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科学教育プログラム体験ワークショップ 実施しました [2011年11月28日(月)]

2011年11月16日に、函館市の北海道大学キャンパス内の函館市産学官交流プラザにて「科学教育プログラム体験ワークショップ」を開催しました。

一般財団法人函館国際水産・海洋都市推進機構、サイエンス・サポート函館との共催で実施し、海を学ぶ体験型教材の体験としてMAREを、また、海洋科学を教える人材に必要とされるコミュニケーションスキル習得講座の体験としてCOSIAを実施しました。
参加してくださった方々は、みな何かのかたちで科学コミュニケーションにかかわっている方々で、ワークショップの後の懇談会ではかなり詳細な話題もでました。
函館は押しも押されぬ海の街。ここに海を伝えたい意気込みを持つ人がたくさんいるのはとてもうれしいです!

修学旅行生のプログラム [2011年11月10日(木)]

2011年10月24日、25日は埼玉県から沖縄に修学旅行で来た高校生向けの海のプログラムを実施しました。
24日は宿泊しているホテルでの講和。海のこと、サンゴ礁のこと、自然環境のことなどをお話しし、翌日は実際にフィールドに出てファール度学習をするというプログラムでした。
天気も良く、みんな元気で、こちらも楽しいプログラムになりました。



小学校でサンゴ礁学習プログラム! [2011年10月22日(土)]

10月20日、21日の2日間、沖縄県嘉手納町の嘉手納小学校5年生3クラスで、サンゴ礁学習プログラムの「サンゴのテリトリーウォーズ」を実施しました。
最初の導入部分でサンゴについて知っていることを聞くと、かなりいろいろな知識が出てきます。でも、ほとんどは環境問題に関するもの。サンゴという生き物についての知識はほとんど無い様子でした。ビデオでサンゴが成長する様子などを見て、驚く声があちこちから聞こえていました。



今回の授業では、サンゴがどのようにサンゴ礁をつくっていくのか、何が健全なサンゴ礁をつくれない要因となるのかを参加体験型のプログラムで学びました。
5年生は各クラス38人ほどでかなり大人数。5班に分けて体験プログラムの部分を実施しましたが、どの班もものすごく盛り上がり大騒ぎ。
その中から、どうして自分たちのサンゴ礁の被度が低くなってしまったのか理解し、それを現実の自然環境の状況に重ね合わせて納得する、という事業でした。



体験プログラムをやっているところ。だいたいいつも、しっかりものの女子が班に一人いて、ルールをしっかり守ってくれてますね。

地元でとても身近な生き物なのだから、サンゴがどんな生物で、どんな暮らしをしているのかなども知っててほしいなあ。そうでないと、どうやって守ったらいいのかもわからないよ。
無くなったから新しく植えたらいいんじゃない?というのでは、サンゴ礁は再生しないと思います。無くなった原因を知って、そこを解決しないとね。

今回の授業で、サンゴにとっての環境負荷は自分たちの暮らしが原因であるところもたくさんあると少し気づきましたね。
このあとの環境学習で、ぜひいろんなことを調べてくださいね。
学年の最後に、完成したものを見せてもらえるらしいので、今からとっても楽しみです!
海の生き物塾2011 第5回がおこなわれました [2011年09月02日(金)]
 2011年9月1日は、海の生き物塾2011の第5回が行なわれました。今回は定員40名達する満員御礼の盛況ぶりでした。
 今回の生き物塾は、『エビ・カニガイドブック1・2』の著者(共著)としても著名な奥野淳兒 氏(千葉県立中央博物館 分館海の博物館)に、日本における海洋生物の分類学の現状を紹介していただきました。最近では生物多様性について目にし、耳にする機会も増え、その保全の必要性が叫ばれるようになりましたが、その根底にあるのは、分類学という科学です。 
環境学習指導講座 [2011年08月01日(月)]
今日、海研の代表理事 藤田喜久と、事務局長 平井和也は、小、中、高、特支の先生向けに沖縄県立総合教育センターによって開催された環境学習指導講座の講師をしました。
8月1日と2日の2日間にわたって行われる先生向けの講座です。

藤田は「沖縄の海を環境教育へ取り組む実践」という題での講演、平井は、海の環境教育の教材紹介として「サンゴ礁学習プログラム」を演習として実施しました。

沖縄は海に囲まれたちいさな島ですが、結構多くの人の意識は海から遠く、将来の沖縄の海を担う子どもたちに海のことを学んでほしいと思う私たちにとって、先生はその最先端にいらっしゃる方々。
ぜひ、よろしくお願いします!



海研日誌100回目(そして30回目) [2011年05月18日(水)]
上野です。
タイトルに付けたように、今回で海研日誌カテゴリーで投稿された記事は100件目。
そして、僕の30回連載もついに最終回を迎えました。
進●ゼミも、ゼッ●会も、く●んもまったく続かなかった僕にとって、何かを30回続けたというのは、紛うことなき快挙です(親には悪いことをしました。。。。)

今日、実は他にも記念すべきことがありました。

僕の現在の仕事内容、それは一言ではなかなか説明出来ないのですが
一番基本的なところでは、海の生きものの神秘と向き合い、未だ知られていない事実を紐といてゆく、という崇高な内容に準ずるものです。

解き明かされた真実のすべては、世の中の人達が知ることが出来るように
なんらかの形、大体はまず科学論文というカタチで公表されます。

僕も、日頃研究した結果について論文を書いているのですが
今日は、審査に出していた論文が2つ受理、つまり審査を通過したという結果がとどきました。

一つ目は、淡水魚の寄生虫であるイカリムシに関する報告です。


今回の論文に使用した写真では無いのですが、これはヨシノボリの胴に寄生しているイカリムシです。半透明の胴体の中に詰まっているクリーム色の粒粒は、これから産み出されんとしているタマゴです。写真右下に写っているのは既に産み出されたタマゴで、じきに孵化して幼生となり、次の宿主(ホスト)を探します。ガンガン水中に幼生をばらまいています。この、幼生のまじった水を間違って汲んで帰ってしまうと、お宅のペットはイカリムシだらけになってしまいます。大きさは100マイクロメートルよりちょっと小さい程度なので、これよりも目の細かいフィルターでろ過してやれば、イカリムシ症を防ぐことは出来ると思うのですが、なかなか面倒ですよね。

魚はおろか、カエルやウーパールーパーなどにも寄生して、愛好家たちの目の敵にされている。そんなイカリムシですが、世界中に分布しているとされているだけあって、研究のネタも尽きません。僕の今回書いた論文には、そんな嫌われ者のイカリムシを、ちょっと好きになるかもしれない内容も含まれています。これは、沖縄生物学会誌の次号に掲載されます。興味をお持ちの方は、読んでみることをお薦めします。

先日ある人から、イカリムシってなんの仲間?うそ?カイアシ類?と言われました。イカリムシも正真正銘カイアシ類なのですが、意外と知られていない事実でしょうかね。このやりとりの相手、実は甲殻類の研究者です。

さて、続きましてこの写真

Fってなんだ?と思われるかもしれませんが、2つ目の論文で使用されるはずだったボツ図版です。うまそうなエクレアですが、研究に深く関係しています。これも沖縄生物学会誌に掲載されますので、気になりそうと言う方は、眠れなくなって日々の暮らしに支障が出、奥さんとの仲が悪くなる前に、是非沖縄生物学会に入会して、次号をゲットしましょう。

図を作るための試行錯誤の結果、購入されたエクレアは実に10個以上にも及びましたが、全て2日以内に消費されました。大好きなエクレアですが、一度に2つ食べると頭が痛くなるという新発見もあり、充実した2日間でした。しかも沖縄は気温が高く、買ったそばからチョコが溶けてほんとーに大変でした。

今回審査を通った論文は2つとも、生きものの分布に関する簡単な内容です。全ての生物研究は、どこかに生きる生物から始まるのですから、簡単ながらもこういう報告は非常に大事だと思います。

僕を突き動かす原動力は、「どこにどんな生き物がいるのか?」に集約されていると言っても良いと思います。こんな変なところに、こんな生き物が、こんな生き様で…を追求するのが僕の使命なのかな?地球上のあらゆる環境へ適応して進出したカイアシ類は、そんな僕が追求を続ける研究対象としては、うってつけですよね。

海研での、僕の研究員としての任期は終わりました。しかし、これからも研究を続け、神秘のカイアシワールドの中でダンスをし続けたいと思います。

それでは、最後に麗しいカイアシ類の写真をお見せしつつ、お別れといきましょう。


Cardiodectes asper, 伊豆大島のイチモンジハゼに寄生していた標本に基づいて記載されました。色合いが美しいです。


ホタテエラカザリ, ホタテの鰓を彩るアクセサリーに見えます。私の恩師、長澤和也博士らによって記載され、和名は長澤博士が考案したものです。学名も、”美しいホタテを愛する物”という意味を持っていますが、当初この話を聞いたときには「それはちょっと言い過ぎだろう」と思っていました。昨年初めて生きた実物を見て、納得できました。非常に美しい生きものです。もはや甲殻類には見えませんが、これでもカイアシ類です。
追記のニューカレドニア(29回目) [2011年05月16日(月)]
上野です。えー最近更新出来て無かったわけだし、明日(というか今日)も忙しくなりそうで、更新する体力が無くなりそうな気がしますので、ひとネタいっときます。

ちょっと前の記事で、ニューカレドニアのジョギングコースにウミヘビがいたと書きました。
これは現地の人にとったらなんてこと無いことかもしれないのですが、ちょっと衝撃的だったので写真付きで紹介します。今更ながらって感じもしちゃうんですが、まあそこは大目に。



ウベアツアーを終えて、ヌメアに戻ってきました。帰国までしばし時間があったので、その辺をふらふら〜っとしてみたんですが、ニューカレドニアの人達もジョギングがお好きなようです。
海沿いには、気持ちいい潮騒とともに、風になれるすてきなジョグコースが造られています。
こんな感じです。僕が道のど真ん中で棒立ちになり、写真を撮ったため、みんな道から外れて行ってしまいました。ちょっと調和を乱した僕は風にはなれないけれども、あなたの防風林になれますよ。夕方は寒くて、風邪をひきました。

この道の右は海です。

まあやっぱ海も気になったので、ちょっと横に行ってみましたところ


こんな感じで、鎮座してました。
後ろに走ってる人が見えますね。危なくないのかな?

この街には水族館があり



そこでもウミヘビが展示されてたのですが



みんな露出したとこで、休んでいます。
隠れる気もないみたいです。飼われて野生を失ったのかな、とか思っていたんですが、路上で見かけたものと、まんま同じ状態でした。このケージの下には、海水が張ってあるのですが、まったく水に入るそぶりを見せません。昼の動物園、動物寝てるよ?動かないよ?状態です。

海べりには、オウムガイの殻が落ちているので、ふらふら探しながら歩いたりしてましたが
危なかったようですね。

ニューカレドニアに行こうかなとお考えの方は、ちょっと気をつけていたほうが良いかも知れません。
今年の活動(28回目) [2011年05月16日(月)]
上野です。
2回更新がデフォルトになったと前回言いましたが、たまに3連チャンもやっています。偏ったペースは本当に良くないなと思いながらも、なんとなく書く気になったので今回も3連で。

先月から琉球大学で研究を始めた僕ですが、早速鹿児島に行ってきました。
いくつか目的があったわけですが(うち一つは思い出したくもない)、その一つが錦江湾で寄生性のカイアシを探すという、崇高な使命に駆られてのものでした。

鹿児島の海は、まだ寒かった。

しかもここは大きな湾。外海よりも冷たくて当然です。


ワカメやホンダワラ類が発達した、いわゆるガラモ場が発達していました。
なんでこの写真を出したかと言いますと、サンゴも生えているんですよね。
サンゴとワカメの共存する、不思議な海でした。これなら、連想ゲームでサンゴといったらワカメっていうのもアリですよね。ちょっとした、もめごとに発展しそうではありますが。

沖縄でサンゴを見慣れている僕には、非常に新鮮でした。

その他、初めてムギワラエビを見ました。ちと感動です。



長年ムギワラエビとして認識されてきた、オルトマンワラエビもすぐそばにいましたよ。
水中で簡単に見分ける目印としては、胸脚に入った模様が便利です。
でも、この写真では良くわかりませんね。
オルトマンの方が、黒色バンドが一本多いようです。

そのほか、シビレエイの生電撃を食らったのも初めてでした。

研究地として、今後鹿児島にも手を広げたいと思っています。
今回、いろいろ(寄生虫的に)面白そうな噂を小耳にはさんだので、しっかり計画を立てて挑みたいと思います。請うご期待。
ニューカレドニア記(27回目) [2011年05月15日(日)]
上野です。
2回更新がデフォルトになってきました。
先ほど焼肉をつまんできたんで、今は幸せいっぱい腹いっぱいでまるで気合が入りません。沖縄の焼肉屋といえば1000円台中盤から2000円程度の食べ放題が多く、しかもお肉の質が結構良いところが多いです。ぢつに幸せです。

さて、ニューカレドニアネタがだんだんと尽きてきたわけですが
ちょっとアカデミックなネタが少ないままなのは、僕がきちんと採ってきた標本について論文を書いていないからなのも理由の一つです。いや、なかなか時間がかかるんですよね。でも、必ずまとめますよ。

えーそんなわけで、ちょっと面白い生きものたちの紹介です。

まず、ニューカレドニアといえばこれでしょうかね。


Nautilus Macromphalus オオベソオウムです。
許可なき状態での採集は、禁止されています。

これは僕らが捕獲してのではなく、死んでちょっと経った状態で、海面近くに浮いていたものです。
殻が激しく壊れていますが、サメにでもかじられたのでしょうか。

今回は調査で行ったのですが、どうしても生きてるこれが見たくて何度も探しに行きました。
現地では、それほど珍しい種では無いらしく、外海に面したドロップオフ地形であれば、夜間浅場に上がってきている彼らに遭遇出来るそうです。水族館で飼われている彼らの動きから予測するに、かなり泳ぎは下手なんじゃないかな?もしかして、夜に浅場に上がったまま、岩の割れ目や洞窟にハマってでられなくなっているのがいるんじゃないかと、昼でも探しまくりでしたが、結局生きてる彼らには出会えませんでしたね。残念です。

ちなみに、要らない情報かもしれませんが、オウムガイに寄生するカイアシ類も報告されているんですよ。カイアシ類の適応力ってすごいですよね。



ちょっとプリティなので、この写真も紹介します。
トゲサンゴに棲む、サンゴヤドリガニ類の一種です。
サンゴの骨格まで変形させてしまう恐るべきカニですが、こうして見るとちょっと可愛いですね。同種かどうかぼくにはわかりませんが、トゲサンゴを同じように変形させてその中に棲むカニは、沖縄でも見られます。ただ、沖縄本島周辺のトゲサンゴが激減しているようなので、なかなか見つからないかもしれませんね。実は、サンゴヤドリガニはたくさんの種がいて、いろいろなサンゴに寄生するのですが、トゲサンゴに寄生する種が、一番、、、なんというか美しく寄生している気がします。両手を組み合わせたような形でこう。

えー。こんな感じの旅でした。とにかく他にもいろいろありまして、クジラが出たり、早朝水面でサメが喧嘩してたり、魚を釣って捌くとすぐに船の下がサメだらけになったり、ジュゴンがいたり、最後帰ってきたらジョギングコースの脇の芝生の下に猛毒のウミヘビがいたりと、素敵な旅でした。調査の機会を与えてくださった方々に、ただ感謝したいと思います。次はどこにいこうかな。
ニューカレドニア日記(26回目) [2011年05月15日(日)]
上野です。
現在、フロリダからまなこ、では無くなまこ研究者が来ています。
沖縄の海には、良くわからないナマコがたくさんいるので、ここぞとばかりに種を教わろうと
ぼくらもはり切って、彼のナマコ調査のお手伝いをしています。

普段はカイアシ類という、非常にちっぽけな生きものを調査している僕にとって、ナマコの調査は本当に慣れないことばかりで大変です。また機会があったらその辺もおいおい語っていきたいのですが。。って投げっぱなしの話題ばかりになっています。果たして、回収は可能なのか…!?

さて、そんなわけで今回はニューカレドニアの陸調査の紹介です。
昨年8月に訪れた、ニューカレドニアのウベア環礁ですが、大海に浮かぶ環礁というサンゴ礁地形であっても、マングローブが発達しているのです。



マングローブ入口付近の写真です。もう既に気根が見え始めていますね。そこからすこし湾の奥に入っていくのですが、ヤシの木が生えたりして、マングローブ林といった感じではありません。



途中にはシオマネキを始めとした、カニさんが沢山います。
ちょっと前の、グダグダ記事で紹介した、沖縄でもよく見られるベニシオマネキに似た種ですが、どうもここには2種いるようでした。左の種は、海のすぐそばに穴を掘って住んでいますが、右の方の種はやや小ぶりで、林の奥の方、海からやや離れたあたりにせいそくしていました。こんなん書いて同種だったりして。

さらに、湾奥へ。



だんだん、とマングローブらしくなってきました。ここのマングローブ林は、あまり泥っぽくなくて砂浜に発達している感じです。不思議でした。水の中は、僅かに淡水の影響を受けているようでしたが、基本的にどこまでさかのぼっても塩っぽい水に満たされていました。



マングローブだけあって、ノコギリガザミがうようよいます。ちょっとした深みに足を突っ込むと、すぐに硬くて痛い何かが突き刺さります。

この人は、マングローブのガイドをしてくれた方ですが、どんどんガザミを見つけては採っていき、すぐに両手がふさがって何もできなくなってしまいました。現地の人ももちろんこのカニが大好きです。ただ、採るのは大きいサイズの雄個体に限っているようです。タマゴ持ちの雌は採らないということでしょうかね。まあ雌をいくら見送っても、大きな雄はそこらじゅうにいるし、なによりマングローブなのに水はきれいに透き通り、黒っぽいカニは白い砂の背景に浮き上がって不自然なので、すぐにまた別の個体が採れてしまいます。本当に豊かな場所でした。
そのほか、写真には撮れなかったのですが、ここの海底にはツカエイがホントそこらじゅうにうじゃうじゃいました。

エイとサメを殺すな(殺されるなでは無く)と言われていたので、今回は採集しませんでしたが、いつか寄生虫の調査をしてみたいと思います。

だらだらと語るムードになってきましたので、次回で終了にします。
次回は、、ちょっと変わった生きものを最後に紹介して、次はなんのお話をしましょうかね〜。
では。
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