民主主義が自殺するとき
100年にも満たない時代に起きた事象を、我々は歴史から学ばなければならない。ドイツ人が書いたドイツの現代史を読むことであると思う。
ドイツ共産党と社民党の連携ができていればナチスの勃興を抑えることが できたかもしれないのであった。
ナチスは選挙に勝ち、議席数を延ばし合法的に 権力の座を固めたのである。民主主義が自殺した時である。
国会議事堂放火事件により、(共産党員が放火したということで、) 共産党員を1万人以上逮捕し、 “国民と国家の苦難を除去するための法律””国会炎上緊急令” 全権委任法によりヒットラーが 合法的に独裁権を得たのであった。
ナチスに警察を乗っ取られたプロイセン警察は共産党員に限らず、左翼系 知識人まで拘束していった。
そしてベルリン警視庁IT課が国家秘密警察局(ゲシュタボ)となって 左翼系知識人やユダヤ人を拘束していったのである。
国民の基本的人権を守る職務法14条が適用されないという事態の中で 共産党狩りとユダヤ人狩りが行われた。
民主主義が権力を制御することもあるが、独裁を生むこともある。 民主主義を自殺させてはならないが、我々は危うい世界に常にいる ことを自覚していなければならない。
<追記> ナチスの組織に積極的に参加したのは、ドイツのプロイセン州の ユンカー(土地貴族層―騎士団の子孫)が多かったという。(ビスマルクもユンカー出身)
ドイツのエリートを 生んでいたユンカー階層が多かった理由はこの本からはわからない。
小生にとっても、その理由を知りたいところである。