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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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『★第58寿和丸転覆海難、海難原因を大胆推測(その17)!★』[2008年09月02日(火)]
6月23日午後、千葉県・犬吠崎の沖合の太平洋上で、福島県・いわき市の巻き網網漁船“第58寿和(すわ)丸(135トン)”が転覆し後に沈没、死者・行方不明者が出ている海難の続報です。

ご存知の方もいるかと思いますが、昨夜のテレビAのニュース番組Hでは、この事件を取り上げる予定だったようです。テレビ欄を見てみると、「潜水艦説も浮上! 生存者が初めて語った真相!」などの言葉が出ています。

どうやら、生存者や関係者のインタビューなども取り付け、全体をつなげると、潜水艦犯人説に行き着くような番組構成となっていたのでしょう。この手の話題は、テレビAの得意とするところです。

本ブログの愛読者の皆さんはご存知のとおり、潜水艦犯人説については、私は否定的です。完全否定と言っても差し支えないでしょう。したがって、この番組からの解説やコメントの“お呼び”はかかりませんでした。

そうは言っても気にはなります。そろそろ、始まる時間帯を見計らい、海事・船舶などを担当するテレビAのT記者に連絡を入れてみました。

「それどころじゃないですよ! あれ? ニュース見ていないんですか。福田首相の突然の辞意表明ですよ!」

「すまん、知らなかったT記者。実は新宿歌舞伎町のクラブで仲間と飲んでます! 忙しいところ、悪かった!」と言うことで、昨夜の番組は急遽変更となってしまったようです。

第58寿和丸の事故原因を潜水艦との衝突とする説は、いまだに燻っています。それを信じる側にとっても、否定する側にとっても、是非、見たかった番組であったに違いありません。“仕切り直し”による再放送を期待しています。

さて、私は第58寿和丸の事故原因について、船首楼の後縁直下、右舷側の船底部分を下から襲ったパンチング(船首・尾部が波によって下から衝撃を受ける現象)が主因だと思っています。

航行中ならば、難なくかわしていたにもかかわらず、第58寿和丸はパラシュートアンカーによって漂泊中でした。船首から繰り出した丈夫なロープが船首部の運動を阻害したため、パンチングの応力が拡散せずに一箇所に集中、船底外板の亀裂及び広範な破壊へと至ったものと思われます。

この説を否定するに足りる科学的根拠が現れない限り、今のところ私が潜水艦衝突説に飛びつくことはまずあり得ないでしょう。もう一つ、潜水艦説には大きな問題が存在します。

今のところ、どのマスコミも報じていないようですが、実は第58寿和丸の遭難発覚後、自衛隊はかなり早いタイミングで、現場海域に哨戒機を投入しています。

この情報については、第58寿和丸の遭難直後の段階、すなわち潜水艦説が飛び出す、ずっと以前の段階で関係筋からもたらされたものです。確度としては、まず間違いないはずです。

皆さんもご記憶のとおり、今年2月19日、千葉県南房総市の野島崎の南約40キロの海上で、海上自衛隊のイージス艦“あたご”と、千葉県・新勝浦市漁協所属の漁船“清徳丸”が衝突、親子2人の漁船員が行方不明(後に死亡認定)となった事故がありました。

こうしたことから、第58寿和丸の遭難を知った防衛省としては、あらゆる可能性を視野に入れ、念のため現場海域を哨戒させることとしたのではないでしょうか。結果は無論“シロ”と聞いています。

仮に潜水艦が135総トンの鋼船と衝突した場合、自身がまったく無傷であると考えるのは、あまりにも無謀です。現場海域で浮上しなかったとしても、どこかで哨戒機の警戒網に引っかかる行動を取らざるを得なかったものと推測されます。

ここまで言っても、「哨戒機の警戒網をすり抜けたに違いない!」、「寿和丸と一緒に沈んだかもしれない!」など、言い訳は山ほどあるに違いありません。

しかし、カタストロフィ的なストーリーをあれこれ組み立てる以前に、通常起こりうる現象の可能性について、丹念に検証することのほうが、はるかに重要なはずです。悲惨な事故を二度と繰り返さないためにも。



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コメント
身に余る応援のお言葉を頂き、恐縮いたしております。
北海道漁連の方などとの会議を終え、ただいま、ホテルに戻ってきました。
第58寿和丸の受難は、北海道漁連をはじめ、国内すべての漁業者にとって、決して他人事ではないことは、平素の意見交換から身に染みて感じています。
決して一漁協の受難とはせず、国内の漁業者そしてそのご家族や関係者の皆様のためにも、やるべきことはやる所存でございます。
今後とも、ご指導方よろしくお願い申し上げます。
Posted by:野崎様 元海の男  at 2008年09月03日(水) 22:33

ご尽力、頭が下がる思いです。
ぜひ、この検証調査は実現させてください。期待しております。大変でしょうが頑張ってください。もし、少しでも協力出来るようなことがあれば、ご連絡ください。よろしくお願いいたします。
Posted by:野崎 哲  at 2008年09月03日(水) 16:13

お世話になっております。情報・コメント有難うございます。
今、北海道・稚内に来ています。今から漁連の皆様などとの会議を控えています。
ご指摘のパンチング説に対する疑問の件ですが、模型・実船実験及び数値解析による検証調査を現在企画いたしております。
予算がつくか否か、今後のスポンサーの判断となりますが、ぜひ、実施したいと考えています。
安全性に問題がなければ、当然、パンチング説は否定されるでしょう。
しかし、他船の今後の安全操業のためにも、誰かが可及的速やかに検証する必要はあると思います。
研究者の義務として、第58寿和丸の全乗組員の無念を晴らすためです。
Posted by:野崎様 元海の男  at 2008年09月03日(水) 15:20

また自衛隊機の出動は、第二管区保安部長の要請による災害派遣で百里基地の航空自衛隊機と説明受けております
Posted by:野崎 哲  at 2008年09月03日(水) 11:33

また自衛隊機の出動は、第二管区保安部長の要請による災害派遣で百里基地の航空自衛隊機と説明受けております
Posted by:野崎 哲  at 2008年09月03日(水) 11:32

それと、13名の行方不明者のことです。まき網は必ず附属船が近くにいるので、これまでの海難においても比較的犠牲者が少なかったのですが、今回13名の行方不明者が出てしまったのは、最初の状況が船体放棄にいたるような危機的な状況ではないと判断したのではと想像しております。
Posted by:野崎 哲  at 2008年09月03日(水) 10:32

パンチング破損説理屈では理解できるのですが、実感として腑に落ちません。9年目の船舶が、パラの押え効果を加味しても、波による破損をするためには、どのぐらいのポテンシャルが必要なのか?
また、これは操業船に深刻な不安材料となるのか?
58寿和丸の破損の状況を本当に知りたいと思っております。
Posted by:野崎 哲  at 2008年09月03日(水) 10:14

ご返事ありがとうございます。

船の構造に関しては全くの素人です。これからもよろしく御願いします。原因は分かりませんが海で仕事をする方達の安全を祈ります。
Posted by:アマ記者アキオ  at 2008年09月03日(水) 01:36

その他にも否定材料はあります。詳細は私のブログでご確認ください。
いずれにせよ、事件を絶対に風化させてはいけないと思います。あらゆる意見を集約し、再発防止を図ることが大切です。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
貴職のご指摘、そして、テレビ報道も、その点では私と同じ効果があると思います。
Posted by:アマ記者アキオ様 元海の男   at 2008年09月02日(火) 20:40

コメント有難うございます。
福田総理の辞意のニュースと結び付ける発想には、興味を抱きます。たしかにタイミングは、ばっちりですね。
しかし、誠に申し訳ないのですが、現時点でも、私は海事専門家の立場として、潜水艦原因説には否定的です。
私の知見をいかに駆使しても、いかなる理由が見当たらないという事態に陥らない限り、変わることはないでしょう。
たとえば、二重底燃料タンクに浸水しても、この船は沈みません(機関室浸水ならば計算するだけの価値はあります)。
造船工学の基礎を理解する者ならば、どなたでもわかるはずです。

(つづく)
Posted by:アマ記者アキオ様 元海の男   at 2008年09月02日(火) 20:33

ここからはあくまで私見です。仮に米海軍の潜水艦が衝突したとして予定どうり放送されればその信憑性はともかくマスコミ、世論は騒然とするでしょう。しかも当て逃げになります。そこで福田氏辞任会見を昨晩に急遽早め事故原因真相の放送は無くなる。何らかの指示があったのかも知れません。ブッシュ政権にしてもこれ以上の汚点を残す訳にはいかない。福田氏は言われるがままでしょう。紙面上も退陣表明一色で染まりました。

真相は分かりません。三角波、突発的な現象だったのかもしれません。

しかし「てっきり報道ステーションで放映されると思っていたのに」組合の方談。

気持ち悪いほどタイミングが良過ぎた昨晩でした。


Posted by:アマ記者アキオ 2  at 2008年09月02日(火) 15:46


はじめまして。

犬吠崎沖第58寿和丸事故ですが、
多くの犠牲者が出ておられご冥福をお祈り致します。

事故原因についてですが興味深く読みました。事故直後のメディアでは
突発的な三角波の影響だろうと報道していました。私も聞き慣れない言葉でしたが納得していました。
それが9月1日報道ステーションにて潜水艦衝突説浮上と書いており見ていましたが福田氏の辞任会見で終わってしまいました。
何となくですが引っ掛かりました。
それは会見のタイミングです。辞任する事は決まっていたと推測出来ますが9月2日でもいいと思いました。なぜ慌てた様に昨晩の8時だったのか。
出来る範囲で調べてみました。
まずはテレ朝です。報道番組なので
緊急のニュースがあれば優先される
事故原因に関する放送はまだ未定で
しばらくは政権交代等の報道が流れるでしょう。

納得がいかず千葉県の漁協に問い合わせてみました。第58寿和丸の所属は岩手県岩城市の組合と教えてもらい。問い合わせてみました。

組合の方と直接お話が出来ました。
「事故当時は休憩中との事で操業時と違いライフジャケットは着用していない。波の高さは2MM。操業に支障の無い高さ。また転覆であれば船内に空気が有り1〜2時間は浮いている。ところが今回は30〜40分で沈んでしまった。生存者の証言では突き上げる様な音がした。事故直後海面上に漁船の油が浮いていた。
船底に穴が開きそこから浸水した可能性が有る。ただし海底は4〜5000MM有り調査船でないと確認出来ない。多額な費用も掛かる。こちらとしても原因を知りたいが今は金銭面なども含め検討中。超党派で取材もあった。」との事でした。また横浜地方海難審判理事所では重大事故として引き続き調査を行うそうでです。



Posted by:アマ記者アキオ  at 2008年09月02日(火) 15:45

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