『PSSA認定の必要性、知床海鳥漂着事件』[2006年07月18日(火)]
知床海鳥漂着事件を教訓とした今後の予防策に関し、今日は大きな枠組みでの話をしましょう。
さて、今回の事件の舞台となったオホーツク海は、アムール川流域の針葉樹林からもたらされる滋養分により、世界有数の豊饒な海です。特に、水産資源はその種類・量ともに豊富で、日露両国民に海の恵を与え続けてきました。
また、最近の研究では、オホーツク海は日本海・北太平洋とは狭い海峡で繋がった閉鎖性海域でありながら、実は北太平洋の水をリフレッシュする重要な役割を担っていることがわかりました。すなわち、オホーツク海の重要性は、日露両国民のみならず、北太平洋沿岸国民も認識して然るべき、紛れも無い事実なのです。
ところで、オホーツク海は日露両国に面していますが、北海道沿岸域の一部を除き、そのほとんどが、ロシアの領海であり、または、ロシアのEEZ(排他的経済水域)であるのです。公海はオホーツク海の中央部に、ごくわずか存在するに過ぎません。
したがって、オホーツク海の実効支配、ひいてはオホーツク海の海洋環境保全に関し、ほぼ独占的な影響力を有しているのは、ロシアなのです。
ところで、船舶が原因の海洋汚染防止に関しては、海洋の連続性・接続性という観点から、国際ルールの策定による対応が基本となっています。国際ルールの策定は、ロンドンに本部を持つ国連の下部機関、IMO(国際海事機関)が所掌しています。
IMOは“MARPOL73・78条約(国際海洋汚染防止条約)”のほか、“OPRC条約(油汚染に係る準備・対応・協力に関する国際条約)”、“TBT条約(有害防汚塗料禁止条約)”など、船舶起因の海洋汚染防止のための様々な条約を策定してきました。
しかしながら、これらの国際ルールは、世界のすべての海域に一律に課すことを前提としています。その一方で、特に環境保全の重要性が高い海域については、“特別鋭敏海域(PSSA:Particularly Sensitive Sea Area)”への格上げ制度が設けられています。
具体的には、従来の豪州グレートバリアリーフ、キューバ周辺海域、コロンビアのマルペル島周辺海域、フロリダのキー周辺海域、北欧のワデン海に加え、最近では、パプアニューギニアのトレス海峡、カナリア諸島、ガラパコス諸島、バルチック海が認定されました。また、南ア周辺海域についても、現在、審査中です。
これら、PSSAに認定された海域ついては、一律の国際ルールにこだわらず、特別な海洋環境保護対策を強化することが可能となるのです。例えば、タンカーの航行ルートを指定したり、船の位置を逐次通報する制度を構築したり、水先人の乗船による安全運航を強制したりなどです。
オホーツク海に当てはめた場合、第二の“O号事件”、そして、場合によっては第二の“知床海鳥漂着事件”、ひいてはサハリン計画に伴う大規模油流出事故の蓋然性に関し、極めて有力な事前防止策となり得るのです。
オホーツク海、特にテルペニア岬の周辺海域や知床沿岸海域は言うまでも無く、オホーツク海全体が、他の海域と同様、PSSAに認定されても決して不思議は無い海域なのです。要は、オホーツク海の海洋環境保全に関し、ほぼ独占的な影響力を有しているロシア次第なのです。
しかしながら、PSSAに認定された場合、制度の構築に関し沿岸国の経済的負担を伴い、また、開発行為に支障が出るなど、社会的弊害を伴います。したがって、オホーツク海のPSSA認定に関しては、ロシアが首を縦に振らないのが実情です。
オホーツク海の海洋環境保全は必要かつ重要です。しかしながら、国際的・抜本的な保護措置は、十分とはいえないのが現状です。PSSAの認定一つにしても、ロシアに任せきりでは今後の可能性はまったく見込めません。日本による相応の協力が必要でしょう。無論、経済的負担を伴います。まずは、日本国民が、苦しい財布事情にあっても、オホーツク海の自然を是非とも守りたいという認識を持ってこそ、はじめて土俵に乗れる話でしょう。
さて、今回の事件の舞台となったオホーツク海は、アムール川流域の針葉樹林からもたらされる滋養分により、世界有数の豊饒な海です。特に、水産資源はその種類・量ともに豊富で、日露両国民に海の恵を与え続けてきました。
また、最近の研究では、オホーツク海は日本海・北太平洋とは狭い海峡で繋がった閉鎖性海域でありながら、実は北太平洋の水をリフレッシュする重要な役割を担っていることがわかりました。すなわち、オホーツク海の重要性は、日露両国民のみならず、北太平洋沿岸国民も認識して然るべき、紛れも無い事実なのです。
ところで、オホーツク海は日露両国に面していますが、北海道沿岸域の一部を除き、そのほとんどが、ロシアの領海であり、または、ロシアのEEZ(排他的経済水域)であるのです。公海はオホーツク海の中央部に、ごくわずか存在するに過ぎません。
したがって、オホーツク海の実効支配、ひいてはオホーツク海の海洋環境保全に関し、ほぼ独占的な影響力を有しているのは、ロシアなのです。
ところで、船舶が原因の海洋汚染防止に関しては、海洋の連続性・接続性という観点から、国際ルールの策定による対応が基本となっています。国際ルールの策定は、ロンドンに本部を持つ国連の下部機関、IMO(国際海事機関)が所掌しています。
IMOは“MARPOL73・78条約(国際海洋汚染防止条約)”のほか、“OPRC条約(油汚染に係る準備・対応・協力に関する国際条約)”、“TBT条約(有害防汚塗料禁止条約)”など、船舶起因の海洋汚染防止のための様々な条約を策定してきました。
しかしながら、これらの国際ルールは、世界のすべての海域に一律に課すことを前提としています。その一方で、特に環境保全の重要性が高い海域については、“特別鋭敏海域(PSSA:Particularly Sensitive Sea Area)”への格上げ制度が設けられています。
具体的には、従来の豪州グレートバリアリーフ、キューバ周辺海域、コロンビアのマルペル島周辺海域、フロリダのキー周辺海域、北欧のワデン海に加え、最近では、パプアニューギニアのトレス海峡、カナリア諸島、ガラパコス諸島、バルチック海が認定されました。また、南ア周辺海域についても、現在、審査中です。
これら、PSSAに認定された海域ついては、一律の国際ルールにこだわらず、特別な海洋環境保護対策を強化することが可能となるのです。例えば、タンカーの航行ルートを指定したり、船の位置を逐次通報する制度を構築したり、水先人の乗船による安全運航を強制したりなどです。
オホーツク海に当てはめた場合、第二の“O号事件”、そして、場合によっては第二の“知床海鳥漂着事件”、ひいてはサハリン計画に伴う大規模油流出事故の蓋然性に関し、極めて有力な事前防止策となり得るのです。
オホーツク海、特にテルペニア岬の周辺海域や知床沿岸海域は言うまでも無く、オホーツク海全体が、他の海域と同様、PSSAに認定されても決して不思議は無い海域なのです。要は、オホーツク海の海洋環境保全に関し、ほぼ独占的な影響力を有しているロシア次第なのです。
しかしながら、PSSAに認定された場合、制度の構築に関し沿岸国の経済的負担を伴い、また、開発行為に支障が出るなど、社会的弊害を伴います。したがって、オホーツク海のPSSA認定に関しては、ロシアが首を縦に振らないのが実情です。
オホーツク海の海洋環境保全は必要かつ重要です。しかしながら、国際的・抜本的な保護措置は、十分とはいえないのが現状です。PSSAの認定一つにしても、ロシアに任せきりでは今後の可能性はまったく見込めません。日本による相応の協力が必要でしょう。無論、経済的負担を伴います。まずは、日本国民が、苦しい財布事情にあっても、オホーツク海の自然を是非とも守りたいという認識を持ってこそ、はじめて土俵に乗れる話でしょう。




