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梅だより[2010年02月27日(Sat)]


 朝日新聞の夕刊の片隅に今年の「梅だより(JR西日本)」が掲載されだしたのは、2月はじめのころからだろうか。2月10日の新聞には、大阪万博公園、大阪城公園、道明寺天満宮、金熊寺盆梅庭園が「咲き始め」で「七分咲き」は暖かい和歌山県の南部梅林など、「満開」は長浜盆梅展などと掲載されていた。

 その2日前の2月8日に、大阪城西の丸庭園の梅林で数多く咲いたいろんな品種の梅を観賞してきた。

 2月25日には、全8回の「認知症予防プログラム」の最終回が万博公園内であった。折から自然文化園では「梅まつり」が開催されていて、たくさんの人が観梅に訪れていた。そこで、梅に関する話題をまとめてみた。


梅一厘


 写真1は、2月8日に「大阪まちなか再発見ウォーク」で大阪城西の丸庭園の梅林を訪れたとき、カメラの前に一輪だけ咲いている梅をアップで写したものである。
 25日にも万博公園でも一輪を撮ってみた。




写真1上段:大阪城公園の梅一輪(10年2月8日撮影)

下段:万博公園の梅林の一輪(10年2月25日撮影)

 一輪だけをアップした写真を眺めていて、数日前、尾川正二 著(筑摩書房)の文庫本「文章のかたちとこころ」に書いてあった、梅一厘の解釈は、句読点の位置によって解釈が異なると指摘されていることを思い出した。

 その中で、「『梅一輪一輪ほどの暖かさ』(嵐雪)という句がある。『梅。一輪一輪ほどの暖かさ』とすれば、〈季節を知っている梅の花が一輪咲き、また一輪咲く。その開くにつれて、ほんの少しずつ暖かくなり、春も本格的に訪れてくる〉意になる。一般に、そういう意味にとっている。『梅一輪。一輪ほどの暖かさ』とすれば、(寒中に咲いた梅一輸。そこにかすかに春の気配が動いているのが感じられる〉ということになる)」と句読点の打ち方の重要性を教えていた。

 この説明の前段に「『結局娘は芸大にはいれなかった』とあった。受験に合格したけれど『いれなかった』のか、受けたけれど『はいれなかった』のか。読点一つで、意味がはっきりする。『ここからはきものをぬいでください』という掲示も、読点の打ち方で妙なことになる。恐るべき、小さな点の働きである」という例が示されていている。

 「句読法は、論理性・情意性・リズムのうえから、大事な働きをする。一つの法則として習熟しなければならないのは、文法上打つべきものとして規定されている場合(論理性)である」と指摘されていて、文章作成上注意すべき点を学ぶことができた。


俳句に句読点!?

 俳句に句読点が要るのかどうか、インターネットで検索してみると、奈良日日新聞の悠言録:7年8月23日のコラムに面白い記事を見つけた。

 夏の甲子園のも勝利校の校歌のアナウンスがひと昔前は、確か「校歌斉唱裡(り)に…」だったのが、今では「○○高校の栄誉をたたえ、同校の校歌を斉唱して、校旗の掲揚を行います」と平易な表現を心掛ける風潮の現代、あえて古めかしい言い回しをする必要はないだろうが、何となく間の抜けた語調であることは確かだと指摘したうえで、同じような現象が、古文の現代語訳や俳句、短歌にも起こるという。

 「原因のひとつは、句読点だろう。『古池や。蛙とび込む水の音』『あかねさす紫野ゆき、標野ゆき、野守は見ずや。君が袖ふる。』いずれも折口信夫の句読点付けである▼本来、句点は一種の注釈であったが、明治以降は西洋の本の影響で句読点を付けるようになった。これには文意を明確にする利点がある半面、歌の持っている重層性、厚みを自ら限定してしまう恐れがある▼その証拠に、折口も『万葉集』はうまくいったものの『古今集』『新古今集』には苦労したらしい。そんな折口も、色紙に揮毫(ごう)する際には句読点を書かなかったというから面白い」と書いていた。

 そういえば、たしか古文書には句読点が付いていないと思う。句読点の起源については「横書きの句読点について」
(www.remus.dti.ne.jp/~ddt-miz/think/comma.html)に詳しく調べられている。


「花だより」の判定は基準木で決める

 「梅」のことを書き始めたのに、句読点で横道にそれてしまった。

 本題に戻すと、2月8日の大阪城公園の梅林ではすでに満開の梅もあり、「五分咲きくらいかな」と判断していたのに、「咲き始め」となっていて、「その判断はどうしているのか」をJR西日本に問い合わせると、「基準木で判断している」ということだった。




写真2上段:大阪城公園の梅林(10年2月8日撮影)

中段:大阪城公園の盆梅(10年2月8日撮影)

下段:大阪城公園のロウバイ(10年2月8日撮影)


 大阪城公園梅林で黄色い花をつけた鉢植えには、7万円の値札に満月ロウバイと書いてあったので調べてみると、「ロウバイ(蝋梅、蠟梅、臘梅、唐梅)は名前に梅がついているためバラ科サクラ属と誤解されやすいが、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木」と説明してあった。(出典:ウキペディア)

 桜の開花予想や、開花状況は基準木とその周辺のサクラの木々と大きな差がないから、基準木というのは理解できるが、ウメの場合は木の種類で梅林全体の開花状況と一致していないのではないかと思った。

 万博公園の「カワセミだより(2007年2月号)『梅林』とウメ」によると、「梅は品種により咲き始めの時期が大きくちがい、1月から3月中旬までと品種により開きがあります」と解説されているから、基準木を決めるのは2月頃に咲く花を基準にしているのだろうか。




写真3:品種によって満開の梅の花(10年2月25日撮影)


 桜の開花予想はソメイヨシノが基準となる。標本木(基準木)が5〜6輪咲いた時、開花宣言をすることになっているようだ。

 桜はバラ科サクラ属サクラ亜属に属する落葉性の樹木桜の品種の数は、400以上といわれている。梅はバラ科サクラ属の落葉広葉樹で、約300種といわれている。


源平の枝垂梅(しだれうめ)

万博公園内には、自然文化園の梅林に81品種と、日本庭園の梅林をあわせて100品種が植わっている。
 
 上記「カワセミだより」の説明の中に「特徴ある梅の一例」として、

桃山:梅林では万博公園の梅林にしかないとされている品種。(まだ木は小さい)
黄金梅:梅にはめずらしい黄色い花。
茶筅:花弁が退化ししべ咲きになったもので茶筅に似ています。
源平の枝垂れ梅:1本の木に紅白の花を咲き分けます。
思いの儘:1輪の花が紅白に咲き分けます。
香篆(こうてん):枝がくねくねと曲がっています。
見驚(けんきょう):淡紅色から白に変わっていく大輪で派手な感じの花。
月影:枝も萼も緑色で青白い清楚な花。
楊貴妃:薄紅色のあでやかな花
武蔵野:紅色八重咲きで梅花中最も大輪の花
大盃:濃い紅色の一重で大輪、しべも紅色





写真4:源平の枝垂梅


 これらの花をじっくり観察できなかったが、「源平の枝垂梅」は東屋のすぐ横だったので、見つけることが出来たが、未だ咲き始めで紅の方が先行して咲いていた。その横に「平安時代後期、源氏は白旗を、平氏は赤旗を用いました。そこから白と赤の対になるものを源平というならわしが生まれ、1本の木に紅白の花を咲き分けるウメも源平の枝垂梅と呼ばれています。元々、このような性質の木ではなく、白梅の木に紅梅の枝を接いで作られています」と解説板があった。

百花の魁(さきがけ)

 この言葉を辞書で引くと、「花の中で春もっとも早く咲くことから梅の花のこと」と説明しているが、十数年前に新島襄の「寒梅」という五言絶句の漢詩を唸っていたことを思い出した。 「庭上一寒梅 笑侵風雪開 不争又不力 自占百花魁」

 確かに梅は春咲く花で最も早いのだろうが、帰りがけにメタセコイヤの木に「メタセコイヤの花が咲いているよ!」解説板が取り付けてあった。




写真5:メタセコイアの雄花


 「メタセコイヤの木を見上げてみると、何か枝のようなものが垂れ下がっているように見えます。これはメタセコイヤの雄花の集まりなのです。サクラのようにきれいな花びらがあるわけでもないので、花が咲いているようには見えませんが、この時期(2月〜3月頃)一斉に咲き出します。雌花は枝の先に1つずつ咲くため、下からは確認しづらいのですが、横に残っている実を小さくしたようなもの(緑色)が付いています」と解説してあった。

 目立たない木にも花が咲いていて、春の準備が整いつつある。



(2010年2月27日)


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