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2006年05月24日

5冊目「社会起業家」町田 洋次著(PHP新書)

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今週の課題図書は、企業の社会的責任と利益追求の姿勢に
漠然と矛盾を感じているみなさんに読んでいただきたい本です。

これまでの授業で、みなさんと対話を重ねて、
儲けよりも社会性を重視している発言が多いことに
気づきました。そして少し嬉しくなり安心いたしました。

これからは、社会起業家が活躍すると考えていたからです。

とはいえ、公益を求める心と、利益や効率を求める心は
矛盾するわけではありません。

民間企業は、夢と志=経営理念を、公益法人に学び、
公益法人は、マーケティングや効率経営を、民間企業に学ぶことに
なっていくでしょう。


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社会起業家
―「よい社会」をつくる人たち


町田 洋次 (著) PHP新書

¥693 (税込) ISBN: 4569613608




「社会起業家」とは、「医療、福祉、教育、環境、文化などの
社会サービスを事業として行う人たち」である。社会的使命を
もった事業を起業したり、既存の組織に属しながら行き詰まっ
た社会的事業を活性化したり、また、非営利組織をプロとして
運営するなど、その活動スタイルは様々である。

 このような人たちの存在は、90年代後半にまずイギリスで紹
介された。マクロ公共政策と手厚い社会保障を柱とする従来型
福祉国家に替わって、自立型福祉システムを構築し、社会を活
性化する存在として注目されたのである。

 いま日本でも、単なるボランティアや経済的利益だけを追求
する起業家とは違う「社会起業家」が現れはじめた。荒廃した
コミュニティの再生、高齢者介護の新サービスなど、自らの事
業に対する使命感、卓抜した創造力、そして強力なリーダーシ
ップを発揮して「よい社会」を目指す彼らの活動を通して、21
世紀を担う新しい生き方・働き方を提案する。


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 課題図書「社会起業家」

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それでは、みなさんの書評を
心待ちにいたしております!

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 ■当講義における「書評の心得」5か条

  1 誰が書いても同じ概要・要約のコピーペーストは不要です!
  2 ご自身の心に一番響いた突き刺さった言葉を抜き出して書く!
  3 その言葉を受けて、自分が今日から挑戦することを書く!
  4 書評を読んだ人が、思わず自分も読みたくなるように書く!
  5 書評を読んだ著者が感激して、皆さんに会いたくなるように書く!
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久米 信行@久米繊維謹製
講義ブログ&社長ブログ
この記事へのコメント
書評(その2)
 A都23区で、廃プラスチックの焼却に反対(ダイオキシン等有害物質が発生する虞があるため)する市民運動に参加している。同運動では、反対論が主で焼却しないための対案(廃プラの排出削減、分別、再利用)活動が弱い。化学の専門知識のある人材が不足していることも一因となっている。また、廃プラ減量は社会にとって有益なことだが、再利用の市場が成立しなければそれ自体ですぐ事業収益に結び付くことは難しい(ごみ焼却費の減少には貢献するが)。この点、不登校児の教育のように、事業対価の支払いの見込みがある教育や福祉分野と違って、環境分野での社会起業化は難しい点がある。
 B団塊の世代の退職がはじまり、企業以外に社会に帰属する場をつくり、これら有意な経験を有する人材集団の社会的活用が求められている。仕事で関東の市民農園の調査を行なったが、練馬区で10年来の農園が廃園する段になって初めて農園利用者がお別れ会を開催し、「こんな豊かな経験・知識を有する人々が集っていたのか、もっと前に気付いていれば」との例があった。一方、千葉県の大山千枚田()では、非効率な天水田の棚田が都会の人からみればちょうどよい大きさの「my田んぼ」として田んぼのオーナー制度を始め、栽培・収穫体験や各種田舎体験を実施している(中には久米先生が喜ぶ綿の栽培、染め物体験も実施)。
これら社会の構成員を「原子」としてではなく、「機能性高分子」化する社会起業活動が求められている。
 著書に対する注文として、2000年第1刷以降の社会起業の動きや著者の活動を加筆してもらいたいと思った。
Posted by 二部商学部 白石裕隆 at 2006年07月17日 23:24
書評(その1)
 著者は、長銀総合研究所取締役を経て、ソフト化経済センター理事長を務め、社会起業家クラブ(http://yymachida.ameblo.jp/)を運営している。社会起業家とは、社会の潜在資源(人、組織、それらの繋がり)を活かして、社会の潜在ニーズ(不登校児のための学校のみならず、その親の生涯学習の場を提供するなど)に応えるあらゆる可能性を探り、社会条件(規制、慣習等)を既定条件とせず、自ら(の組織、または他との連携)のイニシアチブで社会変革の継続的な事業を起こす事業家のことである。この定義において、一定の範囲に組織・活動が止まり、社会条件を既定とするボランティアとは一線を画する。本書では、イギリス、アメリカ、明治期・現在の日本での社会起業家の実例を挙げ、その特徴、事業成功の条件を探っている。
 私のNPO活動等に接した経験・考えていることとして、次の3つが本書で述べていることと関連すると思われるので述べてみたい。
 @フェアトレードで、開発途上国作成のタスペトリーが2万円で売られていたことがあった。日本でもこのクラスの商品でこんな値段がするものなのかと疑問に思ったことがある。製造原価・輸送コストが幾らで価格のうちいくらが生産国の生産者の手に渡るのか、説明責任(accountability)が、社会起業家にも問われている。
Posted by 二部商学部 白石裕隆 at 2006年07月17日 23:23
私は昨年社会企業家について、教養ゼミで学び、ある程度の知識を持ち、
私も社会に貢献できる企業家になりたいと思っています。

この「社会企業家」を読み、改めて社会企業家を目指したい!!と思いました。
私は特に、福祉や教育などに興味があり、モーソン牧師が荒廃した地域の事例、
老人向け緊急通報サービスを考え出した大村さんの事例、在宅学習で
インターネットを使って学習させる方法を取った日野さん、
チャータースクールの設立を目指した佐々木さんの事例に、深く興味を持ちました。

どの事例もはじめは少人数、小資金、小地域からさまざまなネットワークを
広げ規模を拡大し、成功をおさめています。

成功の鍵は、情熱がとても必要だと思います。

社会企業家としてのスタイルは、国や本人によりさまざまですが、
行動力や豊かな発想力、そして信頼が必要だと思いました。

これから各分野で活躍する社会企業家同士が手を組み、新たなサービスを
考えていくことで、より多くアイデアが生まれ生かし、より良い社会が
作り出せて行けるのではないかと思います。

私もその一員になれればと考えております。

ぜひたくさんの方々に読んでいただき、皆さんが協力し合いよい社会を
作って行きたいと思います。
Posted by 商学部3年27組1番 秋元一男 at 2006年06月30日 16:15
今までの本と違い、少し読むのに時間がかかってしまいました。
海外の事例が沢山出ていましたが、病院や学校、都市を再生する事例は特に興味を持ちました。中でも個人的には都市を再生した事例が興味深かったです。政府からも支えられている大都市とは違い、援助を受けられない状態にありながらも、知恵と工夫と意欲、そして何よりコミュニケーションと協力で実現できるものなのだと感動しました。
日本の地方都市も、最近は合併などをして再建を進めているようには見えますが、実際は課題が多く厳しいものであると思います。地域と一体化したコミュニティなどが、その程度進んでいるのか疑問です。
私自身、将来的に事例のように再建のためにかかわりたいと考えています。
知恵と工夫とコミュニケーションを改めて持たなければと思いました。
Posted by 商学部3年布施 at 2006年06月15日 00:14
 社会起業家は、素晴らしいものだと感激させられた本でした。今まで社会起業家という存在を知りませんでした。一番最初に本を手にとってイメージしたものは、地味な感じがするといったものでした。しかし、いざ本の中身を読み進めていくと、だんだんと社会起業家に興味を持つようになり、最後には、社会起業家になりたいとまで思うようになりました。
 理由は、二つあります。一つ目は、困っている人々に感謝されるような起業家になりたいという私の考えとマッチしたためです。二つ目は、これからの日本の社会をより良い社会にしていくためには、素晴らしいアイディアをもった社会起業家が必要だと思ったので、社会起業家になって日本の社会をより良くするために貢献していきたいと思ったからです。
 一番心に響いた言葉ではないのですが、一番印象に残った人は、木村弘道さんです。これからの高齢化社会では、彼の考えた緊急通報サービスこそ人々が必要とし、頼りにするサービスであり、人々から感謝されるサービスです。このサービスからは、本当に人々の暮らしを良くしようといった考えが見えてきます。そんな考えを持ち、実行していける木村さんのような人になりたいと思いました。
Posted by 明大商学部3年20組5番遠藤正人 at 2006年06月07日 22:54
『社会起業家がボランティアリーダーと最も違うのはやることを狭く絞り込まずにどんどん拡大し、それを実現するために関係者のネットワークをつくっていくことである』
私は、この本を読む以前は社会起業家とはボランティアグループやNPOが利益を追求するビジネスを立ち上げるものと考えていたが、読み進めていき、登場する社会起業家の面々は明らかにタフなベンチャースピリッツを持たれているように感じた。

現在の各企業は「CSR」を経営戦略と考えるようになりつつあるが、社会起業家の経営戦略はすでにCSRが軸になっており、今後ますます彼らのような精神の持ち主が求められてゆくことは間違いないと感じた。
Posted by 商学部 4年沢田栄太 at 2006年06月06日 22:46
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