読書のすすめ ドイツ帝国の興亡。セバスティアン・ハフナー
ビスマルクからヒットラーへ。
ドイツに関しては、かつては日本の同盟国であり、優秀な民族である。ドイツの歴史を日本の我々は学ぶ必要があるのではなかろうか。読書を薦める所以である。
ドイツ帝国は1871年に成立しているが、(北ドイツ連邦の時代を加えると 1867年となる)、1945年第二次世界大戦の終結によりドイツ帝国は滅びた。
その年月は74年年間と人の一生と同じくらい短い。国家の生存期間としては たいへん短い期間である。
その間に3回戦争をし、2回の(第一次、と第二次)世界大戦を行っている。 1864年の対デンマーク戦争、1866年対オーストリア戦争、1970年―71年 対フランス戦争である。
特に、フランスとは、1870年普仏戦争、1914年第一次世界大戦、1939年 第二次世界大戦と3度戦争をしている。
しかし、2015年の現在では、 ドイツとフランスは手を結び、EUを作り上げヨッロッパをリードする 重要な2国となっている。
一方、大日本帝国は1867年の大政奉還から1945年の第二次世界大戦で敗北する まで78年間という短い間の生存期間であった。
その間に6回戦争をしている。 1894年日清戦争、1904年日露戦争、1918年シベリア出兵(ソビエトと戦争)、 1931年満州事変(中国と戦争) 1914年第一次世界大戦、1941年第二次世界大戦という戦争をこの短い期間に 行っている。
ドイツがと日本は帝国という時代が短かったということ、大きな戦争を5-6回 していること 第二次世界大戦で同じく敗北していることなど類似点が多い。
現代における違いは、ドイツは近隣諸国と友好関係にあり,EUを設立し、 その中心となりアメリカの影響力から脱して独自の独立国となっていること。
一方、日本は、周辺諸国(韓国、中国等)と友好関係を結べず、むしろ敵対する 方向になっていること。アメリカの支配に従属する方向がますます強まっている ことがあげられる。
何故、二つの国の生き方が大きく異なっているのか、という観点から、 ドイツがドイツ帝国の時代からどのようなことをしてきているのかを見てみる 必要があるのではないかという素朴な観点から“ドイツ帝国の興亡” を読んでみることにした。
ドイツの小公国やプロイセンなどを統合し国家連合を構築しドイツの基礎を 固めたのが、ビスマルクであり、ビスマルクはプロイセンのユンカー (土地貴族層)の出身である。そのプロイセンがドイツの中核になって発展した。
第一次世界大戦の敗北により、莫大な賠償金の支払いを課せられたドイツは、 賠償金の支払い免除を取り付けるために、国内の窮乏化政策をとった。
そして窮乏化した民衆は、ナチス支持となり、ナチスが台頭して、左翼を打倒し、 徹底した反対派の選挙妨害を行うことにより選挙で多数を得て、ヒットラーが 政権を握った。
そしてヒットラーは全権委任法という4年間の独裁的全権を獲得しその後それを そのまま延長して、独裁者となり、第二次世界大戦を引き起こし敗北した。