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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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『★新生丸海難、民事訴訟の和解が成立!★』[2008年11月13日(木)]
三年前、北海道・根室沖で発生した、イスラエルのコンテナ船“ジム・アジア”と、日本のサンマ漁船“新生丸”との衝突事件の民事訴訟がついに決着しました。

本ブログでもたびたび取り上げてきたとおり、この海難は三年前(平成17年)の9月28日の未明、根室・納沙布岬沖で発生しました。両船の衝突によって“新生丸”は転覆、乗組員8人のうち、船長ら7人が死亡し、1人が負傷しました。

航法上の原因究明に関しては、昨年(平成19年)3月23日、横浜地方海難審判庁で裁決が言い渡され、「ジム・アジア側も警告信号を行わず、衝突を避けるための協力動作をとらなかったとしながらも、そもそも“新生丸”側に衝突回避義務があり、主な事故原因が“新生丸”側にあった。」と認定しました。

当然、新生丸側は納得できません。しかし、本件の場合、日本の海技免状を有する者、すなわち“新生丸”側の海技資格者がすべて死亡したため、法律の規定に従い、高等海難審判庁への二審請求ができなかったのです。

したがって、新生丸の遺族は、ジム・アジアの所属海運会社に対し、約9億円の損害賠償を求める民事訴訟に踏み切りました。真相解明の最後の舞台として、民事裁判が起こされたのです。

本民事訴訟に関しては今年5月、釧路地方裁判所が和解をするよう勧告、双方がそれを受け入れ、具体的な協議が進められていました。

先月下旬には、「ジム・アジア側は裁判所の和解勧告に従い、速やかに和解金を支払う」、「ジム・アジア側は遺族に哀悼の意を示す」、以上の二点が和解条項として裁判所から双方に提示されました。

昨日(11月12日)、この条項に基づき、ジム・アジア側が和解金を支払うことなどで、和解が成立しました。

和解金の額は不明ですが、報道によると数億円程度とされています。裁判所が過去の事例などに基づき、具体的な数字を示し、双方がそれに納得したものと思われます。

なお、和解にあたり、“ジム・アジア”と “新生丸”、どちらの行為が海難の主因となったのか、あるいは、過失割合はどうだったのか、救助活動もせず“当て逃げ”だったのではないかなど、双方の主張が対立した部分に関しては、あえて触れられませんでした。

裁判の長期化を“良し”としない、“新生丸”の遺族らに配慮した和解内容となったわけです。双方とも不満な点はあるものの、やはり、遺族らの心労を察するに、致し方ない結末かと思います。

また、“新生丸”側は和解内容とは別途、ジム・アジア側に対し、事故の再発防止を促す申し入れ書を提出したとのことです。


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