『★犬吠沖、漁船転覆海難の原因は?★』[2008年06月24日(火)]
昨日のブログで一報をお伝えしましたが、千葉県・犬吠崎の沖合の太平洋上で、漁船の転覆海難が発生し、死者・行方不明者が出ています。
昨日(6月23日)午後1時30分ころ、千葉県・犬吠埼灯台から東方約350キロメートルの沖合で、福島県・いわき市の巻き網網漁船“第58寿和(すわ)丸(135トン)”が転覆、後に沈没しました。
寿和丸にはK船長(51歳)ら、20人が乗り組んでいました。付近にいた僚船が7人を救助し、うち3人が生存していたものの、甲板長のIさん(44歳)など4人の方の死亡が確認されました。
残り13人の方はいまだ行方不明となっていて、海上保安庁の巡視船・航空機などによる懸命の捜索活動が続いています。なお、7人を乗せた僚船は間もなく、福島県・いわき市の小名浜港に到着する予定です。
寿和丸は6月4日、8隻による船団を組んで宮城県・塩釜港を出港、現場海域においてカツオの巻き網漁業に従事していたとのことです。
巻き網漁船は遠洋における1,000トン級の大型漁船による単独操業を例外とするも、通常、3〜8隻の船団を組んで操業しています。
対象とする魚がアジ・イワシ・サバ・カツオ・マグロなど、比較的表層の回遊魚であるため、濃い群れを見つけ、その真ん中に網を張ることが重要です。
群れを見つけ、網を投入する目印となる役目の船のことを“魚探船”と言います。夜間においては、目印となる灯火を掲げることから“燈船”とも呼びます。
実際に網を入れるのが“巻き網船”、そして漁獲物を貯蔵し、状況によっては港に水揚げする役目を担うのが“運搬船”です。これら三種類の船のチームワークにより、巻き網漁業は行なわれています。
当時、現場海域には低気圧が通過中で、船団は漁を休み、シーアンカーを投入し、荒天避泊をしていたとのことです。
シーアンカーとは別名、パラアンカーとも呼ばれるものです。船首部分から延ばしたロープの先端に落下傘状の抵抗となる物体が装着されています。海中で水平方向に展開した落下傘をイメージしてください。
これを投入することにより、船首は風上の方向を常に向き続け、船体は風に対して平行な姿勢を保つことができます。また、風による圧流もある程度抑制することができます。
真正面から風や波を受ける形となり、横波を受けることなく、荒天を耐え凌ぐことが可能となるわけです。漁船などが洋上で行う、一般的な荒天避泊方法の一つです。
報道によると、寿和丸はシーアンカーを海中に入れて荒天避泊中、横波を2回受けて転覆したとされています。
一部には、“三角波(複数の異なる方向からの波どうしがぶつかり、鋸の歯のような形状の、破壊力の大きな波ができる現象)”を指摘する声も挙がっています。
近くにいた僚船は、「寿和丸のレーダーによる船影がおかしいと思い、船の方を見ると船底のようなものが見えた。」と話しているそうです。
当時、現場海域は風速10メートル、波高2メートル程度だったとされています。荒天避泊していた漁船を一瞬のうちに転覆させるほどの激しい時化とは言えません。
シーアンカーで波風に立っていた船体に、なぜ、横波が襲ったのかがこの事故の争点です。
無論、低気圧の通過後、風速20メートルに達する予期せぬ方向からの突風が吹いた可能性もあります。また、冬場の北太平洋ではないにしろ、今の時期にあっても、低気圧の通過に伴う風向の変化に伴い、“三角波”が発生した可能性も否定できません。
一つ、注目すべきことがあります。現場海域を撮影したニュース映像に、一瞬ですが、漂流しているシーアンカーが映し出されていました。
特段、落下傘部分も、つながっているロープも壊れている様子はなく、先端にいるはずの“主(あるじ)”、すなわち、寿和丸だけが消滅した姿は実に哀れでした。
沈没時、ロープの結び目が寿和丸の船体から外れた可能性もあるでしょう。また、大胆な推測かもしれませんが、転覆前、何かの理由でロープが外れた可能性があります。
安定していた船体の姿勢はただちに崩れ、波風を真横から受ける、最悪の態勢へと陥ります。すぐさま、エンジンをかけ舵を操り、船体を立て直す必要がありますが、間に合わない可能性も否定できません。

昨日(6月23日)午後1時30分ころ、千葉県・犬吠埼灯台から東方約350キロメートルの沖合で、福島県・いわき市の巻き網網漁船“第58寿和(すわ)丸(135トン)”が転覆、後に沈没しました。
寿和丸にはK船長(51歳)ら、20人が乗り組んでいました。付近にいた僚船が7人を救助し、うち3人が生存していたものの、甲板長のIさん(44歳)など4人の方の死亡が確認されました。
残り13人の方はいまだ行方不明となっていて、海上保安庁の巡視船・航空機などによる懸命の捜索活動が続いています。なお、7人を乗せた僚船は間もなく、福島県・いわき市の小名浜港に到着する予定です。
寿和丸は6月4日、8隻による船団を組んで宮城県・塩釜港を出港、現場海域においてカツオの巻き網漁業に従事していたとのことです。
巻き網漁船は遠洋における1,000トン級の大型漁船による単独操業を例外とするも、通常、3〜8隻の船団を組んで操業しています。
対象とする魚がアジ・イワシ・サバ・カツオ・マグロなど、比較的表層の回遊魚であるため、濃い群れを見つけ、その真ん中に網を張ることが重要です。
群れを見つけ、網を投入する目印となる役目の船のことを“魚探船”と言います。夜間においては、目印となる灯火を掲げることから“燈船”とも呼びます。
実際に網を入れるのが“巻き網船”、そして漁獲物を貯蔵し、状況によっては港に水揚げする役目を担うのが“運搬船”です。これら三種類の船のチームワークにより、巻き網漁業は行なわれています。
当時、現場海域には低気圧が通過中で、船団は漁を休み、シーアンカーを投入し、荒天避泊をしていたとのことです。
シーアンカーとは別名、パラアンカーとも呼ばれるものです。船首部分から延ばしたロープの先端に落下傘状の抵抗となる物体が装着されています。海中で水平方向に展開した落下傘をイメージしてください。
これを投入することにより、船首は風上の方向を常に向き続け、船体は風に対して平行な姿勢を保つことができます。また、風による圧流もある程度抑制することができます。
真正面から風や波を受ける形となり、横波を受けることなく、荒天を耐え凌ぐことが可能となるわけです。漁船などが洋上で行う、一般的な荒天避泊方法の一つです。
報道によると、寿和丸はシーアンカーを海中に入れて荒天避泊中、横波を2回受けて転覆したとされています。
一部には、“三角波(複数の異なる方向からの波どうしがぶつかり、鋸の歯のような形状の、破壊力の大きな波ができる現象)”を指摘する声も挙がっています。
近くにいた僚船は、「寿和丸のレーダーによる船影がおかしいと思い、船の方を見ると船底のようなものが見えた。」と話しているそうです。
当時、現場海域は風速10メートル、波高2メートル程度だったとされています。荒天避泊していた漁船を一瞬のうちに転覆させるほどの激しい時化とは言えません。
シーアンカーで波風に立っていた船体に、なぜ、横波が襲ったのかがこの事故の争点です。
無論、低気圧の通過後、風速20メートルに達する予期せぬ方向からの突風が吹いた可能性もあります。また、冬場の北太平洋ではないにしろ、今の時期にあっても、低気圧の通過に伴う風向の変化に伴い、“三角波”が発生した可能性も否定できません。
一つ、注目すべきことがあります。現場海域を撮影したニュース映像に、一瞬ですが、漂流しているシーアンカーが映し出されていました。
特段、落下傘部分も、つながっているロープも壊れている様子はなく、先端にいるはずの“主(あるじ)”、すなわち、寿和丸だけが消滅した姿は実に哀れでした。
沈没時、ロープの結び目が寿和丸の船体から外れた可能性もあるでしょう。また、大胆な推測かもしれませんが、転覆前、何かの理由でロープが外れた可能性があります。
安定していた船体の姿勢はただちに崩れ、波風を真横から受ける、最悪の態勢へと陥ります。すぐさま、エンジンをかけ舵を操り、船体を立て直す必要がありますが、間に合わない可能性も否定できません。




