『今年の十大ニュース、海の事故・事件編』[2006年12月05日(火)]
師走を迎え、報道などで、十大ニュースの話題が世間を賑わす頃かと思います。

月並みかもしれませんが、本ブログで今年一年間、取り上げてきた様々な事故・事件につき、私の独断によって、十大ニュースを挙げてみました。いかがでしょうか?
1位 知床海鳥漂着事件
2位 鹿島灘、ジャイアント・ステップ号座礁海難
3位 女川港、第七千代丸遭難事故
4位 旧江戸川、クレーン船による送電線損傷事故
5位 北方海域、第31吉進丸銃撃・拿捕事件
6位 鹿島灘、連続座礁海難(オーシャン・ビクトリー号及びエリーダ・エース号)
7位 日向灘、潜水艦接触事故
8位 アリューシャン沖、大型自動車運搬船横転海難
9位 フィリピン中部ギマラス島沖、重油流出事故
10位 和歌山沖、元豪華客船スカンジナビア号沈没海難
以下に、主なニュースの概要を掲げます。詳しく振り返りたい方は、ブログの記事をご覧ください。
1位 =知床海鳥漂着事件=
本年2月27日、知床の遠音別川河口付近の海岸に立ち入った一人の旅行者が、数十羽にのぼる油に汚染された海鳥の死骸が周囲に散在しているのを発見した。
その後、油に汚染された海鳥の死骸は、地元自治体やNGOなどの手によって、知床半島の斜里町を中心に、隣接した小清水町、網走市などで続々と発見された。その回収量は最終的に約5,600羽に達した。
これらに、国後島など北方領土で回収された分を加えると、8,000羽は優に超える。一般に、油に汚染された海鳥の死骸が回収された場合、実際に被害にあった海鳥の数は、その10倍から30倍程度と見るのが妥当とされている。したがって、今回の事件も、実際の被害鳥の数は10万羽を超えていると考えられる。
通常、海上で油流出事故が発生し、その影響が海岸部に及ぶ場合、当該海岸には流出油本体に加え、油に汚染されたごみ等の油性廃棄物、さらに、油に汚染された海鳥等の野生動物、以上の三点がセットで漂着するのが一般的である。
しかしながら、今回の事件では、海岸には油に汚染された海鳥のみが漂着し、油本体あるいは事故の痕跡であるオイルボールその他の油性廃棄物は一切漂着しなかった。なお、関係機関の分析結果から、海鳥を汚染した油はC重油であることが判明した。
事件の原因として、当初、昨年12月、サハリン東北部の石油採掘プラットフォームで発生した燃料重油の漏洩事故、あるいは、同時期にサハリン中東部の湖で発生したパイプライン腐食による原油漏洩事故などが噂されたが、油種の違い等により、早い段階から候補から消されていった。
特に、限りなく“クロ”に近い灰色として、多くの人々に指摘され続けてきたのが、昨年11月15日、サハリン中部東岸において発生した原油タンカー“O号”の座礁事故であった。しかしながら、その後の調査により、“O号”の事故は奇跡的とも言える幸運が重なり、油の流出を免れていた可能性が高いことが明らかになるにつれ、“犯人説”も次第に下火となっていった。
こうした中、漂着側の物証(海鳥の死骸)と“O号”犯人説に代表される状況証拠しか存在しなかった本事件に関し、ついに流出源と思しき物証が登場した。それは、昨年11月22日、“ひれ足動物”の世界三大楽園の一つであり、また、今回の被害鳥の太平洋三大コロニーとしても名高い、チュレニー島及びテルペニア岬付近を捉えていた衛星画像である。
同画像には、三地点に流出油と思しき黒い影が認められている。うち、一地点については、黒い影がここを中心に西方海上に向かい扇状に広がっていることから、直下の海底を固定排出源とする説が有力視された。原因として、原油の自然漏洩、沈没船・廃棄船・放置船(又はタンク)からの漏洩等が考えられ、現地での本格的調査を期待する声が高まったが、実施されず、原因不明のまま二度目の冬を迎えようとしている。
2位 =鹿島灘、ジャイアント・ステップ号座礁海難=
10月6日午後5時頃、台風以上に発達した低気圧の影響により、パナマ船籍の鉱石船「ジャイアント・ステップ号(98,587総トン)」が茨城県鹿島港沖に座礁し、船体が二つに断裂した事故。
この事故により、乗組員26人(インド人25人、パキスタン人1人)のうち、船首付近にいた13人が海中に転落した。うち、5人が自力で付近海岸に流れ着き救助されが、インド人乗組員1人が搬送先の病院で死亡、また、他3人が重軽傷を負った。
また、船尾のブリッジにとどまっていた、船長ら13人の乗組員は、翌日早朝までに、海上保安庁のヘリコプターによって、無事吊り上げ救助された。
しかしながら、(海中転落した)残り9人については、その後、1人の死亡が確認されたものの、残り8人は行方不明のままである。
その後、同号の船体は3分断し、断続的に燃料重油の流出が続いた。船体からの重油の抜き取り作業は、当初、困難を極めたが、現時点ではほぼ終了している。しかし、船骸撤去の見通しは、立っていない。
同号は邦船M社が運航し、9月11日、豪州のポートウォルコット港を出航、9月25日、鹿島港沖に到着し、岸壁での荷役順番待ちのため、投錨していたところ、しかしながら、10月6日午後1時頃、風速30m前後の暴風と8mに達する高波のため、錨を揚げて安全な沖合へ移動しようとしたが失敗、付近の浅瀬に座礁したもの。
地元の茨城海上保安部は、低気圧の影響で風・波が強くなる可能性が高いと判断、事故の前日には、鹿島港の船舶代理店等に対し、安全な港や海域に避難することを勧める文書をファックスで流し、停泊船への注意を呼びかけていた。
3位 =女川港、第七千代丸遭難事故=
10月6日夜、宮城県女川港沖で、大型サンマ漁船「第七千代丸(198トン)」が遭難した事故。
同船は三陸沖の漁場から、水揚げのため女川港に入港する直前の事故。当時、現場海域は、急速に発達した低気圧により大時化で、最大風速は30メートル、波高は7メートルに達していた。
乗組員16人のうち8人の死亡が確認されたが、残り8人は行方不明のまま。船体の引き揚げ作業が行われ、年内にも完了する見込み。
同船は入港のための変針時、ブローチング・トゥー(大波に翻弄され、操舵不能な状態となること)、または、プーピング・ダウン(船側・船尾を飛び越えた大波が、直接船体構造物を襲い掛かる現象)に陥ったと推測される。
4位 =旧江戸川、クレーン船による送電線損傷事故=
8月14日、午前7時37分、旧江戸川を航行中の茨城県のM建設会社所有のクレーン船が、川を横断して敷設されている特別高圧送電線に接触し、これを損傷した事故。
同船は船首から小型曳船に曳航され、また、船尾には同じく小型曳舟を連結し、新木場の貯木場から、旧江戸川内の千葉県浦安市に所在する、堀江船溜での浚渫現場に向かう途中、クレーンのブームを立てたための事故であった。
結果、東京都心部、横浜市北部、川崎市西部、市川市及び浦安市の一部で、約139万戸が停電に至り、また、JR京葉線、東急電鉄、東京メトロなど、9電鉄事業者の18路線で運休や列車の停止などの被害が生じ、約35万人の通勤・通学客などに影響が及んだ。

月並みかもしれませんが、本ブログで今年一年間、取り上げてきた様々な事故・事件につき、私の独断によって、十大ニュースを挙げてみました。いかがでしょうか?
1位 知床海鳥漂着事件
2位 鹿島灘、ジャイアント・ステップ号座礁海難
3位 女川港、第七千代丸遭難事故
4位 旧江戸川、クレーン船による送電線損傷事故
5位 北方海域、第31吉進丸銃撃・拿捕事件
6位 鹿島灘、連続座礁海難(オーシャン・ビクトリー号及びエリーダ・エース号)
7位 日向灘、潜水艦接触事故
8位 アリューシャン沖、大型自動車運搬船横転海難
9位 フィリピン中部ギマラス島沖、重油流出事故
10位 和歌山沖、元豪華客船スカンジナビア号沈没海難
以下に、主なニュースの概要を掲げます。詳しく振り返りたい方は、ブログの記事をご覧ください。
1位 =知床海鳥漂着事件=
本年2月27日、知床の遠音別川河口付近の海岸に立ち入った一人の旅行者が、数十羽にのぼる油に汚染された海鳥の死骸が周囲に散在しているのを発見した。
その後、油に汚染された海鳥の死骸は、地元自治体やNGOなどの手によって、知床半島の斜里町を中心に、隣接した小清水町、網走市などで続々と発見された。その回収量は最終的に約5,600羽に達した。
これらに、国後島など北方領土で回収された分を加えると、8,000羽は優に超える。一般に、油に汚染された海鳥の死骸が回収された場合、実際に被害にあった海鳥の数は、その10倍から30倍程度と見るのが妥当とされている。したがって、今回の事件も、実際の被害鳥の数は10万羽を超えていると考えられる。
通常、海上で油流出事故が発生し、その影響が海岸部に及ぶ場合、当該海岸には流出油本体に加え、油に汚染されたごみ等の油性廃棄物、さらに、油に汚染された海鳥等の野生動物、以上の三点がセットで漂着するのが一般的である。
しかしながら、今回の事件では、海岸には油に汚染された海鳥のみが漂着し、油本体あるいは事故の痕跡であるオイルボールその他の油性廃棄物は一切漂着しなかった。なお、関係機関の分析結果から、海鳥を汚染した油はC重油であることが判明した。
事件の原因として、当初、昨年12月、サハリン東北部の石油採掘プラットフォームで発生した燃料重油の漏洩事故、あるいは、同時期にサハリン中東部の湖で発生したパイプライン腐食による原油漏洩事故などが噂されたが、油種の違い等により、早い段階から候補から消されていった。
特に、限りなく“クロ”に近い灰色として、多くの人々に指摘され続けてきたのが、昨年11月15日、サハリン中部東岸において発生した原油タンカー“O号”の座礁事故であった。しかしながら、その後の調査により、“O号”の事故は奇跡的とも言える幸運が重なり、油の流出を免れていた可能性が高いことが明らかになるにつれ、“犯人説”も次第に下火となっていった。
こうした中、漂着側の物証(海鳥の死骸)と“O号”犯人説に代表される状況証拠しか存在しなかった本事件に関し、ついに流出源と思しき物証が登場した。それは、昨年11月22日、“ひれ足動物”の世界三大楽園の一つであり、また、今回の被害鳥の太平洋三大コロニーとしても名高い、チュレニー島及びテルペニア岬付近を捉えていた衛星画像である。
同画像には、三地点に流出油と思しき黒い影が認められている。うち、一地点については、黒い影がここを中心に西方海上に向かい扇状に広がっていることから、直下の海底を固定排出源とする説が有力視された。原因として、原油の自然漏洩、沈没船・廃棄船・放置船(又はタンク)からの漏洩等が考えられ、現地での本格的調査を期待する声が高まったが、実施されず、原因不明のまま二度目の冬を迎えようとしている。
2位 =鹿島灘、ジャイアント・ステップ号座礁海難=
10月6日午後5時頃、台風以上に発達した低気圧の影響により、パナマ船籍の鉱石船「ジャイアント・ステップ号(98,587総トン)」が茨城県鹿島港沖に座礁し、船体が二つに断裂した事故。
この事故により、乗組員26人(インド人25人、パキスタン人1人)のうち、船首付近にいた13人が海中に転落した。うち、5人が自力で付近海岸に流れ着き救助されが、インド人乗組員1人が搬送先の病院で死亡、また、他3人が重軽傷を負った。
また、船尾のブリッジにとどまっていた、船長ら13人の乗組員は、翌日早朝までに、海上保安庁のヘリコプターによって、無事吊り上げ救助された。
しかしながら、(海中転落した)残り9人については、その後、1人の死亡が確認されたものの、残り8人は行方不明のままである。
その後、同号の船体は3分断し、断続的に燃料重油の流出が続いた。船体からの重油の抜き取り作業は、当初、困難を極めたが、現時点ではほぼ終了している。しかし、船骸撤去の見通しは、立っていない。
同号は邦船M社が運航し、9月11日、豪州のポートウォルコット港を出航、9月25日、鹿島港沖に到着し、岸壁での荷役順番待ちのため、投錨していたところ、しかしながら、10月6日午後1時頃、風速30m前後の暴風と8mに達する高波のため、錨を揚げて安全な沖合へ移動しようとしたが失敗、付近の浅瀬に座礁したもの。
地元の茨城海上保安部は、低気圧の影響で風・波が強くなる可能性が高いと判断、事故の前日には、鹿島港の船舶代理店等に対し、安全な港や海域に避難することを勧める文書をファックスで流し、停泊船への注意を呼びかけていた。
3位 =女川港、第七千代丸遭難事故=
10月6日夜、宮城県女川港沖で、大型サンマ漁船「第七千代丸(198トン)」が遭難した事故。
同船は三陸沖の漁場から、水揚げのため女川港に入港する直前の事故。当時、現場海域は、急速に発達した低気圧により大時化で、最大風速は30メートル、波高は7メートルに達していた。
乗組員16人のうち8人の死亡が確認されたが、残り8人は行方不明のまま。船体の引き揚げ作業が行われ、年内にも完了する見込み。
同船は入港のための変針時、ブローチング・トゥー(大波に翻弄され、操舵不能な状態となること)、または、プーピング・ダウン(船側・船尾を飛び越えた大波が、直接船体構造物を襲い掛かる現象)に陥ったと推測される。
4位 =旧江戸川、クレーン船による送電線損傷事故=
8月14日、午前7時37分、旧江戸川を航行中の茨城県のM建設会社所有のクレーン船が、川を横断して敷設されている特別高圧送電線に接触し、これを損傷した事故。
同船は船首から小型曳船に曳航され、また、船尾には同じく小型曳舟を連結し、新木場の貯木場から、旧江戸川内の千葉県浦安市に所在する、堀江船溜での浚渫現場に向かう途中、クレーンのブームを立てたための事故であった。
結果、東京都心部、横浜市北部、川崎市西部、市川市及び浦安市の一部で、約139万戸が停電に至り、また、JR京葉線、東急電鉄、東京メトロなど、9電鉄事業者の18路線で運休や列車の停止などの被害が生じ、約35万人の通勤・通学客などに影響が及んだ。



