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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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『★ホタテ漁船遭難事件、救命胴衣の魅力★』[2008年04月14日(月)]

先日(4月5日)未明、青森県の陸奥湾の沖合い約1,500メートルの海域で、ホタテ漁を行っていた、青森市漁協・久栗坂支所所属の漁船“日光丸(5・1トン)が遭難した事件の続報です。

この事故では、船長ら8人の乗組員のうち6人が死亡、2人がいまだに行方不明となっています。漁協は一昨日(4月12日)、中断していたホタテ漁を再開することを決定しました。天候さえ良ければ、予定どおり、本日(4月14日)から、ホタテ漁が再開されているはずです。

既に“日光丸”の沈没船体の所在は確認され、海上保安庁や地元漁協による捜索活動が続けられてきました。

しかし、悪天候などに邪魔され、捜索は難航を極め、一週間が経過しても、残る2人の発見には至りませんでした。

そのため、事故から一週間後の4月12日、青森海上保安部などで構成される対策本部が解散され、事実上、捜索の打ち切りが決定されたのです。苦渋の決断でした。なお、“日光丸”の船体の引き揚げについては、今後、漁協が業者と協議し、日程を決めるとのことです。

また、報道によれば、対策本部による最後の会議の席上、海上保安庁から漁協に対し、「亡くなられた6人は救命胴衣を着けていなかった。はなはだ残念である。」との発言があったそうです。

漁協では、全員着用の徹底を図るため、既に救命胴衣の追加発注を行い、間に合わない分に関しては、組合内で貸し借りをして間に合わせるとも報じられています。

先週、4月1日から、「船舶職員及び小型船舶操縦者法」の一部が改正され、航行中の小型漁船に一人で乗船して漁労に従事している場合、救命胴衣の着用が義務付けられました。

しかし、今回の“日光丸”のような、複数が乗り組む漁船の場合、救命胴衣着用の強制規程には至っていません。

多くの漁協が、救命胴衣の重要性を真摯に受け止め、自主的な着用キャンペーンに取り組む一方、いまだ漁業者には、「こんなものを着けていては、機敏に動けない。漁の邪魔だ!」とする考えが潜在するのも事実のようです。

せっかく、出港時には着用していても、いざ、漁が佳境に入ると、邪魔になり、脱いでしまうなどの事例も見受けられるとのことです。救命胴衣の着用により、救命率が格段に向上することは、漁業者ならば、誰もが知っているはずです。しかし、いざ洋上で漁が始まると、完全徹底され切っていないのが、悲しいかな現状なのです。

ひとたび、海難が起きた場合、尊い命が失われるばかりか、多くの僚船が捜索にあたるため、貴重な漁期を逃すことにもつながります。

こうしたことを考えると、救命胴衣の着用は漁業者の常務として、ごく自然に受け入れられて然るべき行動です。しかし、自身が海難の不運に見舞われるなど、漁業者の誰もが考えていません。いや、考えたくもありません。「自分だけは大丈夫!」と思うのが人の常なのです。

こうしたこともあり、せっかくのキャンペーンにもかかわらず、救命胴衣着用の徹底がなされないようなのです。

救命胴衣のメーカーでも、作業の邪魔にならない、できる限り簡易な救命胴衣の開発を進めてきました。漁業者などを対象とした、“作業合羽”と一体化したような製品も売り出されています。真剣に探せば、作業性を損なわない、魅力ある良い品が見つけられると思うのですが。



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