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野田総理訪中と北朝鮮問題 [2011年12月26日(Mon)]
今回の野田総理の訪中は、北朝鮮の金正日総書記の死去により、北朝鮮問題がトピックの最重要テーマとなりました。

日本としては、これを機に拉致問題を進展させたいとの思惑があったものの、両者の認識には隔たりがあったようです。中国側には拉致問題に関して現時点で積極的に動くメリットがありません。むしろ、北朝鮮が暴発しないよう、北朝鮮を刺激しない政策に腐心するでしょう。中国では、家族関係で喪に服す期間はおよそ3年といわれています。そのため、中国は伝統的な「喪に服す」スタイルを表明し、この先2−3年は、北朝鮮の求めに応じて、エネルギーや食糧支援をしていくということになるのだと思います。

先日横田夫妻がテレビ出演し、「(北朝鮮とは)今後は、お互いに平和にやっていきましょう、平和な時代を築きましょうというスタンスでやっていくのがいいと思います。」、「中国との関係は非常に重要で、どうやって協力してもらえるかを政府は真剣に考えてほしい」と語っておられたのが印象的でした。そしてそれは以前の横田夫妻のスタンスとは若干異なるような印象も持ちました。

今の北朝鮮に「圧力」だけかけ続けても中国の支援は得られません。北朝鮮の体制の移行に伴い、拉致被害者の家族の皆さんの意向を最大限に考慮し、対北朝鮮政策を「対話と圧力」の「対話」に力点を置き、「中国からいかに支援を引き出すか」という対中政策の中で「対話」の具体的中身を考えていかなければならないでしょう。

そのためには、日米韓が北朝鮮問題で緊密に連携を図る一方、日中朝の枠組みも合わせて考えていかなければなりません。天安門事件後、先進国の中で中国と真っ先に関係を正常化させたのは日本でした。その頃、中国と韓国は国交さえ樹立していませんでした。米国、韓国との関係はもちろん重要ですが、そのことが日本外交の足かせとなってはいけません。日本は日本の国益に沿った、そしてこれまでの日中、日韓、日朝関係に照らし合わせた北東アジア外交を展開させていくべきです。

中国は、二国間関係、周辺国関係、グローバルな国と国の関係の3層構造で外交を考えます。日中関係は、中韓関係とも中朝関係とも異なります。日本側の「中国への拉致問題への協力要請」の中身をしっかりとつめていくべき時期に来ているのではないでしょうか。
Posted by 大沼みずほ at 14:36
2011日本青少年訪中団に参加して [2011年12月05日(Mon)]
先月下旬、日本青少年訪中団に参加して北京、昆明、広州を1週間かけて回ってきました。中国の環境・省エネの活動を視察するもので、私の属した分団には、およそ30名が参加。分団は環境コンサルティングや建設関係などの民間企業勤務者、大学教員、自治体職員、政治家秘書、NPOなど多彩な分野の人々で構成されていました。最初は慣れない様子のメンバーも帰国日にはすっかり打ち解けていました。

日本青少年訪中団事業は、中華全国青年連合会の招きで2008年より実施されています。中華全国青年連合会は、中国共産党の指導下にある団体の一つで、中国共産主義青年団(共青団)を核とする各青年団体の連合組織です。胡錦濤・国家主席や次期総理と目される李克強・国務院常務副総理の出身母体でもあります。こうした背景から、各地で共青団の書記がホストとして出迎えてくれました。

中でも印象的であったのが、周東・共青団昆明市委員会書記でした。32歳で同い年かつ女性ということもあって意気投合。日中間での環境・省エネに対する認識の違いや今後の日中間の経済協力など幅広い分野で意見交換できました。そして昆明の白酒を何杯も平気で乾杯する姿には本当にあっぱれ!という感じでした。

さらに昆明市は全国でも「幸福度の高い町」として毎年10位以内に位置づけられているということでした。ランクインされるための項目についてたずねたところ、「@安心・安全か A若者の失業率 B都市の環境政策 C出勤までの時間」などを点数化して決めるとのことでした。幸福度を測る指標として挙げられた4点ですが、この4点こそ中国の都市が抱えている問題でもありました。まさに表裏一体の関係です。治安の悪化、若者の失業率の増加、環境破壊、車所有者の急激な増加による道路混雑。これは、北京でも広州でも同様に深刻な問題でした。幸福度ランキングという言葉の中に、中国の抱える現在の問題を垣間見たような気がしました。
Posted by 大沼みずほ at 17:18
6ヵ国協議再開に向けて [2011年10月28日(Fri)]

北朝鮮を巡る動きが活発化しています。李克強・中国副首相が平壌とソウルを相次いで訪れる一方、スイス・ジュネーブでは米朝高官会談が開催されました。また、韓国、北朝鮮関係者が相次いでロシアを訪問しています。そして米国のパネッタ国防長官は就任後初の日韓インドネシア訪問を終えました。いずれでも、6ヵ国協議に向けた北朝鮮の核の問題を巡る話し合いがなされました。しかし、韓国を訪問したパネッタ国防長官は、北朝鮮との協議継続に向け、懐疑的との見方を示した上で、北朝鮮有事の際は「米軍が強大な軍事力を即時に提供する」と述べ、在日米軍の投入も視野に入れていることを明らかにしました。

今年に入り、活発化している6ヵ国協議再開に向けた動きの中で、日本の顔が見えません。25日のパネッタ国防長官との野田首相、玄葉外相、一川防衛相との会談での議題は普天間とグアム移転問題やサイバーテロ問題に終始し、北朝鮮を巡る突っ込んだ議論はなされませんでした。野田首相と玄葉外相の訪韓に際しても、北朝鮮問題が大きく取り上げられることはありませんでした。

北朝鮮の核を巡る問題は、在日米軍や拉致問題などすべての起点となっています。6ヵ国協議再開に向け、日本の「顔」の見える取り組みが求められています。
Posted by 大沼みずほ at 19:45
カダフィ氏の死亡とプーチンの再登場 [2011年10月21日(Fri)]
一人の独裁者がまた民衆の手によって葬られました。しかし、リビアの新国家づくりの将来は決して明るいものではありません。エジプトでは、ムバラク政権が倒された後も、混沌状態は続き、軍部と民衆の対立は深まっています。リビアでもすでに、国民評議会内の不和が外に聞こえ漏れている状態です。

ヨーロッパは、ギリシャ問題に揺れ、リビアでの利権争い以外、すなわち、リビアの民主化や経済の立て直しなどに積極的に介入する気もまた余力もないでしょう。国民評議会内で誰が権力を持ち、誰、もしくはどのグループと仲良くしていれば「石油」を安く手に入れることができるか。そうした安易な思惑でしかリビアの問題をとらえていないように感じます。

アフガニスタン、イラク、エジプト…独裁者は消えましたが、その後の国づくりはなかなか順調には進まずいまだ治安は回復されず、国民の多くが不安を抱えながら生活をしています。部族間対立、宗教と政治の距離、そして石油という利権。これらを統合して、民主的な方法で法治の下、解決していく。それは並大抵なことではありません。

金融危機後、民主主義国家での政策決定プロセスの限界が露呈されました。ギリシャ問題でも、ヨーロッパは民主主義と政策の間で悩ましい状況に追い込まれています。それでもなお、一人の指導者が何十年も権力の座につき、批判を受けないことの弊害の方が大きいのは明らかです。しかし、こうした混沌状態が続けば、民衆はおのずと「強いリーダーシップ」を求めます。

ロシアではプーチン氏が再び表舞台に立ち、旧ソ連圏での経済協力を通じて、ユーラシア連合を作り、EUや米国に対抗しようとしています。そして、強きリーダーの必要性を訴えています。もちろん、指導者にリーダーシップは必要です。しかし、それは、言論の自由や民主主義という土台に乗った上で常に選ばれ続けるという前提がなければなりません。言論の自由や民主化が制限された状況下での強いリーダーシップは独善的にならざるを得ないからです。

イラク、エジプト、リビア、そしてロシア。新しい国づくりにおいて強いリーダーシップはどうあるべきか。EUも米国もそして、日本も民主主義の限界を認めてもなお、民主主義下での強いリーダーシップのあり方を内外に示していく必要があります。
Posted by 大沼みずほ at 15:09
ミャンマーでの政治囚釈放 [2011年10月14日(Fri)]

ミャンマーで政治囚220名が釈放されたとのニュースが世界を駆け巡っています。アウンサンスーチー氏が軟禁を解除されてから1年余り。ミャンマー内でそろりそろりと民主化への道筋ができようとしているのでしょうか。それとも、これはミャンマー政府の国際社会の制裁をとくための一瞬の目くらませなのでしょうか。慎重に見ていかなければならないでしょう。

今回の政治囚釈放への判断には、ミャンマー政府での民主化を推し進めようとする勢力とそれに反対する勢力との間で激しい政治対立が繰り広げられていたに違いありません。中国の天安門事件では、最終的に、民主化に好意的だった趙紫陽はじめとする指導者は、次々と失脚に追い込まれていきました。民主化を推し進める大統領勢力と軍との対立が先鋭化せず、今回の政治囚釈放がミャンマーでの民主化へのソフトランディングへの着実な一歩になることを願ってやみません。

ミャンマーの民主化問題は、北朝鮮含む東アジア全体にも影響を及ぼしていくものと思われます。中国と国境を接しているミャンマーは、中国依存からの脱却という意味でも、民主化を進めようとしています。北朝鮮でも、ミャンマーのやり方は注視されていることでしょうから、今後の北朝鮮と米国などとの交渉においても、ミャンマーの動向は日本としても引き続きしっかりと見ていかなければなりません。

日本政府もこうしたニュースに積極的に世界に向かい発信していくことが大切です。特にアジアの国々のこうした動向については、民主主義、人権、平和といった価値をいかに共有の財産として築いていけるのかが鍵となっていきます。日々の発信力の積み重ねこそが外交の土台を作っていくのだと思います。
Posted by 大沼みずほ at 11:32
「風のたより 2011」 [2011年10月03日(Mon)]

長い夏季休業に入っておりました。いろんな方からご心配のメールやお電話を頂恐縮です。10月からまた再度ブログを開始させていただきます。

9月24日(土)「風のたより2011」というイベントにコメンテーターとして呼んでいただきました。各地で魅力的なまちづくりに頑張って取り組んでいるNPOの方々の発表会と「理想のまちづくり」をテーマとしたワークショップ。とても楽しかったです。

どのグループの活動も素敵でしたが、印象的だったのは、小田原の商店街の「小田原まちなか市場」。地元のものを地元で食べたい。そうした思いから始まったこの企画。とても大切なことだなと思いました。最近、宇都宮に引っ越し、市内のデパートから栃木産のぶどうを贈答用で送ろうと思ったら、デパートで売られていたのは、長野県産、岡山県産のものばかりでした。もちろん、いろんな種類があることは大切ですが、ぶどうが旬の時期に、栃木県産のぶどうがスーパーでは売っているのに贈答用では販売されていないというのは少しさみしい気分になりました。

また、高知県のばうむ合同会社では、親子で手作りの勉強机をつくるための活動をしており、木のぬくもりと親子のぬくもり。そして、それをバックアップする青年実業家の方々のぬくもりを感じる温かい発表でした。今でも実家に戻ると幼いころの勉強机に座って中学・高校時代を思い出す…。そんな方も多いのではないでしょうか。

ワークショップでは、「理想のまちづくり」について、いくつかのグループに分かれて議論しました。私が気になった「キーワード」は、「寄り道したくなるまち」。でした。緑がいっぱい、おいしいものがいっぱい。人とのつながりがある。治安がいい・・・いろんなキーワードが生まれましたが、「寄り道したくなるまち」というのはとても素敵なまちだと思います。この言葉、ある女子学生さんが書き出していましたが、こうした発想力。大切だなと改めて思いました。

そして、発表会の前、午前中に見た映画「ふるさとがえり」。ふるさとを思う気持ちはどこにいても、一緒。ふるさとって何だろう。そう思うとてもいい映画でした。

各地でふるさとのために頑張っている皆さんからたくさんのエネルギーをもらいました。
ありがとうございました。

Posted by 大沼みずほ at 16:25
野党時代のままの総理 [2011年07月14日(Thu)]

菅総理の「脱原発依存宣言」を聞いて社民党の福島みずほ党首は「自民党政権にはできなかったこと」と称賛し、自民党の石破茂政調会長は「単なるポピュリズム」と切り捨てました。現在野党となった自民党は、これまでの原発政策を検証する委員会を立ち上げ、最近は、総理を追及する姿勢もだんだんと板について野党らしくなってきています。

それに引き換え、菅総理は永遠に野党時代のままです。野党時代は、与党が抱える問題を見つけ出し、徹底的に与党を攻撃する能力が求められます。野党時代に、菅さんが、歴代の総理を追求する姿はかっこよかったものです。

しかし野党時代のようにはいきません。消費税、TPP、税と社会保障の一体化、脱原発依存などどれもテーマを打ち上げっぱなしでは、政策は動きません。政策のすり合わせのために、国民、民主党内の合意形成という調整手腕が与党政治家には求められます。

自民党が自らの与党時代の政策を見直していくという姿勢であるのに対し、菅総理も、自らのこれまでの総理としての仕事を検証し、未来に向けての行動をとるべきです。
Posted by 大沼みずほ at 16:04
原発再稼働に関する政府統一見解 [2011年07月12日(Tue)]
原発再稼働に関する政府の統一見解が出されましたが、どうも解せないのは再稼働に関して全く現場感が感じられないことにあります。福島の事故を受け、新たな安全基準を設けるのは当然のことです。しかし、ただ単純に安全委員会が新たにチェックすればいい問題なのか。一次評価と二次評価と二段階評価方式を導入すればいいのか。いずれにしても、国民に、「政府はより安全なルールを取り入れます」といっただけで本質的な事柄には何も対応していないように思うのです。つまり、「新たなルールを決める」ことが目的化して、なぜ新たなルールを作るのかの議論やルール以外に必要なものは何かを現場の声として集約するといった裏打ちがこの見解からは全く感じられません。

本来、より重要なのは、二重チェックよりも、事故災害訓練など、運用や対応策へ力点が置かれるべきなのではないかと思うのです。いくらチェックを何度しても、事故対応で被害を出さないようにしなければ新たなルールも絵に描いた餅にしかなりません。

今回の政府統一見解は、3.11後、4か月間議論した結果とは到底思えない方針です。古川佐賀県知事との会談をしたくない菅総理がいい出したその場しのぎの見解としか思えません。
Posted by 大沼みずほ at 17:22
「江沢民、死去か」の報道から [2011年07月07日(Thu)]

共産党90周年祝賀大会に出席しなかったことから、健康不安説が流れていた江沢民前国家主席。香港メディアなどの報道を受け、日本でも一気に江沢民死亡説が流れました。中国当局は死亡説を否定しているものの、江沢民の容体が芳しくないことは確かなのでしょう。

南米ベネズエラのチャベス大統領や北朝鮮の金正日総書記といった現職の国家元首にもたびたび危篤説・死亡説が流れ、その都度当局は否定に懸命になってきました。政治権力が集中している独裁国家にとって、元首の死亡はその国の政治情勢に大きな影響を与えます。江沢民は国家主席の座からは降りたもののその後も政治への影響力はかなり大きかったといえます。それは、胡錦濤国家主席の後継として大本命であった李克強を抑えて習近平をその後継に据えるなどの工作にも深くかかわったとされていることからも伺えます。

江沢民時代に、驚異的な経済成長で大国意識を持ち始めた中国。胡錦濤時代に入り、格差社会の固定化や利益集団の政治へのぶら下がりなど多くの問題を抱えており、今後も国内問題の解決方法を巡って多くの権力闘争が内部で繰り広げられていくものと思われます。2012年の党大会を前に、江沢民・前国家主席が死去となれば、その影響は少なからず、ポスト胡錦濤時代の権力闘争に影響を与えるものと思われます。
Posted by 大沼みずほ at 15:19
松本復興相の辞任 [2011年07月05日(Tue)]
昨日のニュースは、松本復興相の岩手県・宮城県の訪問とそこでの話しぶりが話題となりました。そして今朝には辞任の速報。いずれのニュースでも、開いた口がふさがらないほどの発言、釈明が流れ、目が飛び出るかと思いました。

国難にあって国と自治体が協力して復興していくのは当たり前の話以前の問題です。国と自治体の信頼関係を損ねては、復興は絶対にうまくいきません。これまで国がもたもたしてすみませんでした。といういうべきところを、知恵を出さないやつは助けないとはあまりにもひどい話で被災地の方々のこれまでの努力をすべてけなすような感じを受けました。

そもそも、民主党にとって「地域主権」は一丁目一番地の政策だったはず。中央集権体制を見直して、地域に権限と財源を移し、国と自治体は対等な立場で今後の日本について知恵を出し合う協力関係を構築すること。それを目指した政党が民主党だったのではなかったのでしょうか。「地域主権」という言葉は法案成立過程ですでに消えてしまいましたが、大臣はそもそも「地域主権」という概念を知っていらっしゃったのか。マニフェストをきちんと読まれたことはあったのか。国と自治体に上下関係があるような口調はまるで、地域主権という概念など聞いたことも見たこともないといった方の口調にしか見えませんでした。

「民主党も自民党も公明党も嫌いだ」と就任会見でいいのけた松本復興相。今の国民の多くはそう感じているかもしれません。であるなら、次なる復興相は、民間大臣しかもすくなくとも2〜3年間、政治にかかわらず復興に専念できる方。そうした方がなるべきです。

それにしても、昨日の「女房に言われて」「九州人だから」「B型で短絡的だから」との釈明を聞いても、今朝のカズオ・イシグロの「Never let me go」を引き合いに出された辞任会見を見ても、九州人もB型の人もカズオ・イシグロもそのファンもいい迷惑だったに違いありません。
Posted by 大沼みずほ at 17:05
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