カラオケの選曲から感じたこと [2018年05月20日(Sun)]
プリズムでは、利用者の中高生が集まってゲームをしたり、カラオケをしたり、ごはんを食べに行ったりする「サークル」という活動があります。
先日のサークルはカラオケでした。 サークルを始めて3年目。 かつてはカラオケで何を歌おう・・・と悩んでいたメンバーも 「今日はこれを歌おう!!」と決めている様子が見られます。 中でも、高校生になったエスタさんの選曲にびっくりしました。 ほぼ英語。しかもしっかり歌えている!! これは練習したに違いありません!!かっこよかった!! そして、披露してくれたことが、なんだかうれしくなりました。 エスタさん、学校で英語をしっかり学んだことはないはず・・・耳がいいんだなぁ。。 ローマ字も去年の4月時点で獲得していなかったことが分かったので、好きなスポーツ選手をローマ字で書くという取り組みを始めました。 取り組みを始める際、覚えることができるのかと不安そうでしたが、一緒に記憶力の良さを確認し、やり方や1日の学習量を決めると、真面目なエスタ君は毎日練習をしました。 エスタさん、かなり早い段階で 「自分は特別支援の中では優等生。でも一般にいったら、かなり厳しい」 という事を自覚していましたし、中1になったときにプリズムを利用すると決めた際 「きっと、エスタさんは特別支援ではきっと困ることは何もない。だからこそ、プリズムでは普通級の子たちばかりのグループに在籍しませんか?」 とお誘いしました。 何故なら、支援級在籍の子たちのグループは、積極的だったり、提案に沿って活動したりするのですが、普通級の中学生は必ずしもそんなことはありません。 反抗期真っ盛りの子たちはとてもクールです。 基本無表情。返事が無いのはOK。イヤな時は「は?」「無理」と一言で返してきます。 エスタさんが、はじめてそのグループに在籍したときは 「なんか雰囲気が・・・・(汗)」 とも話していたのですが 「これが、普通級の中学生の一般だよ。でも、トラブルないでしょ。ここのメンバーは超クールだけど、お互いに非難しないし、口出しもない。安全な関係ができていると思います。この空気は学校にも放デイにもないと思うんだ。もし、もっと元気のいいグループに在籍したいと思ったら、特別支援学級メンバーが多いグループはあるからね」 と伝えたところ 「ここにいたい」と。 先日、自閉症スペクトラムについての話を個別でしていたときにも まほろ「ねぇ、サークルには自閉症スペクトラムの人どのくらいいると思う?」 エスタ「俺だけ。みんなちゃんとしてるから。あのメンバーに自閉症はいないと思う」 まほろ「みんなちゃんとしてるよね。実はほとんどみんな自閉症スペクトラムだよ。」 エスタ「えっ?!?!」 まほろ「エスタさんのイメージは、自閉症と知的障害が両方ある人のイメージだね。自閉症スペクトラムと知的障害は違うし、サークルのメンバーはみんな穏やかで自分らしく生きているから立派に見えるよね」 エスタ「自閉症って、ぜんぜんわからないんだ・・・・へぇ・・・・」 まほろ「エスタさんも、他の人から見れば全然わからないと思うよ」 プリズムの活動の中で、障害について触れることはほとんどありません。 障害告知が全員終わっていて、その話をしたいグループのみ、話題になることがありますが、プリズムには発達障害の診断のある人も、ない人もきているため、障害の話にはなりません。 それはエスタさんにも伝えていますが、ここまで「他の人に障害はない」と思って通っていたのか!ということも、その時に知りました。 エスタさんは、きっといろいろな思いを持ってプリズムに通っているのだと思います。 かつてはアニメの主題歌を多く歌っていたのですが、学年を重ねるごとに、最新ランキング曲や英語の曲に移行していく姿から、なりたい自分に進んでいる頼もしい姿が見えました。 選曲から、いろいろな思いが込み上げてきました。 まほろ |
Posted by
サポートネット
at 10:27