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症状という現象について M・ハイディガーの存在と時間より [2016年11月26日(Sat)]
症状という現象について
M・ハイディガーの存在と時間より

<症状>とは?
福祉・医療・介護の現場では、“症状”という言葉を普通に使っているが、 症状という言葉が持つ意味、そして、症状という現象はどういうもの であろうか。
ドイツが生んだ哲学者、マルティン・ハイディガーが“存在と時間” の中でこの症状について触れているので引用しよう。
以下引用
“症状”といわれるような言い方にみられるものである。 それが指ししめしているのは、身体上のある所見で、 これ自身はおのれを示す現象ではあるけれども、 この現示において現象するものとして、それは同時に、 おのれを示さないある事情の“徴候”となるものである。
すなわち、このような症状の出現、それの現示は、 それ自身を現示しないある種の故障の存在ともなっている。

してみれば、このように“あるものごとの”(現象)という意味での(現象)は、 そのものがおのれを示さないこと、かえって、おのれを示すものを介して、 おのれを示さないものが通示されること、をいうのである。

<現象>とは?
<現象>とは、“おのれを示さないこと”である。けれども、 この<ない>は、決して、仮象の構造を規定している欠如的な<ない>と 混同されてはならない。
<現象するもの>のようなありさまでおのれを示さないものは、 仮象的に見かけられるということも決してあり得ないのである。
  指示”“叙示”“徴候”“象徴”などは、それぞれの間で なお差別があるけれども、すべていまあげた<現象>という形式的な 根本的構造を備えている。

<現象>は現象という意味でおのれを示すものではなく、 両者は本質的に異なるけれども、それにしても<現象> はあるものが おのれを示すことにもとずいてのみ可能である。
しかし<現象>の可能性の一条件たる自示は、その<現象>そのものではない。 <現象>はおのれを示すものを介してほかのあるものがおのれを 通示することである。引用終

存在と時間 上巻 p59−60

ハイディガー ドイツ人、(1889年9月――1976年5月) ドイツ・フライブルグ大学総長
ドイツの哲学者、第二次世界大戦中はナチスドイツに関与。
パルメニデス、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、 ベルグソン、と並ぶ、20世紀の偉大な哲学者である。

ハイディガーの哲学とは?
“存在者と存在一般を区別したうえで、存在の意味について問い ー存在者が存在する意味はどういうことなのか?− を明らかにしようとした。”
Posted by ゆう東洋医学研究所 at 14:34 | 読書のすすめ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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