『★笠戸島の爆発の想い出と本当の爆発★』[2008年11月26日(水)]
先日のブログでは、かつて私が船乗りだった時分、頻繁に入渠した因島ドックの思い出話を取り上げました。
さて、私の船乗り生活最後のドックといえば、自動車運搬船D丸で入渠した山口県・笠戸島のドックでした。
当時、私たち夫婦は結婚7年目を迎えていましが、どういうわけか、子宝には恵まれていませんでした。家族寮は家電製品から食器にいたるまで、家財道具一式が揃った集合住宅の一室、東京から馳せ参じた妻と、久しぶりの夫婦水入らずの生活が始まったのでした。
しかし、一週間限定の生活です。ドックでの検査や修理を終えると、私は妻と別れD丸は再びペルシア湾に向うためです。
笠戸島での生活が始まった最初の朝でした。妻は朝餉の支度に取り掛かっていました。私は布団に包まり、“うつらうつら”としていました。
味噌汁や焼き魚から漂う良い香りや、包丁がまな板を叩く規則的な音が、徐々に私を覚醒させてゆきます。何にも換えがたい、理想的な“目覚まし時計”なのです。
その時でした。突然、“ドン”と鈍く短い爆発音が一つ、狭い室内に響き渡りました。反射的に布団を跳ね除け起き上がった私は、「どうした! 何があったんだ? 」と叫びました。
軽いガス爆発であることをすぐに察知した私は、おろおろする妻を尻目に、すぐに周囲の火源を消火するとともに、ガスの元栓を止め、室内のブレーカーを落とし、部屋の窓をすべて開放しました。火災の発生や器物の損壊はありませんでした。
引き続く爆発の危険がないことを確認した上で、最後に妻の様子を確認しました。顔面蒼白でうろたえてはいるものの、怪我はないようです。
どうやら、米を炊こうとしたところ、一度も使ったことのないガス炊飯器の着火に手間取り、溜まっていたガスを小爆発させてしまったようです。
その後、私が炊飯器をセットし、朝飯の準備は無事再開しました。落ち着きを取り戻し始めたところで、妻は次第に不機嫌になりました。
曰く、「最初に私の安否を気遣わず、どたばたと他の作業をしていた。」ことが、彼女は気にくわなかったようです。私は単に爆発・火災の訓練を受けた者として、当然の手順を踏んだまでです。そのことを彼女に理解してもらうのに、かなり苦労した記憶があります。
時は巡り15年後の昨日(11月25日)、想い出の笠戸島のドックで、本当の爆発事故がありました。
午後4時ごろ、笠戸島のドックで、建造中の貨物船内で爆発事故が発生しました。大規模な火災には至らなかったものの、塗装作業に従事していた男性1人が死亡、ほか男性3人が軽症を負いました。
地元警察は、バラストタンク内の塗装作業中に塗料が気化し、何らかの火源が引火し爆発した可能性があるとみて、業務上過失致死容疑を視野に、捜査をはじめたようです。
塗装中の同じタンク内で、ガスバーナーを使った切断作業が行われていたとの情報もあり、危機管理に問題があったとされても、申し開きはできないのではないでしょうか。
なお、同ドックでは、昨年7月にも入渠中の貨物船内で爆発事故が発生し、作業員ら14人が軽傷を負っています。

さて、私の船乗り生活最後のドックといえば、自動車運搬船D丸で入渠した山口県・笠戸島のドックでした。
当時、私たち夫婦は結婚7年目を迎えていましが、どういうわけか、子宝には恵まれていませんでした。家族寮は家電製品から食器にいたるまで、家財道具一式が揃った集合住宅の一室、東京から馳せ参じた妻と、久しぶりの夫婦水入らずの生活が始まったのでした。
しかし、一週間限定の生活です。ドックでの検査や修理を終えると、私は妻と別れD丸は再びペルシア湾に向うためです。
笠戸島での生活が始まった最初の朝でした。妻は朝餉の支度に取り掛かっていました。私は布団に包まり、“うつらうつら”としていました。
味噌汁や焼き魚から漂う良い香りや、包丁がまな板を叩く規則的な音が、徐々に私を覚醒させてゆきます。何にも換えがたい、理想的な“目覚まし時計”なのです。
その時でした。突然、“ドン”と鈍く短い爆発音が一つ、狭い室内に響き渡りました。反射的に布団を跳ね除け起き上がった私は、「どうした! 何があったんだ? 」と叫びました。
軽いガス爆発であることをすぐに察知した私は、おろおろする妻を尻目に、すぐに周囲の火源を消火するとともに、ガスの元栓を止め、室内のブレーカーを落とし、部屋の窓をすべて開放しました。火災の発生や器物の損壊はありませんでした。
引き続く爆発の危険がないことを確認した上で、最後に妻の様子を確認しました。顔面蒼白でうろたえてはいるものの、怪我はないようです。
どうやら、米を炊こうとしたところ、一度も使ったことのないガス炊飯器の着火に手間取り、溜まっていたガスを小爆発させてしまったようです。
その後、私が炊飯器をセットし、朝飯の準備は無事再開しました。落ち着きを取り戻し始めたところで、妻は次第に不機嫌になりました。
曰く、「最初に私の安否を気遣わず、どたばたと他の作業をしていた。」ことが、彼女は気にくわなかったようです。私は単に爆発・火災の訓練を受けた者として、当然の手順を踏んだまでです。そのことを彼女に理解してもらうのに、かなり苦労した記憶があります。
時は巡り15年後の昨日(11月25日)、想い出の笠戸島のドックで、本当の爆発事故がありました。
午後4時ごろ、笠戸島のドックで、建造中の貨物船内で爆発事故が発生しました。大規模な火災には至らなかったものの、塗装作業に従事していた男性1人が死亡、ほか男性3人が軽症を負いました。
地元警察は、バラストタンク内の塗装作業中に塗料が気化し、何らかの火源が引火し爆発した可能性があるとみて、業務上過失致死容疑を視野に、捜査をはじめたようです。
塗装中の同じタンク内で、ガスバーナーを使った切断作業が行われていたとの情報もあり、危機管理に問題があったとされても、申し開きはできないのではないでしょうか。
なお、同ドックでは、昨年7月にも入渠中の貨物船内で爆発事故が発生し、作業員ら14人が軽傷を負っています。




