CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«地方×国政策研究会in衆議院会館へ | Main | 建設経済常任委員会»
プロフィール

山中 啓之さんの画像
山中 啓之
プロフィール
ブログ
リンク集
<< 2018年10月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
http://blog.canpan.info/matsudo/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/matsudo/index2_0.xml
高畑勲さんのお別れの会へ [2018年05月15日(Tue)]
300515 pakusan.jpg

―不思議な感じでした。不覚にも時に涙がこぼれてしまうような場面もあってさみしいけれど、その涙がじわっとどこか行くべき処へちゃんと沁み込んでいくような感覚です。

今日の夕方、高畑勲さんのお別れの会へ参列しました。思えばジブリ美術館へ今まで6回ほど訪れましたが、ちゃんとオープンしていない時に行くのは2度目です。最初は完成していないプレオープンの時に宮崎駿さんと偶然出逢い握手したのが一番の印象ですが、今回は高畑さんとのお別れです。
休館日にもかかわらず三鷹駅からバスで美術館へ向かう人たちの流れに交じり、レジャーでもないのに、なんだか不思議な気持ちでお別れを言いに行きました。
小1の頃に松戸の映画館で初めて観た『火垂るの墓』をはじめ、彼の作品から私は生きる上で色々な影響を受けました。特に『おもひでぽろぽろ』や『平成狸合戦ぽんぽこ』はリアルタイムの時よりも、ある程度責任を持つ立場になってからその価値や意味がじわじわ分かってきたような気がします(まだまだ理解しきれてはいませんが)。
彼が作品でとても大切にされていた日常の中の感動や喜怒哀楽を想うと、今国会で行われている政争や離合集散を繰り返す政党議員たちのつまらない立場争いなど馬鹿らしくなってくる事さえあります。
人間の機微をこれからも学ばせて頂こうと思っていた矢先に、彼の死(4月5日)。まさか試写会で観た『かぐや姫の物語』が遺作になるとは思ってもいませんでした。
                     
バスを降りて美術館まで歩き、入口で記名をしている間も途切れない人。時間帯からか喪服は少ないですが、黒めの服を着ている人が半分位、仕事帰りや普通の服で参加する人も沢山いました。
井の頭公園の献花待ちのテントの中には小さなスクリーンが2つだけ置かれ、彼の生涯がダイジェストで流されていました。
私が着いた頃は会も終わりの方でしたが、混雑する事もなく、かといって途切れる事もなく、前の人が進むといつの間にかまた次の人が来ているといったように、誰がどうするともなく自然に穏やかな時が流れていました。一応「No Photography」とは書いてありますが、誰も写真撮影をする人などいません。小さなスクリーンに流されている動画をじっと観て、めいめいが静かに泣いたりはしていましたが。

美術館内では立体ゾートロープもステンドグラスも今日は静かに迎える中、いわゆる大行儀な祭壇ではなく、沢山の花に囲まれた温かな雰囲気の中、穏やかな高畑さんの御写真が飾られていました。献花し、ひたすら感謝しました・・・。

献花台から続く道には彼の作品関連が飾られ、中には交流のあったロシアのユーリー・ノルシュテイン監督からの手紙などもありました。‘フイルムの種’を探すために重要な事は待つこと。それも自分にその能力があると肯定的に信じて…勿論メモを取る時間などないのですが、深い言葉ばかりが置かれていました。
中庭では高畑さんの若かりし頃からの写真が壁一面に飾られ、宮崎さん、鈴木さん、吾朗さんらとの交流の深さやユニークな一面を表す写真もありました。
「このひとがいなくなっちゃったの?このひと?」と小さい子どもは指さして母親に尋ねています。
私は作品を通じて影響を受けたのであり、高畑さんに直接お会いしたことはありません。しかし語弊を恐れずに言えば、参列者と共に献花して歩いているだけで、まるでこの風景さえも高畑さんの作品の一つなんじゃないかと思えるほど、平和で落ち着いた空間でした。仰々しさは全くなく、優しさと穏やかさに包まれた素朴なお別れの会。上手く表現できませんが、それがかえって彼が大切にしていたものを一層際立たせているかのように感じられました。
最後までマイペースで生き抜いた人との時間が一緒にゆっくり流れているようで、参列者はそれぞれの中で、しみじみと彼との時間を噛みしめ、味わっていました。

美術館の外に出た後も、天人の音楽が心地よく聴こえていました。

高畑勲さんのご冥福を心よりお祈りします。
コメントする
コメント