■松下政経塾・古山和宏塾頭の慰労会へ
私が人生や政治を教えて頂いた松下政経塾の古山和宏塾頭が、この3月をもってご退任されます。私は26期生ですが、古山塾頭は「3期生」として、政経塾がまだ今ほど世に知られていない頃から活動され、塾へ戻られて14年間もお勤めされました。
「塾頭」というのは、学校で言えば校長のような存在です。しかし、実際は日々の早朝研修や剣道、論語など、塾のマネジメントだけでなく塾生の実際の指導にも様々な場で直接かかわる事が多く、私も在塾期間中を通して、大変お世話になりました。
地元千葉県からは1期生の野田佳彦前総理はじめ、2期生の長浜博行先輩、他にも多くの超党派の国会や地方の議員の先輩後輩が次々と当時のエピソードを披露され、和やかながらも非常に一体感のある会となりました。
■塾を出るにあたって
塾頭は「自分の次の事を考えながら塾生の指導には当たれない」とし、4月以降の予定は「空白」とのこと。ある先輩が「政経塾ができた当時は(就職に躍起になる若者とは対象的に)進路など考えずに卒塾していく塾生が多かったが、今年の卒塾生も全員が進路未定と聞いて、変わらないなあと安心した!」と話されて会場が笑いに包まれましたが、更に塾頭も次の‘進路’をお決めになっていないと聞き、笑いの後に、目先の打算で動かない塾生の本質を感じて尊敬の念を抱いた者が多かったのではないでしょうか。
私は塾を出てから塾時代には気付かなかった事に気付く事が多々ありました。塾に時々戻って塾生と話したり、研修プログラムに参加したりする事であの雰囲気や「忘れてはいけないもの」を今の立場で強く意識するためです。
そんな中、塾の‘研修’を一番身をもって体現されたのが他ならぬ塾頭だったのではないかと思います。
個性的な塾生を育て、見守って下さった古山和宏塾頭。現在57歳ですが、全国を歩いて精緻な地図を作った郷土の偉人・伊能忠敬が歩き始めたのが57歳かららしいですから、塾頭の変わらぬ後ろ姿を見ていると、まだまだ現役引退という言葉は早いなあと、次のご活躍に今から期待してしまいました。※写真は、いわゆる‘古山時代’にお世話になった周辺期のOBたちです。