仕事の入り口 [2011年05月27日(Fri)]
今日の「Schale」には初々しいお客様。 支援学校3年生の男子生徒さんです。 中学2年までは通常学級に在籍されていたとのことで、知的には境界線くらいの穏やかな印象の方でした。
一目で“良い子だな〜”って。 何より笑顔が素敵です。 お母様のお話ですと、体調も含めて波があるとのことでしたが、今は安定期だったのかしら… Schaleの中を案内して、居合わせたメンバーさんやスタッフにも自己紹介をしてくれて、気に入ってくれたようです。 今は高機能・アスペルガーの方が圧倒的に多い事業所ですが、こうした中・重度の自閉症の方でも、これまでの実習とは少し違うプログラムを通して、ジョブマッチングの可能性を見つけ、社会への参加の仕方を豊かなものとしたいと願っています。
支援学校進路の先生方とも連携して、「働く」、それもその子らしい働き方の実現のために、精一杯お手伝いさせていただきたいと思っています。
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サポートネット
at 18:16
「働く」条件 [2011年05月26日(Thu)]
震災の日3.11に「Schale」は偶然にも二つの新聞社が記事で紹介をしてくださっていました。 “さぁ、これで広く知っていただけるぞ” と期待をしていた矢先の大地震で、やっと引かれたご本人たちのスタートラインも消えてしまったのか、なかなか利用者さんが増えずに苦戦を強いられています。 この震災での一番の打撃は「出口」である就労先の雇用情勢が一変したことでしょうか。 幸いにも「2年」という期限を与えていただいているので、利用者さんや予備軍の心の落ち着きを待ちながら、スタッフは「利用者さんの少ないうちにしっかりと準備」を合言葉に日々の運営をしていました。
間もなく震災から3か月。 人々の生活も少しずつ落ち着きを取り戻しているということでしょうか。 今日は偶然にもお二人の方から 「以前新聞を拝見していました」 とご連絡をいただきました。 ご本人やご家族も少しずつ動き出そうとされているのですね。
改めて「Schale」が目指す「働く応援」を確認してみます。 先日大阪から来て下さった中山清司先生は以下のようにまとめてくださいました。 ※地域生活/就労に求められるスキル・態度とは? ハードスキルよりもソフトスキル - 職業行動:スタミナ、指導の受け入れ、適度な作業速度・・・ - 対人行動:適切な対人交流、他者スペースへの配慮・・・ - 機能的コミュニケーション:援助の要請、感情の言語化・・・ - 自立機能・余暇:約束の時間を守る、自由時間の利用・・・ 地域に根ざした指導 - まず、「Schale」の構造化の中で教え、その構造化がどれくらい機能するかをみるために地域の環境に移して教える。また、スキルを改良するために「Schale」に戻ることもある(back and forth approach) - 目標は、地域でできるだけ自立してそのスキルを発揮できること
※自閉症スペクトラムの人々に適した職場環境(4つの条件) 本人にとってその仕事内容が予測しやすく、各業務を明確にすることができるかどうか その仕事が本人のニーズに合わせて構造化することができるかどうか 雇用主や同僚がプログラムを受け入れることに抵抗がなく、自閉症スペクトラムをもつ人の働きやすい環境づくりに積極的であるかどうか 本人の強み(長所)を活用できる職場環境であるかどうか マイケル・チャップマン「自閉症スペクトラムの人たちへの援助付き雇用」 (『自閉症ガイドブック−別冊海外の自閉症支援』より)
※発達障害の人に適した職場 静かな環境、落ち着いた環境 予測可能であること、定形業務があること 個別の事情に合わせられる柔軟性 – 職場環境、勤務時間、業務内容、支援ツール・・・ – 支援者(機関)との連携、本人のカウンセリング・・・ キーパーソンがいること、適度に休憩ができること 自分の興味関心や得意な知識・スキルをいかせられること <事例> - パソコン関係、事務仕事、印刷、ポスティング - 倉庫、陳列棚の整理 - 研究職 - 流れ作業などのライン仕事、製造業 - 調理関係、清掃作業 など
最後に まとめとして以下のように提示してくださいました。 自立と社会参加 - 周囲に依存させるのではなく→自立して活動できること - 孤立した環境に留めるのではなく→参加を広げること トップダウンの発想 - 卒業後の地域生活を想定して - 今、何をすべきか、優先順位を見直すこと ロングライフサポートであること - 支援は長期にわたること - 自己理解を深めることで、自らが主体的になれる - 家族をはじめ周囲の理解と協力が不可欠
予想外の震災で少し足踏みをしてしまった「Schale」ですが、中山先生も、ずっと応援してくださっている札幌の加藤先生も、そしてこれから新たにお世話になるであろうTEACCHアプローチの先生方とも特に 「トップダウン」 「個別」 という二つの『共通言語』を大切に、諦めることなくご本人の未来をご家族にも理解していただきながら叶えていきたいと願っています。 明日は、支援学校のお子さんが先生とお母様と見学にいらっしゃいます。 6月の半ばには、この方と違う支援学校から職場実習を受け入れさせていただくことになりました。 サポートネットが目指す「就労移行」が、少しずつ広がってきています。 スタッフと力を合わせて何とかこの経済的な危機状態を耐え凌ぎ、「成人期に幸せなご本人とご家族」がたくさん巣立っていくことを叶えたいと思っています。
今在宅で悶々とした日々を過ごしておられる方には、まずはSchaleの「ようこその玄関」までたどり着いていただけるよう願っています。
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サポートネット
at 19:51
家族のライフサイクル [2011年05月24日(Tue)]
昨年の「メンター養成講座」でお世話になった志賀利一先生がまとめてくださった「家族のライフサイクル」が、カイパパさんのブログで改めてご紹介され、話題になっています。
4歳で自閉症と判定された息子も来月には16歳になります。 もう12年になるのです。 カイパパさんも、他の保護者の方も、もちろん私もみんな同じ。 こどもの将来像を思い描くことが出来ずに、日々眼の前にいるこどものことしから解らなくて… そんな時に、多くの実践を基に 『この先こんな育ちをしますよ』 と、示して下さる志賀先生の文書はたくさんの安心と希望を抱かせてくださるものです。
志賀先生の水先案内は50歳代まで続きます。 16歳になった息子は、初めて支援学校というステージに進みました。 どこかで予測や覚悟のようなものをしていたつもりなのに、入学説明会以来、ずっと私の心は穏やかではありませんでした。 知的障害を合併するタイプのこどものどこか「現実」が辛くもありました。
でもね 何かスッキリしました。 本気になってこの先の「家族のライフサイクル」を見据えていきたいと思います。 現実も受け止めながら少しジタバタさせていただいて、「良かったね」って言える未来を叶えたいと思います。
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サポートネット
at 21:23
「あの時」を振り返る [2011年05月23日(Mon)]
JDD-NETから2度にわたって派遣された専門家の先生方が「報告」をしてくださっています。 一陣はまだ未完成ですが、二陣の先生方と報告はとても丁寧にまとめられています。 岩手と宮城での地域事情の違いも含めて3.11に何が起きて、どんなニーズがあって… これから何をしたら良いのかを「振り返る」ことで整理する日々です。 まだまだお手伝いできることはたくさんあるのだと思っています。 今だから頼ろうと出来ることもあるかもしれません。 遠慮なくご連絡くださいね。
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サポートネット
at 20:26
Yes,and [2011年05月21日(Sat)]
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サポートネット
at 17:53