岩手県海上捜索 [2012年03月20日(Tue)]
みなさんこんにちは、寒い寒いと思っていたらもう春分の日ですね 3月5日6日の2日間の日程で岩手県まで昨年津波発生による行方不明者の 海上捜索ボランティアに行ってきました。 太平洋東北沖地震による津波の発生から1年近く経過したこの時期に? と思われても何ら不思議はないのですが今なお行方不明者が多数おり 遺留品でも何でもいかなる形にせよ帰りを待つ家族の元へ届けるために マリンスポーツ財団=K38JAPANから5日間の協力要請を受けたのですが さすがに5日間体を空けることは難しく前半2日間を私、後半を財団職員が 交代というスケジュールを何とか組んでいただき、2日間微力ではありますが 被災地に対して何かの役に立つために体を空けるべく、2日間留守にしても 大丈夫ように休日返上で仕事を調整・・余裕がないのはいつものことですが 極寒の水上オートバイでの海上作業(航行)はバッテリートラブルが命取り 満充電の予備1個未開封の新品1個、合計2個の予備バッテリーとトラブルに 備え充分な工具を準備・・出発前は体調を崩さぬよう周到に準備を進めます 最後に海上捜索に使用する水上オートバイをトラックに積載して荷締め・・ ギリギリのタイミングで出発捜索初日早朝に何とか現地入りしました 仙台を過ぎたあたりから雪に降られナビの指示通り高速を降りて進むも 通行止めの案内看板やむなく迂回路の県道へ進みますが殆ど車が通った 形跡もなく勾配がきつく細く凍った道路は擦違いも厳しく止まったら滑って 再スタートの厳しい曲がりくねった山道を延々と釜石を目指します・・ 雪国で生活する私でさえ泣きがはいるほどの厳しい山越えでした マシンに載った雪が寒さを倍増させます 船越漁協(市場)・・建物の姿は残してますが津波の直撃を受けたのか? 今は廃墟同然に見えました。 漁港のいたるところに流され壊れた船がそのまま置いてあります。 津波の凄まじいパワーは木造建築物を基礎部分からいとも容易く引きちぎり 鉄骨建物は姿こそ残しますが再起は厳しいくらいまで歪み痛めつけます。 雪で隠れていますが鉄骨建物の周囲は木造建築の建物があったらしく基礎 部分だけが残り空き地のようになってます。 津波で流された集落にいたネコ・・我家のネコの顔つきとは全く違い何となく 怯えたというか絶望感が表情に出ているように感じます。 かわいがってくれる人や家族や仲間を失ったのでしょうか? 苦しいだろうけど負けんなよネコ・・ どうしたらこの様な姿になるのか想像もできない車両の残骸の山 さて本題の海上捜索ですが私の滞在中2日間天候も芳しくなくマシンの特性を 生かした場所へ接近することも難しく私自身何かをやってきたと胸を張って 言うのもおこがましい・・という程度のことしかできませんでした。 船上から目視で水深10m程度までは自動車の部品や陸上の様々な物体が 沈んでいるのを確認、やらなければならないことが沢山あると痛感しました。 私が見て感じたこと・・この震災による復興は物凄い時間を要するであろうこと 長期に渡り社会全体の支援が必要であること・・この震災と甚大な被害を風化 させてはならないと心に誓いました。 今回私は単身で岩手の任務を遂行するつもりでいましたが7日朝には本来の 仕事に戻らなければならないこと・・1日寒い海上に身を置き夕方片付けをして 夜通しの運転で帰るには昼間体力を消耗しすぎてまともに帰れないのでは? 殺人的なスケジュールに臨もうとする私の身を案じ生かして私を家に帰すため 時間を割いて同行、運転を交代してくれたY氏に本当に感謝しております。 今回は物見遊山や取材で被災地に行ったわけではないので時間もなく写真は あまり撮りませんでした・・ただここに載せた以上に広範囲に酷い状況にあると いうことは付け加えておきます。 震災による犠牲者のご冥福を心よりお祈りするとともに被災者の生活が1日も 早く元に戻る事を願いつつ次に私に何ができるかを考えたいと思います。 |