上野です。
タイトルに付けたように、今回で海研日誌カテゴリーで投稿された記事は100件目。
そして、僕の30回連載もついに最終回を迎えました。
進●ゼミも、ゼッ●会も、く●んもまったく続かなかった僕にとって、何かを30回続けたというのは、紛うことなき快挙です(親には悪いことをしました。。。。)
今日、実は他にも記念すべきことがありました。
僕の現在の仕事内容、それは一言ではなかなか説明出来ないのですが
一番基本的なところでは、海の生きものの神秘と向き合い、未だ知られていない事実を紐といてゆく、という崇高な内容に準ずるものです。
解き明かされた真実のすべては、世の中の人達が知ることが出来るように
なんらかの形、大体はまず科学論文というカタチで公表されます。
僕も、日頃研究した結果について論文を書いているのですが
今日は、審査に出していた論文が2つ受理、つまり審査を通過したという結果がとどきました。
一つ目は、淡水魚の寄生虫であるイカリムシに関する報告です。
今回の論文に使用した写真では無いのですが、これはヨシノボリの胴に寄生しているイカリムシです。半透明の胴体の中に詰まっているクリーム色の粒粒は、これから産み出されんとしているタマゴです。写真右下に写っているのは既に産み出されたタマゴで、じきに孵化して幼生となり、次の宿主(ホスト)を探します。ガンガン水中に幼生をばらまいています。この、幼生のまじった水を間違って汲んで帰ってしまうと、お宅のペットはイカリムシだらけになってしまいます。大きさは100マイクロメートルよりちょっと小さい程度なので、これよりも目の細かいフィルターでろ過してやれば、イカリムシ症を防ぐことは出来ると思うのですが、なかなか面倒ですよね。
魚はおろか、カエルやウーパールーパーなどにも寄生して、愛好家たちの目の敵にされている。そんなイカリムシですが、世界中に分布しているとされているだけあって、研究のネタも尽きません。僕の今回書いた論文には、そんな嫌われ者のイカリムシを、ちょっと好きになるかもしれない内容も含まれています。これは、沖縄生物学会誌の次号に掲載されます。興味をお持ちの方は、読んでみることをお薦めします。
先日ある人から、イカリムシってなんの仲間?うそ?カイアシ類?と言われました。イカリムシも正真正銘カイアシ類なのですが、意外と知られていない事実でしょうかね。このやりとりの相手、実は甲殻類の研究者です。
さて、続きましてこの写真
Fってなんだ?と思われるかもしれませんが、2つ目の論文で使用されるはずだったボツ図版です。うまそうなエクレアですが、研究に深く関係しています。これも沖縄生物学会誌に掲載されますので、気になりそうと言う方は、眠れなくなって日々の暮らしに支障が出、奥さんとの仲が悪くなる前に、是非沖縄生物学会に入会して、次号をゲットしましょう。
図を作るための試行錯誤の結果、購入されたエクレアは実に10個以上にも及びましたが、全て2日以内に消費されました。大好きなエクレアですが、一度に2つ食べると頭が痛くなるという新発見もあり、充実した2日間でした。しかも沖縄は気温が高く、買ったそばからチョコが溶けてほんとーに大変でした。
今回審査を通った論文は2つとも、生きものの分布に関する簡単な内容です。全ての生物研究は、どこかに生きる生物から始まるのですから、簡単ながらもこういう報告は非常に大事だと思います。
僕を突き動かす原動力は、「どこにどんな生き物がいるのか?」に集約されていると言っても良いと思います。こんな変なところに、こんな生き物が、こんな生き様で…を追求するのが僕の使命なのかな?地球上のあらゆる環境へ適応して進出したカイアシ類は、そんな僕が追求を続ける研究対象としては、うってつけですよね。
海研での、僕の研究員としての任期は終わりました。しかし、これからも研究を続け、神秘のカイアシワールドの中でダンスをし続けたいと思います。
それでは、最後に麗しいカイアシ類の写真をお見せしつつ、お別れといきましょう。
