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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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『★イージス艦の“お礼金”とは・・・★』[2008年05月15日(木)]
今年2月19日、海上自衛隊のイージス艦“あたご”と、千葉県・新勝浦市漁協所属の漁船“清徳丸”が衝突、親子2人の漁船員が行方不明となった事故の続報です。

報道によると、第3管区海上保安本部は、今回の事故発生当時、当直士官だった“あたご”の水雷長を、漁船団に対する見張りの指示が不十分だったなどとして、業務上過失致死罪と業務上過失往来危険罪の容疑で、書類送検する方針を固めたとしています。

事故から間もなく三ヶ月が経過し、いまだ行方不明となっている漁船員親子に対する死亡認定の申請とその受理が可能となったタイミングを見計らい、今回の容疑での立件に踏み切るものと推測されます。

一方、別の報道は、今回の事故に関し、防衛省が漁船員親子の捜索活動に協力した“お礼”として、新勝浦市漁協など五つの漁協に対し、計約1600万円を支払う手続きを開始したと報じています。

今回の事故での捜索に、約一週間にわたり、のべ約200隻の漁船が参加しています。単純計算だと1隻あたり約8万円、日給約1万1,000円ということになります。

無論、燃料代などの直接経費に相当する額で、その間の休漁補償などには及びもしないことはわかっているのですが、何か釈然としないのは私だけなのでしょうか。

参考までに、船員法第68条では、人命救助などの緊急を要する作業について、時間外労働手当の対象外となっています。徹夜で人命救助にあたっても、労働対価としての手当は支給されない仕組みとなっています。

船乗りが海の上で、同じ船乗りを助ける行為は“あたりまえ”だからです。「手当を寄越せ!」と、不平不満を漏らす船乗りはいないのです。それが、昔から脈々と受け継がれてきた“シーマンシップ”だからです。

今回の“お礼”は、人件費ではなく、燃料代などの直接経費だとすれば、一応は頷けます。しかし、捜査当局が刑事事件の立件に踏み切った段階で、いわば“被害者”の身内に対し、たとえ直接経費と言えども、現金を支払うことが果たして適切と言えるのかどうか、専門家の間でも意見は分かれるのではないでしょうか。



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