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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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知床に行きます、知床海鳥漂着事件[2006年04月05日(水)]
あさって、金曜日から知床に行きます。帰京後のレポートにご期待ください。

さて、以前のレポートで、米国の自然資源トラスティーの話をしました。国民になりかわり、国民の財産としての自然環境や野生動物を守る制度のことでしたね。これについて、以下のご質問を頂きました。わかる範囲で、お答えいたします。

>米国が、自然資源トラスティーの概念を
>導入する過程につき情報をお持ちでしたら
>ご教示お願いいたします。

トラスティーの歴史は古いのですが、本格的に利用されたのは、1989年、エクソンバルディーズ号事故です。同事故は、推定約30万羽(実際の死体数は約3万6千羽)の海鳥と、推定約3,700〜5,700頭(実際の死体数は約700頭の海獣類が被害を受けた、米国最悪の環境災害に発展しました。

同事故を教訓とて、連邦油濁法”OPA90”が整備されてから、自然資源トラスティーの実効性に磨きがかかりました。

導入にあたっては、最低限、自然資源損害アセスメント(NRDA)のための専門家チームの育成やプログラムの構築が必要です。

つまり、自然環境の破壊を、ただ「困ったことだ」と主観的に捉えてはいけないのです。国民が被った損害として客観的に捉え、数値的に評価し、当該損害を原状回復するために必要な手法まで明らかにする、専門家やプログラム(計画)が、トラスティー導入に際しての最低限の条件となります。

こうした能力を持って、初めて、トラスティー制度導入の土俵に立てるわけです。日本では”NRDA”自体、今回の対馬での海鳥漂着事件に際し、今年初めてNGOによってが試行された段階に過ぎません。

日本国民が、自然環境や野生動物を自らの財産と認識できるのか。また、こうした制度を導入し、お金をかけてまで国民が自然環境を大切にできるのか。日本の既存の法制度や仕組みと、うまいことマッチするのか。こうしたことを含め、まだまだ道のりは、険しいのです。
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