中も街頭や観光地に立って調査をしてくれました。本当にありがとうございました!&お疲れさまでした!
全115ページの内容はこんな感じです。
■第01章■ 調査概要(P.3)
■第02章■ 「観光客アンケート調査」から読み解くニーズと動向(P.22)
■第03章■ 一般観光客年代別傾向(P.32)
■第04章■ 一般観光客居住地別傾向(P.40)
■第05章■ 一般観光客季節別傾向(P.49)
■第06章■ 一般観光客エリア別傾向(P.60)
■第07章■ スキー客分析(P.72)
■第08章■ イベント客分析(P.78)
■第09章■ 観光客が感じた会津の印象ランキング(P.85)
■第10章■ 観光客が感じた会津で良かったことランキング(P.87)
■第11章■ 観光客が感じた会津でがっかりしたことランキング(P.90)
■第12章■ 観光客の会津のお気に入りランキング(P.93)
■第13章■ 観光客が観光地に望むものランキング(P.94)
■第14章■ 観光事業者が感じる会津の観光の現状と改善点(P.97)
■第15章■ 会津市民が感じる観光の現状と改善点(P.105)
■第16章■ まとめ(P.112)
とりまとめや分析の作業では、観光分野のプロである共同オフィスのNPO法人素材広場の横田さんにだいぶ助けていただきました。事務所が一緒だと、いろいろと連携したり助けあったりできて便利ですね。
※ 最終章の「まとめ」の部分を下にコピペしておきます。ご興味のある方はご覧ください。
※ 報告書は県内の観光事業関係者に送られるほか、近々、県のHPでもダウンロードできるようになります。
■第16章■まとめ(1)リピーターを増やす工夫が観光振興のカギ 現在の日本全体における国内旅行は、団体旅行が減り、個人や少人数での旅行に完全にシフトしている傾向がある。そのため、現代の観光では、「リピーターづくり」がキーワードと言われている。
つまり、その土地や資源、宿などの「ファンを作る」という目線が大事になってくる。
本調査でも、最大のテーマとしていたのが、「リピーターづくり」である。
今回の調査により、会津に訪れる観光客は、第2章【1】のとおり首都圏が約42%でトップであるが、次いで隣県(新潟・宮城・山形県)が約34%、福島県内が約16%という数字になった。
それ以外の土地からは僅か7%ということからも分かるとおり、近隣地域からの観光客が多い会津という地域にとって、「何度も足を運んでもらえる観光地づくり」という方向性は重要と言える。
実際のリピーター率を見てみると、第2章【3】から分かるとおり、会津自体への訪問回数は、「はじめて」が約21%、「2〜3回」が約31%、「4〜5回」が約20%、「6回以上」が約11%、「10回以上」が15%であり、地域全体としては比較的リピーターが多い地域と言える。
しかし、第2章【4】から分かるとおり、調査地別の訪問回数では、「はじめて」が62%であり、それぞれの観光地や観光事業所においては、観光客にリピーターになってもらう工夫はまだまだ改善の余地があると見られる。
第2章【11】でも分かるとおり、現在、リピーターが多い観光地は、道の駅や湖水浴場など家族で行きやすい場所であったり、神社など何度も行く理由がはっきりしている場所であり、観光施設は弱いことが分かる。事業所ごとの改善ポイントとしては、次項でも触れるが、リピートして来たくなる「情報の出し方」が肝要であろう。
そして、リピーターを増やす最大のポイントとしては、カップルが多い20代にもっと会津に来てもらう工夫、その後家族になっても会津に来てもらえる工夫、一人旅で来てもらう工夫、子どもが巣立ってもまた会津にきてもらえる工夫が必要と言える。
つまり、顧客の「人生」と寄り添う観光の一体的提案である。ライフスタイルの中での一シーンに「会津」という場所をどう位置付けてもらうか、その一体的な仕掛けづくりを事業所それぞれと会津全体双方で考えることが肝要である。
例えば、今回の調査で分かったのは、会津が比較的弱いのは20代〜30代の観光客に対する訴求力である。また、一人旅は約5%、カップルは4%と少ない。
第2章【10】で分かるとおり、会津には、世代を超えて「温泉」「歴史」「自然」を目的に来る方が多い。例えば「温泉」であれば、20代のカップルがもっと増えてもいいはずであるし、「自然」や「歴史文化」の多様な会津は一人旅としても適しているが、現状ではそのような観光客が極端に少ない。
一方で、30代は子どもを「歴史」に触れさせたい、「自然」に触れさせたいというニーズが高いと見られるので、会津若松市内を中心としたの歴史スポットや猪苗代・磐梯・奥会津エリアの自然スポットなどを組み合わせた一体的提案を考え、誘客を伸ばすことも考えられる。
会津は、観光においてターゲット別の売り方をしたことがほとんどないエリアであると聞くので、新しい仕掛けをするのであれば「家族で会津」などのコンセプトも考えられる。
さらには、「男性一人旅向け会津プラン」「女性一人旅向け会津プラン」などの出し方も考えられる。
いずれにしても、「観光客」という大きな括りにせずに、カップルで楽しいこと、一人で楽しいこと、家族で楽しいこと、高齢になって楽しいことは違うはずであるので、それを深く考えながら、「リピーターづくり」を意識していくことが大事である。
(2)情報発信をいかに丁寧にするかが重要 本事業における中間報告会(会津観光サービスイノベーション研修会)の講師を務めていただいた潟Iブリージュ代表取締役の村橋克則氏(「関東じゃらん」「東海じゃらん」「じゃらんネット」などの総責任者を歴任)の言葉を借りるなら、観光産業における宿命は、「無形性」であると言う。
カタチなきものを売るため、「情報発信力」は言うまでもなく観光産業にとって重要なポイントになる。
第2章【1】のとおり、会津に訪れる観光客は、首都圏が42%、隣県(新潟・宮城・山形県)が34%、県内が16%で、それ以外の地域は7%ということが分かった。そのため、情報発信のアプローチは対象地域が比較的絞りやすいことになる。(それ以外の未開拓の地域を伸ばすという方法もあるが。)
ただし、「情報の伝え方」としては、観光施設・宿泊施設とも「ネットにのせた」「マップを作った」だけで情報発信していると思っているのは大きな間違いと言える。結果的に、自分たちが「言葉で」伝えていないから「わかりにくい」と言われてしまうことを考える必要がある。
第11章の「観光客が会津に来てがっかりしたことランキング」で分かるとおり、交通におけるクレームが圧倒的に大きいが、各観光事業所においても、車のお客様が来たら「会津は一方通行が多くて、看板も目立たないようにしているので専用マップをお渡ししています」というような言葉を添えてドライブマップ(駐車場の場所・駐車料金・一方通行の表記・目印の看板が分かりやすいもの)を渡すような工夫が大事である。(ただし、そのマップの制作自体は行政の仕事になるかもしれない。)
そして、その際に、例えば会津若松であれば、何故会津に一方通行やクランクが多いのかなどの話を、城下町の歴史と併せて伝えられるかが大事である。
インターネットでの情報発信は絶対的に必要であるが、ネットに情報を載せただけで満足せず、観光客との直接的なコミュニケーションの際にどういう言葉をかけるのかを丁寧に振り返り、一つ一つ工夫していくことが観光における本質的な意味での「情報発信力」の向上に繋がると言える。
また、今回の調査全体をみると「会津にはたくさんの見どころがあると思ってもらえていて、比較的20代〜70代まで幅広い層に来てもらえるエリア」だということが分かった。
しかし、アクセスと情報の一本化ができていないことで、観光客にとって「分かりにくいエリア」「まわりにくいエリア」になっている印象が強い。
観光客が求めている「道路情報」=一方通行の的確な案内・駐車場の料金・狭い道・渋滞個所・二次交通の時間・料金・工事情報と「観光情報の一本化」=店舗の閉店時間・休館日・観光スポット周辺の飲食店・トイレの場所・見どころなどの情報を整理する必要があるのではないかと考えられる。
情報がきちんと伝われば会津はもっといいところだった、という印象で帰ってもらえ、リピート率があがることが予想される。そのためには会津の観光施設の人々が同じ情報を持ち、同じ情報発信の仕方をすることが大事だといえる。
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