• もっと見る
« 書 | Main | イラスト»
オノ・ヨーコ 私の窓から @東京都現代美術館 [2015年11月15日(Sun)]

同じ場所で、オノ・ヨーコさんについて話したことがありました。

from my window.jpg

私が、オノ・ヨーコさんについて知っていることといえば、
The Beatlesのジョン・レノンの奥様だということ。
そして、二人が行った喫茶店に私も行ったことがあるということ。
それくらいだったのです。

しかし、オノ・ヨーコさんについて話したあの場所で
オノ・ヨーコさんの展示が開催されるなんて不思議なご縁だと思い、
今回は足を伸ばしてみることにしたのです。

面白かったのは、「モーニング・ピース」でした。
牛乳瓶の欠片だったり、瓶の底だったり、
単なるガラス片なのかもしらないですが、それを通して見る空は
未来の朝を描き出しているんだというメッセージは、心が震えました。

DSCF2369.JPG

全然知らなかった、オノ・ヨーコさんの世界。
もう一度、行ってみたいな、と思いました。

※美術館の許可を得て撮影しています。
*********************************************************
オノ・ヨーコ|私の窓から 
会 期:2015年11月8日(日)−2016年2月14日(日)
休館日:月曜日(11月23日、2016年1月11日は開館)、11月24日、12月28日〜2016年1月1日、1月12日   
会 場:東京都現代美術館(企画展示室地下2F)
開館時間:10:00-18:00 ※入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般 1,200(960)円
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/yoko-ono-from-my-window.html
"Generation So Bright" レジナルド・シルヴェスターU@MEGUMI OGITA GALLERY [2015年11月10日(Tue)]

image1.jpg

うにゃうにゃと絵の具をチューブから出したような
不思議な形に描かれた世界。
まるでアメコミのような色どりは
ググッと迫ってくるような、はたまたポップのような…。

いまニューヨークアート界が最も注目しているアーティストの
レジナルドさんが表現するのは、
「カルチャーとヴァーチャル・リアリティーの関係性、現在と未来」だそうです。

私がパッと見て感じたのは、目玉が多いなあということ。
おそらく作者は目玉を意識して描いてはいないのだろうと思うのですが、
象徴的なものが目玉のような気がしてなりませんでした。

かといって、グロテスクなわけでもないのです。
時代を読む、目の前の事実を見る、夢を語る、
目で見て、実際に体験して、言葉として表現することが大事ということが
レジナルドさんからのメッセージなのかなあと思いました。

***********************************************************
MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
Tel & Fax. (03) 3248 3405
2015. 10.30(Fri.) - 11.13(Fri.) 
※会期中は休まず営業
11am - 7pm
http://www.megumiogita.com/index.html
teamLab Exhibition, Walk Through the Crystal Universe [2015年09月28日(Mon)]


私たちは、蛍光灯に群がる虫たちではありませんが、
虫と同じくして光りの方へと足が向いてしまいます。

DSCF1979.JPG

たとえば、クリスマスのイルミネーション。
六本木や丸の内なんかは、人だらけであって、
人影を掻き分けて光りに近づこうとするのは
虫と大して変わらないのではと思うばかりなのです。

だけれども、私たちの生活には光りはとっても大切です。
光りと、闇と、そこに流れる音と、空気感。
それらが生活を成しているのです。

今回行って来た teamLabさんの展示は
最終日だけあって、人だらけでした。
人だらけの中でも、一瞬訪れる暗闇が
自分だけの時間に誘ってくれるようで
すっかり作品に魅了されてしまいました。

DSCF1984.JPG

星や宇宙を描いたこの作品。
そういえば、昨日は中秋の名月、今日はブルームーン。
月の光りで星たちは見えませんが、
空を見上げ、この感動を反芻するのもいいかもしれません。


※ギャラリーの許可を得て撮影しています。
***************************************************
POLA MUSEUM
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階
2015年4月7日(火)-4月26日(日)
11:00~20:00
http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/index.html

2015年8月21日(金)-9月27日(日)
11:00-20:00(入場は閉館の30分前まで)

teamLab
http://www.team-lab.net/
セミトランスペアレント・デザイン 退屈 @銀座グラフィックギャラリー [2014年10月31日(Fri)]

すべては「点」でできている、はずなのだ。

DSCF7627.JPG

素敵だなあと感動した絵も、
お気に入りの宝物も、
目の前にある物体も、
私たちを形作る細胞も、
元を正せば、「点」の集合体のはず、なのだ。

だけども、一つの「点」でものを見ても
それが何かか分からない。

たとえば、印刷された文字だって、
陰影のキレイな月のようなグラフィックだって
「点」が大きくなればなるほど
全体像が見えなくなる。

DSCF7629.JPG

人間関係も同じように思う。
個対個の点のつながりが
集合体になったときに、
その団体のカルチャーが生まれる。

近くで見ても分からないこと、
離れてみるから分かること。

形も、デザインも、コミュニケーションも、
目に見える見えない、手に取れる取れないに関わらず
「俯瞰して見ること」の大切さは
あらゆるものごとに通じることなのかもしらない。

DSCF7645.JPG

今更ながら知ったことは、
こちらのブログ(CANPAN:日本財団)のロゴマークは
セミトランスペアレント・デザインが手掛けられたのですね。

*************************************************
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)   
入場無料 
〒104-0061 中央区銀座7−7−2 DNP銀座ビル 
tel.03.3571.5206
11:00a.m.− 7:00p.m. (土曜日は6:00p.m.まで) 
日曜・祝日休館
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

http://www.semitransparentdesign.com
セミトランスペアレント・デザイン 退屈 @銀座グラフィックギャラリー [2014年10月29日(Wed)]

”ものを作るという行為は本来「退屈」を減らす行為だ。”

DSCF7639.JPG

退屈。

”目の前の美しさに目を奪われれば、退屈は失われていく。
しかし、美しさを目前にしながらも退屈を感じてしまう。”

DSCF7638.JPG

退屈。

たとえば、TVから流れる作られた番組は
退屈を減らす行為を見ているのだろうか。

DSCF7641.JPG

いつから、退屈が生まれたのだろうか。

たとえば、ソクラテスたちが
議論された思索の数々は、退屈を持て余して生まれたものだろうか。

退屈と美。

難しくって分からないけれど
美しさを目前としながらも退屈を感じてしまうことは
身近にあることなのかもしらない。

たとえば、造られた美とか。


*************************************************
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)   
入場無料 
〒104-0061 中央区銀座7−7−2 DNP銀座ビル 
tel.03.3571.5206
11:00a.m.− 7:00p.m. (土曜日は6:00p.m.まで) 
日曜・祝日休館
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

2014年10月3日(金)〜10月28日(火)
星空からのメッセージ展 大宮エリー @コミカミノルタ [2014年05月03日(Sat)]
ふと、ずいぶんと昔に行った展示のことを思い出しました。

DSCF0226.JPG

その理由は、昨日メガネを外してブラブラと帰ったから。
仕事柄、PCに向かうことが多く、極度なドライアイの私は
コンタクトレンズを一日付けていることが不可能なので
平日はメガネをかけて生活しています。

ただ、視力はめっぽう悪いんです。
裸眼で視力検査をしたならば一番上の丸こいやつの穴が
どこにあいているか分かんないので、見えるところまで歩かされます。

そんな視力の悪い人間がメガネをかけずに夜歩くと
街の光りが星のようにキラキラ輝いて見えるのです。
ぼやっとにじんだ光りがとってもキレイで
この展示を思い出しました。

大宮エリーさんの「星空からのメッセージ展」。

DSCF0244.JPG

テーマは「歩くプラネタリウム」
でも、わたしには大宮さんからのメッセージに寄り添う展示だと思いました。

「ひとりぼっち」と感傷的になったり、刹那的になったり、絶望的になってしまったときに
「そばにいるよ、見守っているよ」と包まれたい衝動に駆られたことが
一度はあるんじゃないでしょうか。

きっと大宮さんもその一人だったのかなと思います。

いつも、変わらずそこにあるもの。
でも、太陽のように自らがギラギラと輝くのではなく
月のように淡く、しかししっかりと存在感を示すように光るものではない。
そっと、寄り添うように輝く星たちにこそ、救われるのでしょう。

DSCF0245.JPG

暗い会場内に、小さな光りがいくつも輝く。
黒い壁に白い文字で書かれたメッセージ。

DSCF0230.JPG

共感したことは、必ず心に残る。

考えやいろんな違いを壁のように隔たりを作ってしまうことは簡単ですが
考えや違いを理解し、共感できるようになるのはとても難しいことです。

少なくとも、理解をするためには
「そこにいつもいる」ことがまず一歩のような気がします。
ここにいくと会える。これが大切なんでしょうね、きっと。
星たちのように。

※これらの写真はギャラリーの許可を得て撮影しています。
***********************************************************
コニカミノルタプラザ
東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F
TEL:03-3225-5001
10:30〜19:00(最終日は15:00まで)
年中無休(但し、特別休館日あり)
入場料:無料
http://www.konicaminolta.jp/plaza/index.html


星空からのメッセージ展 大宮エリー
2013年09月11日 〜 2013年09月30日
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2013september/starlitsky/index.html
長嶋りかこ”BETWEEN HUMAN AND NATURE” @ギンザ・グラフィック・ギャラリー [2013年10月24日(Thu)]

銀座のショーウインドウを横目に見つつ、
6丁目までぶらぶらお散歩しました。

1階と地下1階に展示があり、
1階では、”身にまとうもの”がテーマとなっています。

四角い箱で囲まれた4面には
春-夏-秋-冬の装いが映像で映し出されています。

その奥に小さなスペースがありました。
そこには、
BETWEEN INDUSTRIAL AND RAW MATERIAL
BETWEEN JEWEL AND STONE
をテーマにジュエリーと
木と綿の創作物(衣裳)が展示されていました。

DSCF0847.JPG
「BETWEEN CLOTHES AND COTTON」 >私のタイトル「バレリーナ」

まるでパニエのような形をしています。


地下では、BETWEEN HUMAN AND NATUREをテーマに
これまでの長嶋さんの作品が見られます。


メルセデス・ベンツのファッション・ウィークのポスター。
幾何学の模様が素敵です。

DSCF0828.JPG
メルセデス・ベンツのファッション・ウィークのポスター >私のタイトル「feeling」


秀英体 100周年記念ポスターは
おそらく小学校の習字のときに学んだ、撥ね・はらい・点。

DSCF0820.JPG
秀英体 100周年記念ポスター >私のタイトル「手習い」

大人になるにつれ、文字を書くことも少なくなったいま、
またボールペンで書くことが多く、書き順もクチャクチャになったいま、
点やはらい、とめを丁寧に書くことを意識することで
日常の美意識が養われるのかもしれないと思いました。


ラフォーレの広告(2011年)
DSCF0837.JPG
「be noisy」 >私のタイトル「traffic jam」


この広告は、大学の時にお花のコラージュをしたときに
参考にしました。
タイトルまでは意識してみていなかったので、
今回初めて知りました。
確かに、これを見て胸がザワザワしたように思います。


そして、私が一番好きな作品は、こちら。
DSCF0833.JPG
「PEACE SHADoW PROJECT」 >私のタイトル「声 続く」


日常の風景に、影を落としているのです。
忘れていくことに対してのメッセージ。
戦争、饑餓、略奪…人間の本当の怖さ。
それは、核のない社会への想いを自分の影で残すプロジェクト。

これらの作品の影は、広島の被爆者の方々の影で
実際に被爆した場所で撮ったものだそうです。

広島に行ったとき、
広島ドームに残る影を見て、怖くなったことを思い出しました。

人を影で表すということは、その人の表情も分からない。
しかも、真っ黒な姿形で現れるので
その人も持つ「陰」の部分を表現しているのかもしれない。

8月6日はどんな空をしていたのか。
あのキノコ雲に覆われるまでは、
人々はどんな顔をしていたのか。

影となってはわからないけれど、
影だからこそ想像しなければならないと思います。

その豊かな感性を
眠らせてはいけないと思いました。



************************************************************
東京都中央区銀座7−7−2 DNP銀座ビル
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
2013年10月3日(木)〜10月28日(月)
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/


長嶋りかこ
グラフィックデザイナー/アートディレクター
1980年11月11日生まれ。2003年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業。
「ラフォーレ原宿」の年間広告グラフィックをはじめ、
坂本龍一氏のYCAM10周年記念祭ライブイベントのポスターデザイン、
「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO」のグラフィックデザイン、
アーティスト加茂克也氏『100headpiece』の装丁(GASBOOK)、
「YVAN VALENTIN」のパッケージデザイン、
HAND MADE ART STORE 「BONDO」のブランディング等、
グラフィックデザインを基軸に、ブランディング、CI、VI、ファッションデザイン、
プロダクトデザイン、広告などを手がける傍ら、
パーソナルワークとして現代美術家の宮島達男氏らと「PEACE SHADOW PROJECT」を行う。