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トルコによるロシア製対空防衛システムS-400導入開始と米・トルコ間の摩擦拡大[2019年07月11日(Thu)]
トルコによるロシア製対空防衛システムS-400調達問題は、過去数年の米・トルコ間の最大懸案のひとつであるが、米国からのシステム調達撤回を求める要請に対して、トルコ側は、「既に決着した取引」として突っぱね、7月10日には、S-400の装備の一部が、ロシアからトルコに空輸されたことが確認された。これに対して、米国政府は、トルコも製造の一部に関与し部品も供給しているF-35戦闘機100機の供給停止F-35の戦闘プログラムからのトルコの排除を表明し、その立場にはいささかも変更がない旨強調した。さらにトルコは、主にロシアやイランを念頭においた「敵対者に対する制裁措置法(Countering America’s Adversaries Through Sanctions Act:CAATSA)」同法セクション231の「重大な取引」とみなされ、経済制裁を受ける可能性がある。
因みに、ロシアの対空防空システムについては、性能が一段落ちるS-300は既にイランに供与されており、シリアのアサド政権もS-300の供与を受け、実戦用に配備している。高性能のS-400は既に中国に売却され、米国は、昨年9月中国のロシア製S-400及びスホイ35購入により中国に対して制裁措置法に基づき制裁を発動したが、軍事協力を強化しているインドやNATOメンバーであるトルコがS-400を調達することに対して強い懸念を有し、これら諸国が購入を思い止まるよう、制裁の可能性もちらつかせ、説得に努めてきた。これに対して、シリア問題や経済関係でロシアとの関係を発展させているトルコは翻意する姿勢を示さず、インドについても、ロシアが上海条約機構加盟を支持したこと等政治・経済両面で関係を強化しており、特に国防については、第三国の指示を受けないとの立場を明らかにしている。
1. ロシア・ペシュコフ大統領府報道官(7月10日):
●トルコへのロシアのS-400対空防衛システムの引き渡しは計画通りに行われている。
2.米国防総省ケイティ・ホィールバーガー次官補代理(7月10日国防総省サイト):
●トルコがロシアのS-400対空防衛システムの引き渡しを受けるならば、国防総省はトルコをF-35の共同戦闘プログラムから除外する。NATO諸国とF-35の開発に参加したパートナー国はすべて、トルコがロシア製システム導入に反対している。
https://www.defense.gov/explore/story/Article/1901219/turkey-must-drop-russian-s-400-to-stay-in-f-35-program-dod-official-says/
3.米国務省オルタガス報道官(7月9日)
●トルコのS-400調達問題に関連した米国の立ち位置に変化はない。トルコ当局が承知している通り、CAATSAに関連する法案が可決されており、トルコがS-400を受け入れれば、トルコは真に否定的な結果に直面するだろう。その結果とはF-35プログラムへの参加(拒否)を含む。国務長官の立場は一貫している。
4.トルコ外務省スポークスマン(7月10日)
●7月9日の米国務省オルタガス報道官によるによるコメントは先月のG20サミットでの両国大統領の会談の精神と内容に一致しておらず、二国間関係に害を及ぼす一方的な措置を避けるよう求める。

Posted by 八木 at 10:02 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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