著名なサウジ人ジャーナリストであるカショーギ氏殺害の報道[2018年10月07日(Sun)]
10月6日から7日午前にかけて、トルコ各紙ならびにアルジャジーラやミドル・イースト・アイ等の中東のメディアさらにワシントン・ポストやCNNをはじめとする国際メディアは一斉に、トルコの警察当局筋からの情報を引用して、10月2日(火)午後1時にトルコ人女性との婚姻届けの手続きのために、イスタンブールのサウジ総領事館内に入ったあと行方不明になった著名なサウジ人ジャーナリストであるジャマール・カショーギ氏(59歳)が総領事館内で殺害されたのではないかとの見方をとっていると報じている。トルコの警察筋は、15名のサウジ人が「カ」氏の総領事館訪問の前日、2機の航空機でイスタンブールに到着し、「カ」氏の総領事館訪問時、現場にいたが、その日のうちに立ち去ったことを明らかにしている。「カ」氏は先週総領事館を訪問していたが、10月2日(火)に再訪するよう告げられていたとのことである。「カ」氏の元サウジ人妻との離婚の証明がトルコ人妻との結婚に際して、トルコ当局に提出する必要があり、その証明取得が目的であったとのこと。「カ」は、総領事館訪問に先立ち、フィアンセにもし自分が戻らないようなことがあれば、トルコの当局に通報するよう伝えていたとのことである。在イスタンブールのサウジ総領事館は、この報道を否定し、メディア関係者を招いて、カッショーギ氏が館内にいないことを納得させようとしたとのこと。今週前半に米国ブルームバーグのインタビューを受けたサウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン(通称MbS)皇太子は、「カ」氏の失踪に関し、何も隠すことはなくトルコ当局は望めば領事館内を捜索できると述べ、「カ」氏は館内に入ってまもなく立ち去ったとの見方を表明していた。「カ」氏は、昨年来、本国を離れ米国に身を寄せ、ワシントン・ポスト紙のコラムニストも務めていた。「カ」氏は、サウジ系のアル・アラブとワタンの元編集長であり、トルキー・アル=ファイサル王子が駐英、駐米大使の在任中メディア顧問を歴任した人物であり、従来サウジ王家の信頼が厚かったが、サウジがMbS体制になってから、その政策に批判的であった。特にカタールとの断交や、最近のカナダとの関係悪化、サウジ人女性活動家の拘束や昨年からの王族や体制批判的な関係者の拘束に批判的な意見を発信していた。ミドル・イースト・アイ(下記URL)によれば、「カ」氏は、は1987年から1995年の間に、アフガニスタンを含む旅行でソビエト占領との戦いについて執筆するとともに、オサマ・ビン・ラーディンにもインタビューし、 1990年代初頭、ビン・ラーディンをサウジ王家と和解させようとしたが、アルカーイダの指導者は拒否したとのこと。
https://www.middleeasteye.net/news/turkish-police-suspect-saudi-journalist-khashoggi-was-killed-consulate-report-1250529206
トルコ政府は、失踪の翌日の3日夜カリン大統領府報道官が、「カ」氏は依然総領事館の中にいるようであるとの異例のコメントを行った。トルコ外務省は、5日在アンカラ・サウジ大使の来訪を求め、この件で説明を求めたとのこと。トルコ政府にすれば、もし、この報道が真実で、トルコ国内で、しかも外国公館内で殺人事件が起きたとすれば、到底受け入れられる事態ではない。最近のトルコ・サウジ関係は、サウジを含むアラブ4国がカタールと断交した際、トルコはいち早く軍隊をカタールに派遣する等利害の対立が続いており、この件が双方の関係悪化を煽り立てる可能性もあり、まず第一に徹底した真実究明が求められる。
https://www.middleeasteye.net/news/turkish-police-suspect-saudi-journalist-khashoggi-was-killed-consulate-report-1250529206
トルコ政府は、失踪の翌日の3日夜カリン大統領府報道官が、「カ」氏は依然総領事館の中にいるようであるとの異例のコメントを行った。トルコ外務省は、5日在アンカラ・サウジ大使の来訪を求め、この件で説明を求めたとのこと。トルコ政府にすれば、もし、この報道が真実で、トルコ国内で、しかも外国公館内で殺人事件が起きたとすれば、到底受け入れられる事態ではない。最近のトルコ・サウジ関係は、サウジを含むアラブ4国がカタールと断交した際、トルコはいち早く軍隊をカタールに派遣する等利害の対立が続いており、この件が双方の関係悪化を煽り立てる可能性もあり、まず第一に徹底した真実究明が求められる。
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Posted by 八木 at 13:03 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)