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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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『★五島の漂流物の正体とは?★』[2008年08月03日(日)]
昨日(8月2日)夜まで、沖縄県・八重山諸島の離島に出張し、インターネットが使えない状況下にあったため、本ブログの更新が遅れました。愛読者の皆様、お許しください。

出張出発日(7月31日)に更新したブログでは、“第58寿和丸”の海難原因に関し、漂流物との衝突の可能性如何を考察しました。

その中で、私の過去の経験談として、「(私は船乗りの現役時代、)何かのプラントの一部と思しき、長径20メートルにも及ぶ人口構造物の漂流を目撃したこともあります。」と記載しました。

実にタイミング良く、同日、長崎県・五島市沖では、中国文字が書かれた巨大な円筒形漂流物(長さ約32メートル、直径約4.4メートル)が発見され、大騒ぎとなりました。

口の悪い海事専門家の一人から、出張先の沖縄に連絡があり、「おまえが、自分のブログの信頼性を向上させるため、流したのではないか?」と言われました。もちろん、そんなことはありません。言っている方も冗談のつもりです。

さて、あの漂流物の正体ですが、化学プラントで使用される不活性ガス(窒素)の貯蔵タンクです。

引火性・爆発性の化学薬品を製造する過程で、当該化学薬品の引火・爆発を防止する観点から、プラント内に存在する、酸素を含む空気を排除する必要に迫られることがあります。

大気中に存在する空気の代わりに、酸素濃度がより低い、“不活性ガス”と称するものを、プラント内に“ぶち込み”、引火・爆発を事前に防止するのです。

ボイラーなどで発生した燃焼ガスの不純物を除き、浄化したものを、不活性ガスとして使用する場合もあります。

しかし、製造する化学薬品の品質向上を図り、かつ、防災の観点から酸素の存在を“ゼロ”に近づけるためには、純正“窒素”が不活性ガスとして使用されます。

今回の円筒形の漂流物は、不活性ガス(窒素)の貯蔵タンク、すなわち化学プラントの一部です。


おそらく、中国南部の臨海部、または河川流域の化学プラント製造現場において、“バージ(いかだ)”などに乗せておいた資材が荒天などで流されたものではないでしょうか。

あるいは、バージに乗せ、海上などを輸送する過程で、同じく荒天などの影響で流されたものではないでしょうか。

いずれにせよ、中国の目覚ましい経済・工業発展の一部を垣間見る、象徴的な出来事と言えましょう。

今回、この漂流物に関し、マスコミから私に対し、解説の依頼はありませんでした。仮にあったとしたら、私は以上のように答えるつもりでした。



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