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イランと諸外国との実務的関係の進展を見守る重要性[2019年09月02日(Mon)]
9月1日のカタール外務省領事部の公式情報によると、イラン・イスラム共和国当局は、イランの空港到着時、カタール旅券所持者に観光査証発給を許可することを決定した。但し、混雑時には手続きの遅延も予想されるため、駐カタール・イラン大使館で、1回またはマルチの査証取得ができるようになっている。カタールとイラン間には、8月に入って週2回ブシェーリとハマド港を結ぶフェリーの運航も開始されている。イランの空域は、2017年6月5日のアラブ4か国のカタール封鎖措置以来、カタール航空の領空通過に便宜を与えている。イランは、米国の経済・金融制裁下、制裁への「抵抗」対策の一環として、諸外国との人の往来への便宜を強化し、近隣諸国ならびに米国とは立場が異なる中国、ロシア欧州等の外国人旅行者数の拡大に取り組んでいる。
https://www.presstv.com/Detail/2019/09/01/605060/Iran-visa-requirements-Qatar-nationals

(参考)イランによる査証事前取得免除ほかの便宜
ロシア人旅行者は空港到着時期間30日までの観光ビザ取得可能(7月14日)、中国人旅行者は、空港到着時観光ビザ取得可能(6月30日)、アゼルバイジャン人旅行者は、空港到着時観光ビザ取得可能。ローハニ大統領は、外国人旅行者については、将来の米国入国の際のリスクを避けるため、空港出入国印を強制的に押さないよう関係当局に指示を発出した。

(コメント)世界の金融を支配する米国のイランへの経済・金融制裁が大きな効果をあげていることは間違いない。しかし、実務的な動きをフォローすると、イランや近隣諸国、主要国との間で、制裁に抵抗する様々な動きが出ていることが看取される。貿易取引に加えて重要なのは、人の往来である。今回のカタール人への入国査証事前取得の免除は、最近では中国、ロシアに続くもので、イランが外国人旅行者の増加は、外貨取得の手段としても重要視していることが認識される。イランは、ペルシャ湾をはさんだ隣国UAEとは、トランプ政権発足から関係が悪化しており、ドバイには約40万人のイラン系住民がいるとみられるが、米国からの要請に応じたUAE当局による過去3年間のイランとの貿易・取引・金融の締め付けで約3万人がドバイを去ったといわれる。しかし、イラン・UAE間にも実務的な関係改善の兆しがうかがえる。8月初旬、ドバイのイラン・ビジネス評議会のアブドル・カーデル・ファギーヒ総裁はインタビューで、米国の制裁からの圧力にもかかわらず、UAEはイラン人に対するビジネスビザの処理とイラン人からのUAEの銀行口座申請に便宜を与える決定を下したと述べた。ファギーヒ総裁は、期限切れのイラン人に対するビザもUAE当局の裁量で延長できると述べた。ドバイは、イランとは長らくの通商・投資関係があり、2009年のドバイショックで、アブダビからの巨額の支援(この象徴的出来事として、ドバイの世界1の高層ビルの名称を、ハリーファ・アブダビ首長に敬意を表して、「ブルジュ・ハリーファ」と改名した)を受けたドバイのマクトゥーム首長家は、ドバイ・ショックから約10年を経過し、アブダビのナヒヤーン家に従うだけではないとの立場をイランとの関係改善を通じて、メッセージを発信し始めている。

Posted by 八木 at 11:00 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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